トヨタとスバルによる「e-Nurburgring」は盛況、波乱も多数---ニュル24時間代替イベント

e-Nurburgring Race スクリーンキャプチャ
e-Nurburgring Race スクリーンキャプチャ全 51 枚

トヨタGAZOOレーシング(TGR) とスバルは24日、今年のニュルブルクリンク24時間レースが行われるはずだった当日に、「e-Nurburgring Race」のライブ配信を行った。当日は配信が行われたTGRとスバルのYouTubeチャンネルには、1万人に迫るファンが集まった。

本来ならば今年のニュル24時間レースは5月23~24日で決勝レースが行われる予定だったが、コロナ禍の影響で、9月26~27日の決勝予定と変更になっている。そこで、ニュルブルクリンク24時間レースに参戦している、TGRとスバルが共催として「e-Nurburgring Race」を開催。昨年から3ヶ年計画でニュルに参戦を開始した「KONDO RACING」と、昨年初めて参戦した「RACING PROJECT BANDOH」も参加し、“オールジャパン”でニュルブルクリンク24時間レースを、モータースポーツを盛り上げようと開催された。

イベントは「e-Motorsports Studio supported by TGR」を活用し、「グランツーリスモSPORT」を使用し、ニュルブルクリンクのフルコースを使った1時間のレースを開催。

参加ドライバーは次の通り。
トヨタGAZOOレーシング:石浦宏明、大嶋和也、蒲生尚弥、佐々木雅弘
スバル・STI:井口卓人、山内英輝
KONDO RACING:松田次生、高星明誠
RACING PROJECT BANDOH:吉本大樹

そして解説としてTGRアンバサダーの脇阪寿一、STI総監督の辰己英治、スバルから過去にレースに参戦して現在解説などを行う松田晃司と、RACING PROJECT BANDOHの坂東正敬監督も参加した。

使用車両は次の通り。
TGR:トヨタGRスープラレーシングコンセプト ’18
スバル:スバルWRX Gr.3
KONDO RACING:日産GT-R GT3』
RACING PROJECT BANDOHが:レクサスRC-F GT3

グランツーリスモではカラーリングを独自に作れることもあり、ファンから送られた「カーリバリー」という機能を使われ、実車を忠実に再現したカラーリングのマシンで戦った。

1時間のレースとして開催され、距離も1周約25kmのコースとあり、1周するのには本番と同じように8分前後掛かる。当然飛ばせば燃料やタイヤを消費してピットインをしなくてはならないが、本番レースのように、何周周回したらピットに入るのかなどがレースに見所にもなる。

最初から飛ばすマシンもあれば、密かに燃費走行でピットに極力入らない作戦を取るドライバーなど、本番さながらのレース展開となるが、途中でなんと、TGRドライバーのモリゾーこと豊田章男トヨタ社長も飛び入りで参戦。モリゾー選手もドライバーとして実際のニュルを何度も走行しているだけあり、プロのドライバーもなかなか追いつけない実力を見せながらの走行を行う。レースは終始混戦状態となり、ファイナルラップの最終コーナーまでもつれるという手に汗を握る展開となり、混戦を切り抜けたKONDO RACINGの松田次生選手が優勝した。

また第2レースとして、各メーカーが想像する未来の車を集めた、ビジョングランツーリスモに収録されたマシンを使い、ニュル特有のナイトレースで1周というスプリントで行われた。ここでは、ドライバー陣も、先ほどまでドライブしていたGT3マシンと特性が違いすぎるのと、ナイトレースということで、クラッシュなども多発してしまうが、混戦を切り抜けたRACING PROJECT BANDOHの吉本大樹選手が優勝した。

イベント自体はグランツーリスモを使ったレースの配信だけなく、ニュルに参戦しているドライバー、監督から過去のニュルでのレースの思い出や、ニュルに参戦する理由などが語られ、TGRのモリゾー選手こと豊田章男社長や、STIの辰己総監督は「ニュルに行くことでより良い車作り、そして関わる人間の育成が大事。その為にニュルに参戦している」と語られた。

残念がらTGRは今年の参戦の見送りをすでに発表しており、来年ニュルの場に復活することを誓った。スバルやKONDO RACINGは今年の動向はまだ発表できないとしながらも、参戦するならば良いレースをしたいとドライバーや監督から語られた。

またドライバー陣からは、「コロナ禍の影響で実際のレースは行われていないが、開始された時には、ぜひともサーキットに足を運んで、実際のマシンが戦うレースを見に来て応援して欲しい」とコメントが寄せられ、最後は医療従事者や関係者に感謝の意味を込めて拍手でイベントは締められた。

《雪岡直樹》

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