ルノー・日産・三菱連合、モデル開発費を最大40%削減へ…「リーダーとフォロワー」方式で効率化

ルノーのスナール会長
ルノーのスナール会長全 5 枚

仏ルノーと日産自動車、三菱自動車工業の3社連合首脳は5月27日、それぞれの拠点を結んでオンライン会見を開き、新たに合意した事業連携の強化策を発表した。

会見にはルノーのジャンドミニク・スナール会長、日産の内田誠社長、三菱自動車の益子修会長らが出席した。新たな強化策では、プラットフォーム(車台)や新技術の開発で「リーダーとフォロワー」方式を導入し、研究開発投資などの効率化を図る。また、世界各地域での生産・販売などの事業推進の補完を、より強化する枠組みも導入することとした。

プラットフォーム開発での「リーダーとフォロワー」は、セグメントごとに開発の中心を担う「リーダー会社」と、それをサポートする「フォロワー会社」を定め、リーダー会社の車両は「マザービークル」、フォロワー会社の車両は「シスタービークル」として展開する。これまで、ルノーがリーダー会社となって小型商用車で採用していた手法だが、これを乗用車にも全面展開する。

3社の合意によると、新たなリーダー会社は、ルノーが小型商用車のほかにBセグメントおよびBセグメントSUVを、日産はCセグメントSUVを担当する。日産が担うこのSUVは2025年以降に投入し、3社が全世界で展開するもので、連合における最量販モデルとなる見通しだ。

日産自動車の内田誠社長日産自動車の内田誠社長

スナール会長は「リーダーとフォロワー」の手法により、19年に3社の生産台数の39%だった共通プラットフォーム車両を、24年までに倍増させる方針を示した。ラットフォームの開発ではアンダーボディーだけでなくアッパーボディー部分も共用化を図り、「モデル当たりの開発投資額(設備投資含む)を最大で40%削減する」との目標も提示した。

また、新技術の「リーダーとフォロワー」では、自動運転を含む運転支援技術を日産が、またコネクティッド分野ではルノーと日産がリーダー会社になるなどの分担も決めた。会見でスナール会長は「台数ではなく、効率性と競争力を目指す新しいフレームワークであり、各社の競争力と収益性を向上させるのが狙いだ。数年後にわれわれは、最もパワフルなグループになる」と強調した。

三菱自動車の益子修会長三菱自動車の益子修会長

また、経営再建を課題とする内田社長は「日産は向こう数年間、“選択と集中”に取り組んでいく。リーダーとフォロワーを使って日産が集中すべきモデルを選定し、選択と集中を徹底したい」と語った。さらに益子会長は「過去数年間、拡大戦略を過大に追求し過ぎ、厳しい局面にある。元の成長ビジョンに戻すため、アライアンスを活用していく」と述べた。

《池原照雄》

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