日産の次世代電動4WD「e-4ORCE」、高出力ツインモーター搭載…開発が最終段階に[動画]

日産GT-Rの電子制御4WDシステムのノウハウを導入

リアモーターの回生ブレーキが車体の振動を抑える

最大100%のパワーを前輪または後輪に配分可能

日産の次世代電動4WD「e-4ORCE」のテスト車両(リーフがベース)
日産の次世代電動4WD「e-4ORCE」のテスト車両(リーフがベース)全 10 枚

日産自動車(Nissan)の米国部門は6月4日、新開発の電動駆動4輪制御技術、「e-4ORCE」の詳細を発表した。

画像:日産の次世代電動4WD「e-4ORCE」のテスト車両(リーフがベース)

日産GT-Rの電子制御4WDシステムのノウハウを導入

e-4ORCEの「e」は、100%電気自動車の電動駆動に由来する。また、「4ORCE(フォース)」は、物理的なパワーとエネルギーに四輪駆動の「4」を掛け合わせたものだ。

e-4ORCEは、電気自動車の性能をさらに押しあげることを狙う。e-4ORCEは瞬時にトルクを4輪に伝え、多くのプレミアムスポーツカーに匹敵する安定したパワーとハンドリングを追求した。滑りやすい路面でも思い通りのコーナリング性能と高いトラクション性能を実現することを目指している。

e-4ORCEは、日産『GT-R』の「ATTESA E-TS」電子制御トルクスプリット四輪駆動システムや、海外向け大型SUVの『パトロール』の「インテリジェント4×4システム」の開発実績を通じて生み出された。e-4ORCEは、電気自動車のスムーズで安定した出力とブレーキ性能の実現を目的に開発されている。

リアモーターの回生ブレーキが車体の振動を抑える

e-4ORCEの特長のひとつが、車体の振動を最小限に抑えた快適な乗り心地にある。フロントモーターに加え、リアモーターの回生ブレーキも併せて活用することにより、渋滞時でも揺れが少なく、快適に過ごせるという。同様に、凹凸のある路面や、加速時には、モーターを最適にコントロールすることで車体姿勢の変化を抑え、快適なドライビングを可能にしている。

さらに、モーターの駆動力やブレーキをきめ細かくコントロールすることで、高いライントレース性能を実現し、ドライバーに安心感を与える。どのような路面状況においても、自信をもって運転できるため、初心者ドライバーでも、滑りやすい路面で運転をより楽しむことができるという。

このe-4ORCEを、日産は『アリア・コンセプト』に搭載した。アリア・コンセプトには、前後に高出力電動モーターを配置したツインモーター4輪制御システムを採用。瞬時に緻密なトルクコントロールが可能な電動モーターを、前後に合計2基設置することによって、高次元の発進、加速性能を追求した。さらに前後のモータートルクやステアリング、ブレーキなどを統合制御することによって、雪道やぬかるんだ道などの滑りやすい路面においても優れたトラクション性能を発揮し、ドライバーの操作に応じて最適な駆動力コントロールとブレーキ制御を行うことで、ドライバーの思い通りのドライビングを実現している。

最大100%のパワーを前輪または後輪に配分可能

日産のe-4ORCEテクノロジーの電動パワートレインの制御技術は、従来の3倍という緻密な制御でドライバーの入力に反応する。瞬時のスムーズな加速が得られると同時に、制御技術が幅広いシナリオを処理できるようにする。e-4ORCEは、突然道路に飛び出してきた動物などの物体を回避する場合などで、非常に役立つという。

e-4ORCEテクノロジーは、常にバランスのとれたシャシー制御、ライントレース、ステアリングの精度を可能にする。操縦中でも、車両の挙動を予測可能な領域に保つことができる。システムは、ツインモーターの出力とホイールブレーキ制御を最適化して、ドライバーに信頼できるコントロール性を可能にする。

一般的に旋回時の車両は、コーナーの外側に曲がる傾向があるため、ドライバーはステアリング入力を増やすか、速度を下げる必要がある。 e-4ORCEは、車両の前輪と後輪にトルクを配分し、路面の状態や車両の状況に応じて、タイヤのグリップを最大化する。e-4ORCEの前後駆動力配分は、通常状態が50対50。路面状況や走行状況に応じて、最大100%のパワーを前輪または後輪に配分できる。回生ブレーキと油圧ブレーキを組み合わせながら、4輪それぞれの減速力を最適に制御することで、減速だけでなく旋回性能も向上させる。

その結果、とくにコーナリング時の制御レベルが高められ、最小限のステアリング調整でドライバーに快適でスムーズで予測可能なエクスペリエンスを提供するという。なお、e-4ORCE現在、開発の最終段階にある、としている。

《森脇稔》

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