【ボルボ XC60 B5 新型試乗】エンジン始動時からその“威力”の恩恵に預かる…島崎七生人

ボルボ XC60 B5 AWD Inscription
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電動化≠電気自動車化。ボルボでは目下、ピュアEVに限らず、ラインアップ全車の“駆動力に電気モーターを活用するクルマ化”を推進中だ。今回投入されたモデルはそのひとつで、新たに48Vハイブリッドパワートレーン「B5」を搭載する。

呆気なく気付けばエンジンがかかっている


試乗車はこの4月に日本市場で発表・発売されたうちの1台、『XC60 B5 AWD INSCRIPTION』(『XC90』にもB5は設定された)。ラインアップ上の位置づけは、これまでの「T5」に代わるモデルで、「T5」と同等の2リットルガソリンターボエンジンにモーターを組み合わせた、いわゆるマイルドハイブリッド。電気モーター単独での走行は行わないが、ISGM(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モーター)が、走行アシスト(ブースト)と回生ブレーキ、発電、エンジン始動などの役割を担う。

また「B5」に搭載されるエンジンには気筒休止機能が盛り込まれ、条件が整うと(概ね3000rpm以下、30~160km/hの範囲での安定的な一定走行時)1、4番シリンダーを休ませるが、この気筒休止の作動時(切り替え時)にもISGMを働かせ、メカ的なショック、変動を抑えるように使っているらしい。

数行前にサラッと書いたが、試乗車「B5」では、ISGMの“威力”はエンジン始動時から恩恵に預かることになる。いわゆるセルモーターが回る訳ではない「B5」の始動は、とにかくさりげなく……というより「呆気なく気付けばエンジンがかかっている」からだ。ウインドゥが全閉の状態ならなおさら、タコメーターの表示がある状態で“針”の動きを視認していなければ、音、振動の小ささも手伝って、エンジンに火が入ったことに気付きにくい。

走らせることで実感できる「B5」らしさ


前段の話を受けるなら、むしろ走らせたほうが「B5」のらしさはより実感できる。領域、速度を問わず、加速感が断然いいからだ。

果たしてこのシステム、セッティングのどのあたりがとくにボルボ・ユニークなのか、この原稿執筆時点で“ウラ”をとるのが間に合わなかったのだが、とにかくややこしい理屈抜きで、気持ちよく走らせていられるレスポンスで応えてくれるパワーユニット……という印象だ。

とくに出足は0km/hからの発進でもスムースだし、高速領域で、たとえば80km/hから100km/hに速度を上げたい場合も、期待以上の素早さでクルマをグイと力強く前に出す。バッテリーのインジケーターは向かって右のメーター内に小さくインジケーターが表示されるだけだが、普通に走らせている限り充電量が大きく目減りする気配はなかった。

“60シリーズ”の持ち味

諸元表で比べると「B5」の車重は「T5」の同仕様(Inscription)同士で+60kg。試乗車は“非エアサス”で、19インチの標準装着タイヤの指定空気圧は状況により230~270kPaとなっていた。

タイヤの銘柄はミシュランで、経験的にミシュランは指定空気圧であれば(任意で下げなくても)快適な乗り味を示してくれることが多いが、試乗車はボルボとして、やや硬質なタッチを感じる場面もあった。が、
それは“70シリーズ”との比較であって、“60シリーズ”の持ち味といえばそうなのかもしれない。


試乗車には「harman/kardon」のオーディオが標準搭載されていた。せっかくなので試乗中に自前の音源(iPod touch・第7世代、128GB)をBluetooth接続し試聴してみたが、柔らかくもしっかりと芯のある音質と、センタースピーカーによる自然な音像表現で快適な音が楽しめた。

快適といえばボルボの純正オプションのLightningケーブルが試乗車に車載されており、実物に初めて触れたが、おそらくシート表皮と同等のレザー製(2色の設定があるようだ)で緻密なステッチが施された、実に上質なケーブルだった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

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