MaaSアワード2020発表、ダイハツ工業『らくぴた送迎/福祉介護領域における共同送迎』など5社が受賞

MaaSアワード2020、大賞のダイハツ工業
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国際オートアフターマーケットEXPO(IAAE)実行委員会が主催する『MaaS & Innovative Business Model Award(MaaSアワード)』がこのほど発表され、ダイハツの通所介護事業施設向け送迎支援システム「らくぴた送迎」と「福祉介護領域における共同送迎の実現に向けた取り組み」が合わせて大賞を受賞した。

その他『サスティナビリティ・地域貢献部門』は伊那モバイルクリニック事務局「医療MaaS」、『アプリ部門』はトヨタ「my route」、『ビジネスモデル部門』は大日本印刷「東南アジアにおけるB2B物流マッチングサービス構築」、『次世代モビリティ部門』は小田急電鉄「江の島プロジェクト2019」がそれぞれ受賞した。

同アワードは当初、3月11~13日に開催予定だった東京ビッグサイトでの『第18回IAAE』内で表彰式を執り行う予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて公表が延期されていた。緊急事態宣言解除後の6月に夏野剛選考委員長が大賞受賞のダイハツ工業に訪問し表彰した。

『MaaSアワード』は、自動車やITのみならず幅広い業界から注目を集めているモビリティテック市場において、プロダクト/サービスやビジネス、社会的に意義がある取り組みやライフスタイルを変化させる新たな挑戦などを対象に、その先進性や独自性を評価する。今年は、幅広い業種・業態の企業35社が応募。委員長の慶應義塾大学・夏野剛特別招聘教授はじめとする選考メンバーは、自動車技術会フェロー・筑波大学非常勤講師の今井武氏、モータージャーナリスト岩貞るみこ氏、株式会社imagoモビリティデザインラボの神尾寿氏、国際自動車ジャーナリストの清水和夫氏、ITジャーナリスト林信行氏、MaaS Tech Japan代表の日高洋祐氏、株式会社イード レスポンス編集人の三浦和也氏の計8名。ダイハツ工業のほか、5部門のアワードが選出された。

なお、授賞式を機にダイハツ工業コーポレート本部谷本敦彦副本部長と夏野剛選考委員長による、コロナ感染拡大による生活様式の変化を踏まえた「モビリティの明日」をテーマに「MaaSアワード」受賞記念対談を実施した。

以下『MaaSアワード2020』受賞企業5社と受賞理由、コメント。

『大賞』

ダイハツ工業株式会社
「通所介護事業施設向け送迎支援システム「らくぴた送迎」および
福祉介護領域における共同送迎の実現に向けた取り組み」

従来の大型車による一筆書き送迎では、道路環境やドライバーの確保、送迎場所など、経営者・職員・利用者三方それぞれに課題を抱えていた通所介護事業における送迎。ICT管理とリアルタイムの情報共有をシステム化したらくぴた送迎では、三方に利便性・快適性をもたらす高効率な送迎を実現しました。本アワードでは2件まとめてとして大賞を授賞。選考委員からは、北欧フィンランド発祥のMaaSにおいて、軽自動車や軽トラックでの展開なども含め、日本ならではのMaaSビジネスに徹底的に取り組んでいる姿勢が高く評価されました。今後も多数の自治体への広がりが期待されています。

【受賞コメント】2015年から、福祉介護の事業者の皆様と向き合い、現場訪問を始め、これまで約3万軒の施設を訪問させていただきました。その中で、経営者、職員の皆様、利用者様の貴重な声を聞かせていただき、生まれたのが「らくぴた送迎システム」です。多くの事業者様にご活用いただいておりますが、訪問を積み重ねる中で、地域によっては人手不足が厳しく、個々事業者の努力だけでは限界があることも見えてきました。そこで、事業者の皆様、行政・地域の皆様と連携し、送迎を競争から協調へと「共同送迎の実現に向けた取り組み」を、香川県三豊市の皆様と共に開始しました。これからも、地域を良くし、暮らしを豊かにする取り組みに邁進してまいります。

『サスティナビリティ・地域貢献部門』

伊那モバイルクリニック事務局
医療マース

長野県伊那市がMONET Technologies、株式会社フィリップス・ジャパンとの協業でテスト運行を実施した、遠隔診療のための専用車両「ヘルスケアモビリティ」を使い、看護師が患者宅を訪問し、医師がオンラインで診療するシステム。車両には診察や診療、その後の患者情報の管理まで可能な機能を搭載。医療従事者、患者ともに円滑な診察ができるシステムを構築しています。将来的には、走行時間や距離のデータを集めて分析し、移動の最適化を確立し、患者の生活支援までを視野にいれた活動を目指しています。また、デジタル処方箋でドローンによる薬の配送なども構想されており、規制緩和への影響度なども含め、サステナビリティ・地域貢献部門を授賞しました。

【受賞コメント】 「高齢化社会における患者の移動や、医師不足地域における地域医療の維持は、日本全国各地で共通の課題となっています。このたびのモバイルクリニック車両による医療×MaaSは、特に地方の課題である地域医療において「通院医療と在宅医療に続く第三の医療形態」として、新型コロナウイルス対策としてのオンライン診療の進展とともに注目されています。この先進的な医療×MaaSは、5Gや自動運転、AIの高度化と連動して、スマート・スーパーシティの必須のテーマとなるでしょう。今後も産官学一体となった取り組みを続けてまいります。

『アプリ部門』

トヨタ自動車株式会社 / トヨタファイナンシャルサービス株式会社
マルチモーダルモビリティサービス「my route」

公共交通のほか自動車や自転車など様々な移動手段を組み合わせて移動ルートを検索し、必要に応じて予約・決済まで可能なスマートフォン用サービス。電鉄やタクシーなどの交通系事業者のほか、携帯通信や店舗、イベント情報など幅広い事業者が参画しており、今年1月には福岡市、北九州市に続いての順次全国への拡大を公表しています。本アワードでは、発祥国フィンランドにおけるMaaSの定義に則したアプリが日本でも多数出てきている中、その高い完成度が評価され、アプリ部門での授賞となりました。

【受賞コメント】「my route」は、移動の利便性を高めることでの地域活性化を目指し、トヨタのみならず、様々なステークホルダーの皆様と共に創ってきたサービスですので、全ての関係者に心より感謝申し上げるとともに、喜びを分かち合いたいと思います。現状に満足することなく、足下では、1日も早いコロナウィルスの収束を願いながら、「my route」が少しでも世の中のお役に立つよう、テイクアウト取扱い飲食店の情報や街の混雑度の提供をはじめ、様々なサービス拡張・エリア拡大に積極的に取り組んで参ります。

『ビジネスモデル部門』

大日本印刷株式会社
東南アジアにおけるB2B物流マッチングサービス構築

大日本印刷株式会社(DNP)とGlobal Mobility Service株式会社(GMS)が協同で手掛けるのが、物流課題や所得格差を抱える東南アジアでの新たなモビリティサービスです。DNPのICTを活用した高効率な物流管理システムに、GMSのIoTを活用した車両ローンの仕組みを掛け合わせ、低所得者層とトライシクルなどの小型配送車、配送業務をマッチング。貧困層の所得向上や損失が大きい物流の改善に取り組んでいます。参画する配送ドライバーがステップアップを実現するとともに、事業性も確保できることがビジネスモデル部門で高く評価されました。

【受賞コメント】約2年前から、資本業務を行ったGMSと「モビリティ・サービスに出来ることは何か」と真剣に協議し、多くの議論の末、単に移動を便利に効率化させる以上に、物流課題や所得格差などの本質的な社会課題を解決できるモビリティ・サービスを世に提供していきたいという結論に辿り着きました。コロナ禍の中、スモール・スタートを余儀なくされていますが、共にPoCを重ね、社会に期待される事業として育てていきたいと考えております。世界に新たな価値を提供できるモビリティ・サービス事業の実現を目指し、引き続き尽力して参ります。

『次世代モビリティ部門』

小田急電鉄株式会社
江の島プロジェクト2019

小田急電鉄株式会社は、江ノ島電鉄株式会社やSBドライブ株式会社、神奈川県と連携し、昨夏に自動運転バスの実証実験を実施。前年度から継続した取り組みで、新たに車両が信号情報を取得して走行するほか、交差点に設置したセンサーによって対向車の有無を確認して右折するなど、一層高度な技術検証が行われました。走行技術面以外でも、車掌が同乗し、乗降の補助や社内外の安全確認などの対面サービスの検証も進められており、全国各地で自動運転バスの実証実験が進められる中、代表的な事例として選出されました。

【受賞コメント】江の島は多くの一般車両や自転車、歩行者が行き交う環境です。車線変更や路上駐車、信号のない交差点など厳しい環境下で検証することにより、現在の自動運転技術の課題を見出すことができた場所だと思っております。また、公共交通事業者としてどのような形で自動運転を用いたサービスを提供できるか、今後の実証実験を通じて検証していきたいと考えております。

《CCP相原駿》

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