ベントレー ミュルザンヌ 生産終了…伝統の「6 3/4リットル」エンジンとともに

世界限定30台の最終モデル

60年間基本設計を変えていないV8エンジンも生産終了

11年間の生産台数は7300台以上

ベントレー・ミュルザンヌ の最終モデル、ミュルザンヌ 6.75 エディション by マリナー
ベントレー・ミュルザンヌ の最終モデル、ミュルザンヌ 6.75 エディション by マリナー全 18 枚

ベントレーは6月25日、『ミュルザンヌ』(Bentley Mulsanne)の生産を終了した、と発表した。ローズゴールド+タングステンで塗装された1台が、米国の顧客に向けて出荷される予定だ。

世界限定30台の最終モデル

現行ミュルザンヌは2009年に発表された。ベントレーを代表する4ドアサルーンとして、ラグジュアリーセグメントのベンチマークを確立したという。世界限定30台の最終モデル、『ミュルザンヌ6.75 エディション by マリナー』をもって、ベントレーは、ミュルザンヌ の生産を終了した。

最終限定モデルの外装には、グロスブラックのブライトウェアを配置し、顧客が選択したエクステリアカラーにアクセントを添える。ヘッドライトとテールライトは、ブライトクロームで縁取られた。ボンネットの「Flying Bマスコット」、「Mulliner Serenity」と呼ばれるラジエターグリル、エキゾーストフィニッシャーはすべてダークティント仕上げとし、フロントフェイスを引き締める。21インチの5本スポークホイールはブライトマシニング仕上げで、ポケット部分はグロスブラックとした。

ボンネット下については、インテークマニホールドを従来のシルバーからブラックに変更した。エンジンナンバープレートには、エンジンを組み立てた職人の署名を入れるが、最終限定モデルではベントレーのエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOの署名が添えられた。ベントレー・ミュルザンヌ の最終モデル、ミュルザンヌ 6.75 エディション by マリナーベントレー・ミュルザンヌ の最終モデル、ミュルザンヌ 6.75 エディション by マリナー

インテリアは、レザーハイドをシングルトーンとし、「Imperial Blue」、「Beluga」、「Fireglow」、「Newmarket Tan」の4種類をそろえ、専用のカラースプリットを採用した。シルバーのシートパイピング、センターコンソール周囲のレザーハイド、ディープパイルオーバーマットのバインディング、シートとドアインサートの多孔レザーからのぞくアクセントカラーなどが特徴だ。

センターコンソールとリアキャビンコンソールのウッドパネルにはシルバーのペイントを施し、フロントコンソールには金属製の記念プレートをはめ込んだ。フェイシアとウェストレールは、高光沢のグランドブラック仕上げとし、ウェストレールにはダークエンジンスピン模様をあしらったアルミニウム製インサートを装着した。ベントレー・ミュルザンヌ の最終モデル、ミュルザンヌ 6.75 エディション by マリナーベントレー・ミュルザンヌ の最終モデル、ミュルザンヌ 6.75 エディション by マリナー

60年間基本設計を変えていないV8エンジンも生産終了

搭載されるV型8気筒ガソリンエンジンのデザイン、エンジニアリング、ハンドビルドはすべて英国クルー工場で行われてきた。現在生産されているV8エンジンの中で、最も長い歴史を持つ。この強力なエンジンは、1959年に『S2』に初搭載されて以来、数十年にわたって幾度となく改良が施されてきた。V8の象徴である基本的な構造とサイズは、60年経った今も当時のままという。

この限定モデル誕生のきっかけともなった6 3/4リットルエンジンは、今年で60周年を迎えた。排気量6 3/4リットル(6752cc)のV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力537ps/4000rpm、最大トルク112.2kgm/1750rpmを引き出す。トランスミッションは8速AT。0~100km/h加速4.9 秒、最高速305km/hの性能を発揮する。この6 3/4リットルエンジンも、ミュルザンヌとともに生産を終了した。

11年間の生産台数は7300台以上

ベントレーは、30台の6.75エディションを最後に、ミュルザンヌの生産を終了した。デビュー以来11年間で、ミュルザンヌは7300台以上が生産された。今後は、『フライングスパー』が、ベントレーの新しいフラッグシップモデルになる。

ベントレーの700人以上の従業員が、延べ300万時間をかけて、ミュルザンヌを手作業で作り上げた。ミュルザンヌのボディの製造には、約4200万のスポット溶接が必要。革内装を製造するだけでも、100万時間以上を要した。また、約9万時間が車両の研磨に費やされた、としている。

《森脇稔》

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