トヨタ、スタンプ式めっき処理装置を開発 環境負荷低減や工程短縮を実現

スタンプ式めっき処理装置
スタンプ式めっき処理装置全 6 枚

トヨタ自動車は、必要な部位にのみスタンプを押すようにめっき処理を施す、世界初となる技術を開発。ミカドテクノス・兼松とのネットワークにより、普及に向けた取り組みを開始する。

【画像全6枚】

従来のめっき処理工程では、銅やニッケルなどめっき処理をする金属が溶けた液(溶液)に基板を丸ごと漬けて電気を流して金属皮膜(めっき)を作るため、基板全体を浸せる多数の水槽や大量のめっき溶液が必要となる。また、めっき処理後には大量の廃液が発生するほか、空気中に飛散する有害成分の除去や大量の廃液の処理の設備なども含めて、大がかりな工程となっている。

今回新たに開発した「スタンプ式めっき処理装置」は、装置先端のヘッドの上部に溶液を入れ、めっき処理をする部位に圧着するヘッドの先端には、金属イオンを通す固体電解質膜を装着している。この構造により、基板の中のめっき処理の必要な部位にのみヘッド先端の固体電解質膜を圧着して電気を流すことで、スタンプを押すかのように、膜と接している部分にだけ金属皮膜(めっき)を作ることができる。めっき溶液が入った多数の水槽にめっき処理する部品を丸ごと浸す工程が不要となるため、排出される廃液量は約30分の1に、CO2は約3分の1に大幅に削減。環境負荷の大幅な低減、めっき処理に必要な時間の短縮や工程のコンパクト化につながる。

トヨタは、この「スタンプ式めっき処理装置」を同社の自動車生産に関わる取引先だけではなく、様々な業界で多くの企業に活用してもらうことで普及を図り、環境負荷の低減などに貢献するために販売することを決定。トヨタが保有する特許とノウハウを、真空プレス装置メーカーであるミカドテクノスに供与し、同社にて独自の技術を織り込んで開発した「スタンプ式めっき装置」を製造し、兼松を通じて7月1日より販売する。

今後2~3年を目途にモニター装置として販売し、複数の企業にて実証・評価用として使ってもらい、その後、2023~2024年頃から実用装置として広く一般向けに販売し、普及につなげていきたいとしている。

《纐纈敏也@DAYS》

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