【ミシュラン X-ICE SNOW】「ウェット」「ドライ」「静粛性」は従来と同じ

ミシュラン X-ICE SNOW
ミシュラン X-ICE SNOW全 5 枚

「日本の冬の路面は特殊だ」という説明はスタッドレスタイヤを語る上で、定番的フレーズだ。気温差が激しく、雪が解けたり、さらにそこが凍ったりすることで世界的に見ても滑りやすく、タイヤにとっては過酷な路面環境となるのである。

日本ミシュランタイヤは6月30日に『X-ICE SNOW』というスタッドレスタイヤの新商品を発表。その商品説明において同社の乗用車・商用車タイヤ事業部 マーケティング部 ブランド戦略マネージャーの黒谷繁希氏は「『外国のメーカーだから日本の道にはあっていないのではないか?』という声が届く。たしかに(世界的に見て)スタッドレスタイヤを使う地域の中でも、日本の冬道は世界でも極めて過酷。多種多様な路面状況があるからだ。しかし、『安心してください』と言いたい」と宣言した。

もちろんその言葉には裏付けがある。ひとつが、ミシュランは日本ではじめてスタッドレスタイヤを販売したメーカーだということ。それは1982年で、グリップは強靭なものの粉塵公害が社会問題となっていたスパイクタイヤ全盛のなかで画期的なことだった。「ミシュランは、それから38年も日本の冬と付き合っている」と黒谷氏は言う。

もうひとつの理由は、日本でテストと研究を繰り返してスタッドレスタイヤ開発していることである。北海道の士別をベースに、日本の天候と路面状況にしっかり適合するスタッドレスタイヤを作り続けているのだ。

雪上ブレーキング性能の向上雪上ブレーキング性能の向上

新商品のポイントは「従来品比9%アップのアイスブレーキング性能と4%の雪上ブレーキング性能」だが、それだけではない。氷雪上での高いブレーキ性能など新品タイヤに近いウインター性能を長くキープする「性能持続性」のほか、タイヤがすり減りにくい「ロングライフ性能」も従来のタイヤより向上。安心して長く使えるというのは大きなユーザーメリットだ。

消費者としてはどのくらい向上しているのかが興味深いが、同社乗用車・商用車タイヤ事業部ソリューション&アクセスマネージャーの越智宏氏によると「正確なデータの公表はしていないが、テストの結果として従来品(『X-ICE3+』)に対して性能持続性は若干といった状況。ロングライフ性能は明らかな有意差がある」という。

アイスブレーキング性能の向上アイスブレーキング性能の向上

いっぽう、ミシュランのスタッドレスタイヤといえばドライ性能や静粛性に定評があり、ウェット性能も気になるところ。それに関しては「ウェット、ドライ、そして静粛性は従来と同等。X-ICE SNOWはそれらを損なうことなくアイスやスノー性能を引き上げた」と製品開発本部新製品開発部シニアエンジニアである池田聡氏は教えてくれた。

ちなみに新商品からは、SUV用サイズに関しても異なる銘柄での展開ではなく「X-ICE SNOW SUV」として同じシリーズでラインナップ。「トレッドパターンやコンパウンドは(乗用車用サイズと)同じ」と黒谷氏は説明する。

EverWinterGripコンパウンドを溝底部まで採用。スタッドレスの使用限界末期(50%摩耗)になってもトレッドブロックがしなやかさを保つことで、アイス性能が長期間継続。EverWinterGripコンパウンドを溝底部まで採用。スタッドレスの使用限界末期(50%摩耗)になってもトレッドブロックがしなやかさを保つことで、アイス性能が長期間継続。

スピードレンジ(特定の条件におけるタイヤの走行可能な最高速度)はサイズにより異なるが、SUV用も含めて210km/hを意味する「H」もしくは190km/hを示す「T」になっている。

《工藤貴宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 【スバル レヴォーグレイバック 新型試乗】「アウトバック」以来、30年にわたる挑戦の成果…諸星陽一
  2. ルノー『キャプチャー』新型、4月4日デビューへ
  3. メルセデスベンツ、新型パワートレイン搭載の「GLA180」発売…高性能モデルAMG「GLA45S」も追加
  4. ホンダ『フリード』次期型予想に注目! ボディ拡大? デザインは?…土曜ニュースランキング
  5. ドライブ中の突然の曇り問題にサヨナラ! DIYでウインドウ曇り防止 ~Weeklyメンテナンス~
  6. シトロエンが新型SUVクーペ『バサルト・ビジョン』を発表 南米で2024年内に発売へ
  7. 東京E-Prix 市街地コースは臨海都心に準備…フォーミュラE[写真32枚]
  8. 日産『エルグランド』一部仕様変更、安全装備を強化
  9. 【メルセデスベンツ Eクラス 新型試乗】SUV全盛の今に、果たしてどのような人が選ぶのだろう?…河村康彦
  10. ボルボカーズ、ディーゼル車の生産を終了…2030年にEVメーカーへ
ランキングをもっと見る