ランボルギーニ初のハイブリッド、『シアン』にロードスター…限定19台はすでに完売

名車「カウンタック」に触発されたデザイン

819hpハイブリッドで最高速350km/h以上

スーパーコンデンサーに蓄電

ランボルギーニ・シアン・ロードスター
ランボルギーニ・シアン・ロードスター全 19 枚

ランボルギーニは7月8日、『シアン ロードスター』(Lamborghini Sian Roadster)をデジタルワールドプレミアした。

同車は2019年秋、ドイツで開催されたフランクフルトモーターショー2019で発表されたブランド初のハイブリッドスーパーカー、『シアンFKP 37』のオープンバージョンだ。車名の「シアン」とは、イタリアのボロネーゼ地方の方言で、閃光または稲妻を意味する。シアンは、ランボルギーニの市販車で、最初の電動モデルであることを示している。

名車「カウンタック」に触発されたデザイン

シアンロードスターの外観は、優れた空力ソリューションと組み合わせた未来的なデザインを追求した。名車『カウンタック』からインスピレーションを得た「ガンディーニライン」を採用する。シルエットには、特長的なエアロウィングなどの新機能を取り入れた。ドアに設けられた「NACA」吸気口には、ランボルギーニの「Y」デザインを表現する。カーボンファイバー製リップスポイラーを備えたフロントには、2017年に発表されたEVコンセプトカー、『テルツォミッレニオ』用に設計されたY字型ヘッドライトが装備される。

リアには、カウンタックに触発されたテールライトをはじめ、六角形デザインを取り入れている。リアウィングは格納されており、パフォーマンスを向上させるために、走行中にのみポップアップする

819hpハイブリッドで最高速350km/h以上

シアンロードスターのミッドシップには、『アヴェンタドールSVJ』用の6.5リットルV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンをチューニングして搭載する。チタン製吸気バルブを採用するなどして、最大出力は785hp/8500rpmに引き上げられた。

48Vのモーターは、ギアボックスに組み込まれ、最大出力34hpを発生する。エンジンとモーターを合わせたシステム全体で、ランボルギーニの市販車として、史上最強の819hpのパワーを引き出す。これにより、0~100km/h加速は2.9 秒以下、最高速は350km/h以上のパフォーマンスを可能にする。

シアンロードスターには、ランボルギーニの新素材開発における最新の成果を反映した。リアのアクティブ冷却フィンは、ランボルギーニの特許技術だ。ランボルギーニによると、軽量設計の冷却フィンはエキゾーストシステムの熱によって起動し、フィンが回転すると同時に冷却が行われるという。

スーパーコンデンサーに蓄電

電気エネルギーの蓄電には、リチウムイオン電池ではなく、スーパーコンデンサーを使用する。『アヴェンタドール』で最初に実用化されたスーパーコンデンサーだが、シアンロードスターでは10倍の電力を蓄電できる設計とした。ランボルギーニによると、同重量のバッテリーよりもパワーは3倍強力で、同出力のバッテリーよりも3倍軽量という。スーパーコンデンサーは、コックピットとエンジンの間の隔壁に配置され、前後の重量配分に配慮している。

シアンロードスターには、高度な回生ブレーキシステムが搭載されている。車両がブレーキをかけるたびに、スーパーコンデンサーにエネルギーが蓄電される。蓄えられたエネルギーは、すぐに利用可能なパワーブーストとなり、ドライバーは130km/h以下の領域において、加速時にトルクを増加させることができる。

インテリアは、洗練されたディテールと、ランボルギーニがEV化をイメージし特別に選んだカラー「Oro Electrum」(エレクトリックゴールド)のアルミ製エアベントの組み合わせが、エレガントな雰囲気を掻き立てる。ランボルギーニのカスタマイズプログラムの「Ad Personam」によって、顧客の個性を反映させるパーソナライズが可能だ。例えば、3Dプリントによる新デザインのエアベントは、オーナーのイニシャルを入れてカスタマイズできる。Y型の特長と六角形の形状は、細部にまで注意を払ってレンダリングされている。

なお、シアンロードスターは、限定19台を生産する予定だが、すでに完売している。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 第二期「洗車場ブーム」到来?…純水・トンネル型・エンタメ性・AI認証決済など進化する洗車場
  2. 【VW ゴルフTDI 新型試乗】装備とスタイルで取るか、「足」で取るか…中村孝仁
  3. そのニオイ、原因はエバポレーター! 今すぐできる簡単DIY洗浄法とは?~Weeklyメンテナンス~
  4. メルセデスベンツに“ベイビーベイビーGクラス”? EQB後継の『GLB EV』準備中!
  5. 愛犬と乗れる電動原付『PONY2』発売、折りたたんでクルマに搭載も
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 地域再エネ活用の収益を還元、ホンダ N-VAN e:を茨城県神栖市へ無償提供
  2. BYDが「軽EV」の日本導入を正式発表、2026年後半に
  3. トヨタ「GRファクトリー」の意味…モータースポーツのクルマづくりを生産現場で実現【池田直渡の着眼大局】
  4. VWと米ウーバーが提携、『ID. Buzz』の自動運転車を運行へ
  5. 住友ゴム、タイヤ製造に水素活用…年間1000トンのCO2削減へ
ランキングをもっと見る