[スピーカー交換からのバージョンアップ]小型・薄型パワードサブウーファーをプラスする

パワードサブウーファーの装着例(カロッツェリア)。
パワードサブウーファーの装着例(カロッツェリア)。全 1 枚

「クルマの中でより良い音を楽しみたい」と考える方の多くはまず、「スピーカー交換」にトライする。さて、そこからの“バージョンアップ”を図りたいと考えたとき、何をすると良いのだろうか…。今回からスタートする当特集では、その具体的な方法論を紹介していく。

なお当特集は毎回、全国の有名カーオーディオ・プロショップに取材し記事を構成していく。第1回目となる当回では、広島県広島市にて店舗を構える実力店、“M.E.I.”の山本さんに協力を要請した。そして今回のテーマは、「“小型・薄型パワードサブウーファー”導入作戦」。この方法論の利点、楽しさ、そして実行する際のコツまでを詳しく訊いてきた。じっくりとお読みいただきたい。

フロントスピーカーを交換しているからこそ、導入の意義が一層高まる!

まずは山本さんに、“小型・薄型パワードサブウーファー”を導入する利点から教えてもらった。

「スピーカー交換からのバージョンアップにはさまざまな選択肢が有り得ていますが、その中にあってこの作戦はコスト的な負担が比較的に少ないです。まずはそこが利点だと思います。

そしてインストール性が高いことも大きなメリットです。“小型・薄型パワードサブウーファー”ならシート下に入れることも可能になりますから、トランクの積載スペースが削られることもありません。そして加工も少なくてすむので取り付け費用も掛かりにくいです。

それでいて、音の変化幅はとても大きいです。市販スピーカーに交換して全体的なサウンドクオリティはぐっと向上していても、超低音までは再生しきれてはいないからです。というのもドアに装着できるスピーカーはせいぜい17cmクラスまでで、この大きさでは超低音までをスムーズに再生するのは物理的に困難なんです。しかし“パワードサブウーファー”を導入すれば話は変わります。聴こえていなかった超低音が再生されるようになるので、印象がガラリと変わります。フロントスピーカーを交換して音質が良くなっているからこそ、その良さも一層引き立ちます。

さらには選択肢も多いです。各社からさまざまな製品がリリースされていますので選び甲斐もありますね」

リーズナブルなモデルにも良品多し! チョイスのポイントは“鳴り方”!

選ぶ際には、どんなところに着目するといいのだろか。

「もっとも重要なのは“サイズ”です。“小型・薄型パワードサブウーファー”がターゲットとされる場合には、シート下へのインストールが前提となっているはずです。なのでまずは、ご自分のおクルマのシート下にはどのくらいの大きさのモデルまでが入るのか、そこのところを確認しておきたいですね。

続いては価格帯を絞りましょう。ちなみに“小型・薄型パワードサブウーファーは”1万円台から存在しているのですが、そのくらいのクラスであってもあなどれないモデルは多いです。ですのであまり背伸びをされなくても良いと思います。

ただし、鳴り方には結構違いがあったりもします。量感を多く出せるタイプもあれば、量感よりも質感が重視されたモデルもあります。量感を取るか質感を取るか、ここは大きな分かれ道となると思います。

ビートの効いた音楽がお好きであれば、量感は重要です。そういった音楽の魅力が一層ブーストされますから。一方、しっとりとした音楽がお好きな方には、量感よりも質良く低音を再生できるタイプの方が向いているのではないでしょうか。

なお、振動板の口径違いはそれほど気にされなくて良いと思います。振動板の面で鳴らすというよりむしろボックスの構造で鳴り方が変わってきますので、振動板のサイズによる音への影響は実はそれほど大きくはないと思います。最後、迷ったときに参考にされるくらいで良いのではないでしょうか。そして内蔵パワーアンプのパワーは、さらに気にされる必要はないと思います。パワー不足を感じさせるモデルはほとんどありませんから」

愛用のメインユニットに“サブウーファー出力”が備わっていたらラッキー!?

続いては、使い方のコツを教えてもらった。

「使う上ではまず、適切な“ゲイン”設定を行いたいですね。“ゲイン”とは入力ボリュームなのですが、ご自分で設定される方の中にはこれをマックスにしている場合も少なくないです。しかしそうであると、少しボリュームを上げただけで音が歪んでしまいますし、ボックス自体が振動して異音を発してしまいます。取り付けと初期設定は、“カーオーディオ・プロショップ”に任された方が無難だと思います。

なお、“ゲイン”が適切に設定されていれば、コントローラーのボリュームはお好みで良いと思います。ただし自然な鳴り方を好まれる場合には、フロントスピーカーとのバランスは重視された方が良いですね。

ちなみに、超低音も目の前から聴こえてくるようにチューニングできるとリアリティも増してきます。そのような聴こえ方のことは“低音の前方定位”と呼ばれているのですが、それを目指す場合には特に、“パワードサブウーファー”の音量は上げすぎない方が良いと思います。音量を上げすぎると、そこから音が鳴っている感が強くなってしまいますから。

ただ、使用しているメインユニットに搭載されているコントロール機能の充実度によって、どこまで煮詰められるかが変わってきます。もしもお使いのメインユニットに“サブウーファー出力”という機能が搭載されていればラッキーです。そうであれば“前方定位”をさせやすくなります。“サブウーファー”を導入する条件が整っている、ということになるわけです。

とにもかくにも“小型・薄型パワードサブウーファー”を導入すれば、また違った世界が見えてきます。スピーカー交換の次の一手として、“小型・薄型パワードサブウーファー”の導入は魅力的です。試す価値は大きいと思います」

さて次回は、これに引き続き“ユニットサブウーファー”を導入する作戦について解説していく。お楽しみに。

「スピーカー交換」からの「バージョンアップ大作戦」公開! Part1 「“小型・薄型パワードサブウーファー”をプラスする!」

《太田祥三》

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