特許で見る「他社牽制力」ランキング…自動車メーカー1位はトヨタ自動車 2019年

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特許を申請した際に、特許を拒絶する理由として別の特許が引用される。こうした拒絶理由になった特許件数の多い企業は、「他社牽制力」があるといえる。パテント・リザルトによると2019年、自動車メーカーで他社牽制力の1位はトヨタ自動車だった。

パテント・リザルトは、独自に分類した自動車メーカーの企業を対象に、2019年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した、『自動車メーカー 他社牽制力ランキング2019』をまとめ、7月16日に発表した。

言い換えると、技術開発において、競合他社が権利化する上で阻害要因となる、先行技術を多数保有している先進的な企業のランキングだ。パテント・リザルトの集計の結果、2019年に引用された特許が最も多い企業はトヨタ自動車、次いで日産自動車、本田技研工業(ホンダ)となった。引用されたトヨタ自動車の特許数は7322で、2位日産自動車3032の2倍以上だ。3位の本田技研工業は日産自動車よりわずかに少ない2919。

●1位:トヨタ自動車

最も引用された特許は「車両の自動運転制御装置」に関する技術。この特許は、日立オートモティブシステムズの3件、本田技研工業の2件など合計9件の審査過程で引用された。このほかには、「危険度算出装置」に関する技術が、引用された件数が多い。

トヨタ自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、本田技研工業(477件)で、次いでデンソー(412件)、スバル(196件)となっている。自動車メーカー 他社牽制力ランキング2019

●2位:日産自動車

最も引用された特許は「自己着火式エンジンの制御装置」に関する技術で、マツダの14件、トヨタ自動車の1件の、計15件の審査過程において引用された。このほかには、「危険状況警報装置」に関する技術や「バッテリ温調用モジュール」に関する技術などが、引用された件数の多い特許だ。

日産自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、トヨタ自動車(312件)で、次いで本田技研工業(220件)、デンソー(214件)。

●3位:本田技研工業

最も引用された特許は「車両の操舵装置」に関する技術で、スバルの「周辺リスク表示装置」や「危険度算出装置」関連特許など、計6件の審査過程で引用された。

本田技研工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、トヨタ自動車(258件)で、次いでデンソー(162件)、スズキ(91件)。トヨタ自動車と本田技研工業は、お互いに最も影響を受けた/与えた企業だ。両社間の牽制力でいうとトヨタ自動車のほうが大きい。

4位のマツダは「車両の進行方向の変更時に、後方からの接近物と衝突することを抑制する技術」、5位の豊田中央研究所は「オン抵抗の上昇を抑制できる炭化ケイ素半導体装置」が、最も引用された特許だった。

なおランキングの集計対象は、日本特許庁に特許出願され、2019年12月までに公開されたすべての特許のうち、2019年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出した。

パテント・リザルトでは、このランキングの詳細データを販売している(価格:税抜き5万円)。

《高木啓》

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