スマートシティは都市・交通が共に動く必要がある…計量計画研究所 理事 牧村和彦氏[インタビュー]

スマートシティは都市・交通が共に動く必要がある…計量計画研究所 理事 牧村和彦氏[インタビュー]
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Woven Cityと名付けてトヨタ自動車が東富士で、三菱地所が東京大手町・丸の内・有楽町地区でスマートシティを展開するなど再びスマートシティが注目されている。Beyondコロナの都市と移動について、ベストセラーとなっている「MaaS~モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジンジ」の共著者である一般財団法人計量計画研究所 理事 兼 研究本部企画戦略部長 牧村和彦氏に聞いた。

牧村氏は、これまで全国各地の将来の交通ビジョンの策定に携わってきた。多種多様な価値観の違う人が集い、コミュニケーションできるまちを目指して、社会的な活動にも余念がない。近年ではMaaSやスマートシティの専門家として検討会の委員を歴任し、日本のMaaSを牽引するJCoMaaSの理事を務めるなど、デジタル技術を活用した都市と交通、都市とモビリティサービスの連携を促し社会課題の解決に邁進している。

牧村氏は8月5日開催のオンラインセミナーに登壇し、Beyond MaaSの描くスマートシティの勝機について講演する。

日本の再起動は道半ば

---:新型コロナウィスルの流行により、世界中の都市がロックダウンや外出自粛をしました。イタリアなどでは外出許可証を保持しなければ外出できないなど、海外では日本以上に厳しく外出が制限されましたところもあります。ロックダウン解除後の海外の人々の移動は、どのような状況ですか。比較すると、日本の都市部の移動は、どのような状況だと感じていますか?

牧村氏:ドイツ、イタリア、フランス、イギリスなど世界の主要都市では、人の移動量が戻りつつあります。またモビリティサービスも続々と再開しはじめています。

たとえば、ドイツでは、フォルクスワーゲンが提供するオンデマンド型交通サービスMOIAが5月25日からハンブルグでサービスを再開しました。MaaSアプリ「Citymapper」で確認すると、パリではロックダウン解除の週末、5月16日には、1日10万回を超える自転車シェアリングの利用があり、東京の利用をはるかに超えた移動量が確認されています。

自動運転の実証実験も世界各国で再起動しています。5月11日からは、グーグルの自動運転が、アリゾナ州のフェニックスで再開しています。フェニックスは住民向けのオンデマンド型交通サービスで、昨年12月には無人運転をはじめた話題の都市です。ドイツでも同様に自動運転サービスが各地で再開しています。

それに比べて日本の外出量の戻りは鈍い状況が続いています。

都市と移動の連携へ

---:海外はなぜ外出量の戻りが早いのでしょうか。また、スマートシティを推進する上で大切な視点を教えてください。

牧村氏:欧州は、外出は大きく減少しましたが、公共交通でカバーできなくなった移動を確保するために、コロナ禍でも安全に外出できるように臨時の自転車道を確保したり、歩行空間を拡充したり、バスを増便するなど、人々が安心して外出できるように都市空間の大改革を進めています。

欧州ではモビリティ革命が始まっている中で、都市のビジョンを描き、都市計画、交通計画、新しいモビリティサービスの連携に注力してきており、新型コロナウイルスが、その実現を加速させている印象です。

日本でスマートシティを推進する際には、ぜひ都市計画と交通計画が一層連携し、さらには新しいモビリティサービスや他産業との掛け合わせが非常に重要であり、日本の強みになると考えています。

オープンデータとオープンマインドが大切

---:セミナーではAnyTrip、Citymapperなど海外データが豊富な資料で説明いただきますが、MaaSやスマートシティでのオープンデータの重要性は?

牧村氏:アメリカでは、新しいシェアリングサービスが街中を走行しています。これら事業化では、行政に対するオープンデータの義務付けが拡がっています。フランスのモビリティ法やフィンランドのMaaS法も同様です。都市や暮らしを活性化するために、新しい技術やサービスや概念を積極的に取り入れつつ、しっかりと地域がマネジメントしています。日本においても行政のガバナンスの観点、新技術の普及の観点、安全安心な移動を活性化していく観点で、オープンマインドなスマートシティの推進が大切だと思います。

牧村氏が登壇する8月5日開催のオンラインセミナー「スマートシティの勝機」はこちら。

《楠田悦子》

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