【日産 リーフNISMO 新型試乗】ブレないポリシーがさらに“深化”した…島崎七生人

日産 リーフNISMO 改良新型(20MY)
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従来型の登場(2018年)から2年、日産『リーフNISMO』のアップデートが実施された。もちろん改良点は従来の方向性の延長線上にあるもので、より『リーフNISMO』らしく、シンプルに走らせる楽しみとその質にこだわったものだ。

とはいえ説明では特定の職業のユーザーを一例に挙げられ、要はクルマに関して目の肥えた大人のユーザーにも納得してもらえる、スポーティであっても洗練された走りの味を追求した……ということのようである。

ギヤ比の変更が活きたステアリングフィール

日産 リーフNISMO 改良新型(20MY)
短時間ながらテストコースにて、18MY(従来モデル)との比較のうえで試乗した。印象的だったのは、乗り味、ステアリングフィールのしっかり感がともに向上していた点。

とくにステアリングは、今回ギヤ比を速めた(18.3→14.9)ということで過剰にクイックになってはいまいか?と思っていたのだが、実際にはそれは杞憂に過ぎず、ステアリングの切り始めから操作量(ドライバーの意図)との齟齬(そご)がなく、そのまま切り込んでいった際の自然さ、連続性も気持ちいい。

日産 リーフNISMO 改良新型(20MY)
さらにスラロームの切り返しでも応答遅れがなく、すっきりとしたフットワークを味わいながら走り抜けられた。切る方向に手応えを感じさせる操舵力も心地いい。

乗り味は走行中のクルマの姿勢変化をジンワリと受け止めつつ、気がつくとフラットライドを実現している。タイヤはコンチネンタル・スポーツコンタクト5(225/45 R18 95Y)で、これは燃費を始めトータル性能の高さから先代に続いてのチョイスとのことだが、前後とも250kPaの指定空気圧で、確かに乗り味を損なわず、車重に見合った性能を発揮していると思えた。

日産 リーフNISMO 改良新型(20MY)

ブレないポリシーの“深化”を実感

動力性能は「“到達点”は基準車と同じだが、過程を変える考え方」とのこと。オススメという“Bレンジ・e-Pedal off”での走行を試すと、まさに目の覚めるようなダイナミックな加速が味わえ、なるほどこれが“NISMO”ならではの持ち味かと頷かされた。

新規デザインのレカロシート(オプション)はロードカーとしてはややタイトな着座感だが、その分、クルマとの一体感が味わえる。

日産 リーフNISMO 改良新型(20MY)
NISMO CARS事業部・開発部・チーフビークルエンジニアの長谷川聡さんによれば、「ボディの動きが速くなったことに合わせて、ダンパーも前後とも改め、スプリングのレートも変えた」のだそう。けれども「今回はボディ側はあえて手を入れなかった。というのもそもそもバッテリーを搭載し十二分なねじり剛性をもっており、不必要に補強を付加して車重が増えるのは避けたかったから」とも。

「シミュレーション、CADを使えばある程度のところはできる。けれどニスモのロードカーではテストドライバーの意見、経験を入れ、さらにニスモレーシングの知見も組み合わせてまとめあげる。そうして、突然変異ではなく時間をかけて進化させながら18年モデル、20年モデルと繋げてきた」(長谷川さん)という。

そんなブレないポリシーの“深化”は、実車の仕上がりぶりから実感できた。

最新のNISMOラインアップ最新のNISMOラインアップ

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

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