三菱自 加藤CEO「選択と集中の中期計画に不退転で」…第1四半期営業損益は533億円の赤字

三菱エクスパンダークロス
三菱エクスパンダークロス全 3 枚

三菱自動車工業は7月27日、2021年3月期の第1四半期(4~6月期)連結決算を電話会議で発表した。新型コロナウイルスの影響などで内外の販売が振るわず、営業利益は533億円の赤字(前年同期は39億円の黒字)となった。

通期の営業利益予想は1400億円の赤字を予想している。第1四半期のグローバル販売は、「新型コロナウイルスの影響で、世界需要がかつてないほど大幅に、かつ急速に減少した」(池谷光司代表執行役CFO)ことから、53%減の13万9000台にとどまった。主力のASEAN地域が68%減の5万1000台となったほか、日本が52%減、欧州が48%減となるなど全地域でマイナスになった。

販売減による営業損益段階での減益影響は535億円にのぼり、これが前期からの損益悪化要因(533億円)のほぼすべてとなった。為替レートは1ドル108円で前期比3円の円高、ユーロも118円で5円の円高となったものの、タイバーツがプラスに作用したこともあり、為替全体の営業減益要因は28億円にとどまった。

最終損益(純利益)は、構造改革に伴う特別損失を約1200億円計上したことから、1762億円の欠損となった。売上高は57%減の2295億円と半減した。20年3月期決算の発表時に公表を見送っていた21年3月期通期の業績予想は、新車需要が「第1四半期をボトムに、下期に向けて徐々に回復し20年度末には19年度並みまでに回復することを前提」(池谷CFO)として策定した。

グローバル販売は前期比25%減の84万5000台とし、営業利益は1400億円の赤字、純利益も3600億円の欠損を見込んでいる。

経営再建に向け、今年度をスタートとする3か年の新たな中期経営計画も公表した。今後2年で固定費を20%以上削減するなどの構造改革を進め、来年度には黒字転換させる。最終の22年度には営業利益500億円(売上高営業利益率2.3%)の確保を掲げた。

すでに19年度後半に全方位の拡大戦略から「選択と集中」に舵を切っており、ASEANを中心とする同社のコアマーケットを成長ドライバーにしていく。一方で、欧州は新規商品の投入凍結を打ち出し、段階的な撤退を図る方針だ。電話会議で加藤隆雄代表執行役CEOは「U字型の回復になるが、選択と集中に不退転の決意で取り組み、収益回復の土台をしっかり築いていきたい」と強調した。

《池原照雄》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
  2. いつでもビーチ気分! 夏仕様のSUV『ハバナ』が30台限定で登場、499万円から
  3. スズキ『エブリイ』が災害時は「シェルター」に、軽キャンピングカーの新たな可能性
  4. メルセデスベンツ『CLA』新型、第4世代「MBUX」にセレンスの会話型AI技術搭載
  5. 世界最強の2.0ターボ搭載車に幕、メルセデスAMG『CLA 45 S』最終モデルが登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る