[サウンドチューニング・クロスオーバー編]ツイーターとミッドウーファー間での調整 その1

ツイーターの取り付け例(ダイヤトーン・デモカー)。
ツイーターの取り付け例(ダイヤトーン・デモカー)。全 1 枚

車内での音響的不利要因に対処できるサウンドチューニング。当コーナーでは、そのあらましから操作方法までを解説している。今回からは、フロント2ウェイスピーカーのツイーターとミッドウーファー間の「クロスオーバー」調整について説明していく。

ところで、多くの市販スピーカーには「パッシブクロスオーバーネットワーク(以下、パッシブ)」なるものが付属している。これはズバリ、音楽信号の“帯域分割(クロスオーバー)”を行うためのユニットだ。そしてメーカーはそのスピーカーの良さを最大限引き出すべく、ベストな“帯域分割”が行えるようにそれを設計している。というわけなので、「プロセッサー」で「クロスオーバー」調整をしようとする際には、付属の「パッシブ」の「クロスオーバー」設定値を模倣すればOK、なのかと言うと実はそうでもない。

なぜならば、取り付け条件が都度異なるからだ。ツイーターとミッドウーファーとの位置関係や、各スピーカーの角度、固定方法等々がその時々で変化する。なので、メーカーが良かれと思って設定したその「クロスオーバー」の値が、必ずしもベストではなくなってしまうのだ。ゆえに「プロセッサー」に搭載された「クロスオーバー」機能が活躍する、というわけなのだ。

さて、「クロスオーバー」調整においては以下の4項目が設定されることとなる。「カットオフ周波数」、「スロープ」、「位相(フェイズ)」、そして「レベル(ゲイン)」だ。それぞれの用語については、これまでの解説の中で説明してきたのでここでは割愛する。が、「レベル(ゲイン)」についてはこれまでにあまり詳しく触れていなかったので、ここで改めて補足説明を加えたい。

この「レベル(ゲイン)」調整は実は、案外重要度が高い。ちなみに操作方法自体は至ってシンプルだ。音楽をかけて、ツイーターとミッドウーファーの音量バランスを聴感で整えていけば良い。

しかし、これを実行できるようになることの意義はとても大きい。その理由は以下のとおりだ。信号の“帯域分割”を「パッシブ」で行う場合には、ツイーターとミッドウーファーのレベル合わせは「パッシブ」に搭載されている「アッテネーター」という機能で行うしかない。これを使えばツイーターの音量を減衰させられる。のだが、3段階とか多くても5段階くらいしか設定できず、厳密な設定は行えない。ツイーターの取り付け角度を調整するなどしてバランスを整えたりもできるのだが、音量合わせに苦慮することも少なからずあるのだ。

ところが「プロセッサー」の「クロスオーバー」を使うと、よりきめ細やかに音量を合わせられる。これは、最終的なサウンドの完成度に結構効いてくる。このことを、ぜひ頭に入れておいていただきたい。

さて次回も引き続き、ツイーターとミッドウーファー間での「クロスオーバー」調整のやり方を解説していく。お楽しみに。

『ザ・サウンドチューニング』 第3章・クロスオーバー編 その8 ツイーターとミッドウーファー間での調整方法 l

《太田祥三》

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