メルセデス・ベンツ EQC は乗れば乗るほど気持ちが豊かになっていくEV…愛犬も安心できる快適性

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メルセデス・ベンツ EQC と柴犬のハル
メルセデス・ベンツ EQC と柴犬のハル全 48 枚

“エレクトリック・インテリジェンス”を意味する「EQ」は、電動モビリティを包括するために立ち上げられた、メルセデス・ベンツのサブブランド。その最初のモデルであり、日本市場でのメルセデス・ベンツ初の100%ピュアEVとして注目を集めているのが、この『EQC』だ。

メカニズムのみならず内・外観もEQC専用

メルセデスファンの方ならそれとなくお気付きかもしれないが、EQCは、SUVラインの『GLC』がベースという成り立ちをもつ。このことは他のガソリン車やPHEVと同一ラインで生産できる合理性も併せ持つ。が、実際にはEQCの約85%が新規パーツであり、メカニズムのみならず内・外観もEQC専用に仕立てられている。とくに外観スタイルは、風に撫でられたようなスリークなスタイリングに“EQ”ならではのマスクが組み合わせられ、控えめだが存在感がある。

ドアを開けると目に入る10.25インチワイドディスプレイは最新のメルセデス・ベンツ流だが、いかにも過剰に未来感覚を押し付けてくる風ではく、程よいモダンさに安心感がある。とはいえインパネ表皮のソフトでしっとりとした素材感や、マットシルバーの加飾パーツなど、細部に至るまで仕上げレベルは上質で、パーソナルカーとしての“いいクルマ感”はしっかり感じられる。前後席の居住空間の居心地ももちろん上々。ナビとの連携が便利な「MBUX」も備える。

メカニズムは容量80kWh/総電圧349V(セル数384個)の大容量/高電圧の専用開発された薄型リチウムイオンバッテリーを各種ユニットとともに床下に配置。バッテリーは水冷システムを備え、8年または16万kmの特別保証がつく。モーターは前後に各1基ずつ搭載し、前後あわせて300kW/765N・m(408PS/78.0kgf・m)の性能を発揮。走行状態により前後トルクの配分はシームレスに行われる。なお充電は普通充電(AC200V)のほかに急速充電(CHAdeMO)にも対応する。

愛犬は出発してほどなくスヤスヤと居眠り

ところで今回のEQCの試乗では、我が家のハル(柴犬・オス・5歳)を乗せ、カレにもインプレッションをさせるというもうひとつの重要なミッションがあった。残念なことにカレは日本語でMacのキーボードが叩けないので、飼い主である筆者が代筆することになるのだが、結論から先に書けば「100%EVでありメルセデス・ベンツであるEQCのドライバビリティは犬にとっては極上だね」(byハル)とのことである。カレは飼い主の仕事柄、日ごろからいろいろな試乗車に乗っているが、実は電気自動車は今回が初体験。しかし内燃機関なら不可避なエンジン音と振動(それは速度や負荷で刻々と変化もする)がまったくないことの快適性は、人以上に感覚が敏感な犬にはありがたいようで、まるで自宅にある自分のケージの中にいるかのごとく、出発してほどなくスヤスヤと居眠りまで始めたほど。もちろんしっとりと神経を逆撫でしない乗り味、穏やかな挙動はこのEQCでも変わらない“メルセデス・ベンツらしさ”だから、安心感も高いのだろう。飼い主としては「ハルのためにEQCに乗ってやりたい」と思ったほどだった。

柴犬のハル

試乗では、メルセデス・ベンツ コレクション(純正アクセサリー)の中からペット向けに用意されているアイテムも実際に使ってみた。「ペットシートカバー」はペットがいるご家庭なら必需品で、前後シートのヘッドレスト部にストラップをかければ(下側は後席のISO-FIXのフックに固定する)使える。足下の空間を埋める役割の「ペットシートスペースクッション」と組み合わせるのがオススメだ。試乗時はシートカバーの上にハルのニオイが付いた普段使っているボアマットを敷き、その上にカレを乗せた。

ペット関連以外にも「メルセデス・ベンツ コレクション」では豊富なアイテムの用意があり、選ぶ楽しみを味わわせてくれる。写真の「EQ by Mercedes-Benz × Steiff バッテリーチャージング テディベア」(白タグの限定品)や本革の持ち手が上質な「EQ by Mercedes-Benz ボストンバッグ」は“EQ”のアクセサリーの一例だ。




十二分な動力性能と実用性も備える

EVであってもまごうことなくメルセデス・ベンツであること。EQCがどんなクルマか? と訊かれたら、筆者ならそう答える。床下に厳重なハウジングとカバーで保護されるバッテリー重量は652kgだそうだが、それが低重心と遮音材の役割を果たし、耳障りなロードノイズをいっそう低減させているし、メルセデス・ベンツらしいしっかりしたフロアの剛性感をモノにしている。乗り心地自体のなめらかさはサルーン系にまったくヒケをとらないといっていいと思う。トロリと絶妙な操舵感のステアリングは、高速巡航も山道を駆け抜けるにもまったく危なげない。また、動力性能も不満がない…というより十二分で、試しにグッとアクセルを踏み込めば、離陸時の大型旅客機のようなGを感じながらの加速も味わえる。無論、通常のアクセルワークはドライバーの気持ちを読んでいるかのような忠実な反応ぶりだし、パドルシフトで切り替えれば、アクセルを緩めると効果的にスピードを絞ってくれ、その減速感の自然さもサスガだ。最小回転半径はカタログ数値で5.6mだが、カドのとれたボディ形状と、運転席の見晴らしの良さと相まって、手狭な場所でも苦もなく扱える。なおエネルギーフロー画面のアニメーションを見ていると、通常はほとんど前のモーターのみ(前輪のみ)で駆動しており、コーナリング時、急加速などで適宜、後ろのモーター(後輪)も使っている様子だった。

また、最新のEVがクルマとして十分に実用的であることもEQCは教えてくれる。今回は近郊での撮影を計画し、実際に、あえて途中の充電はせずに走らせてみた。するとおよそ150km走り、返却時の電気の残量は半分程度だった。半分といえば、ガソリン車で走ったら常に満タンにしておく習慣の人は給油するだろうし、そうでなければそのまま走る…まさにそんな感覚だったといえばわかりやすいだろうか? つまり満充電でザックリとだが300km台前半程度なら通常は問題なく無充電でも走りきれそうで、これならドライブ中、ちょっと足をのばしたら残量にハラハラしながら充電ステーションを目指すことになった…そんな思いはしなくても済む。

いずれにしろ、これまで経験したどのEVと較べても、ストレスがないどころか、乗れば乗るほど気持ちが豊かになっていく…と率直に感じた。ペットがいればなおさらだがEQCがある暮らしはいいかもしれない…と思った。

メルセデス・ベンツ EQCのWEBページはこちら

《島崎七生人》

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