箱根の道にルノー カングー はぴったり? 登山鉄道に癒された夏の箱根ドライブ

カングーでひと足先に初夏の箱根をドライブしてみた...伊藤梓
カングーでひと足先に初夏の箱根をドライブしてみた...伊藤梓全 28 枚

最近、ようやく自宅と生活必需品の買い物だけの往復から開放されて、「どこかへ足を伸ばしたい」と思っている方は多いのではないだろうか。実は私もそのひとり。「まずは近場でのんびりとリフレッシュできる場所はないかな?」と思い、パッと頭に浮かんだのが箱根だった。

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いつもクルマの取材で頻繁に赴いている場所だが、実はプライベートでゆっくりと過ごしたことはなかった。「きっと親しい友達や家族と出かけたら楽しいこと間違いない」と妄想しながら、1泊2日の箱根旅へ出発することにした。

数人でドライブの時にはミニバンを借りたりもするが、今回は久しぶりの旅行。「道中も皆がウキウキするようなクルマがいいな」と選んだのが、今回の相棒ルノー『カングー』。向日葵のような明るいイエローカラーは、ぽってりと愛らしいカングーにベストマッチ。

友人や家族分の荷物をすっかり飲み込んでくれる大きな荷室や、テーブルなどがついた後席も便利で良いのだけれど、何よりもカングーというクルマに乗ってワイワイおしゃべりしたり、高速道路のサービスエリアで地の物を食したり、普段はなんでもないただそれだけのことが、カングーというクルマのおかげで、より楽しく感じられる。

頼もしさ感じる1.2リットルターボ直噴エンジン

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都内からクルマで1時間ほどで到着してしまう箱根。今回はいつもの小田原厚木道路ではなく、気分を変えて西湘バイパスで相模湾を横目にして向かうことに。カングーと走ると、急に「旅しているなぁ」という、まるでバカンスに向かっているようなとても色濃いリアルな実感が湧いてきた。

箱根の玄関口である湯本を抜け、駅伝では「花の5区」で有名な国道138号線を登る。見た目はおとなしいカングーだが、箱根の険しい坂道でも1.2リットルターボ直噴エンジンのおかげでノンストレスでスイスイと登っていく。この瞬間が実に頼もしく感じる。

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箱根の道にカングーはぴったりという真実

さて箱根神社のあたりに到着すると、梅雨時期ということもあって、芦ノ湖は濃霧が覆っていた。時折り風が吹いて、霧の合間から湖畔に立つ神社の鳥居がふわりと姿を見せる。それはまるで湖面から龍神様が出てくるのではないかと想像してしまうほどの荘厳で神聖な空気が満ちていた。

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箱根神社でお参りした後は、箱根旧街道の杉並木の間を散歩してみることに。樹齢300年以上の巨大な杉の木群の間を通り抜けていると、その昔、ここを多くの旅人が馬や籠に乗り往来していたのかと、当時の光景に想いを馳せずにはいられなかった。散歩を終えてカングーに戻ると、これまで家に閉じこもって鬱々としていた気持ちがすっかり開放されていることに気がついた。そして私は現代の籠に乗ってその場を後にすることに。

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その後も、箱根らしい観光名所をカングーで周遊。箱根の道は、基本的に細く曲がりくねっていて、運転が苦手な人はちょっとした試練に感じるかもしれない。でも、カングーはさすが欧州で鍛えられたクルマだけあって、こういったワインディングも大得意。一見、ボディは大きく見えても、ドライバーの意思にしっかりと応えてくれるから、狭い山道でも右へ左へとスイスイと走っていける。

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さらに、フランス車らしく、柔軟な足回りで、乗り心地がいいのも特徴。たとえば、タヌキやキツネがくるりんとクルマに化けたとすると、こんな乗り物になるのでは?…と妄想してしまう。狭い道ではキュッと体を縮め、高速道路などでは乗っている人がリラックスできるように室内がほんわかな空気に包まれる。カングーに乗っているとそんな安心感やあたたかみを感じるのだ。箱根の道にカングーはぴったりかもしれない。

今宵は新しい「箱根ステイ」を提案するお宿へ

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そして、箱根を堪能するのに欠かせないのは、お宿と温泉!「友人や家族で行くなら、雰囲気が素敵でリラックスできるスペースがあり、さらにお部屋も広めで…」と欲張りな考えが湧いてくる。そんな願いを叶えてくれるのは、今回お邪魔した「箱根 ゆとわ」だ。

箱根登山鉄道の強羅駅から徒歩5分のところにある素敵なお宿で、2019年8月にオープン。この「ゆとわ」という名前には、「湯」をイメージする温もりやゆったりとした佇まいの中で、あなた(=you)と大切な人を結び、ひと時を過ごす「輪」でありたい』という想いが込められているそう。中に入ってみると、「まさにその通り!」。エントランスから落ち着いた素敵な雰囲気で出迎えてくれる。

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館内を進んでいくと、カフェ気分でくつろげるライブラリーラウンジが。壁に約700冊の蔵書が並ぶ中、本棚の中にあるソファでゆったり本を読むもよし、テーブル席で友人や家族と団欒するのも楽しそうだ。さらに「ゆとわ」には、「スパラウンジ・ナカニワ」があり、気持ちの良い新緑に囲まれた中庭に、足湯や焚き火炉があって、自然の空気を楽しみながら過ごすことができる。

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客室は、少人数で泊まれるホテル棟と、友人や家族など大人数でも泊まれるコンドミニアム棟があり、今回はコンドミニアム棟に宿泊することに。お部屋はシンプルなモダンリビングなつくりで、友人や家族とゆったり寛げる大きなソファが備わり、なんと眺めの良い源泉掛け流しのプライベート温泉バスも備わる。

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調理器具や食器も備え付けられたキッチンもあるので、自分たちで食材や飲み物を持ち寄って自由にパーティを開くのも楽しそうだ。もちろん大浴場や貸切風呂もあるので、それぞれ好きなスタイルで思い思いの時間を過ごせる。「ゆとわ」でゆったりしていると、「あと一週間くらいここでのんびりリフレッシュしたい…」と思えてくる。

忘れてはならない、これぞ箱根を楽しむ元祖アイテム

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朝、目が覚めると何やら強羅駅の方が賑わっている。話を聞いてみると、昨年の台風19号の被害で運休していた箱根登山鉄道が、7月23日の再開に向けて試運転をするのだという。実は「ゆとわ」からも箱根登山鉄道を眺められるのだが、試運転の車両は目の前の強羅駅から出発するということで、直接見に行ってみることにした。

すでに駅にはたくさんの鉄道ファンが詰めかけていて「たくさんの人が待ち望んだ再開なのだなぁ」と肌身で感じる。いよいよ電車が動き出すと、数々のシャッター音と皆さんの笑顔が強羅駅を包む。いつも箱根にはクルマで来るが、のんびりカタンコトンと走っていく箱根登山鉄道を見て「たまには鉄道旅も魅力的」と感じた。

カフェでかまぼこ?ドライブは再発見の連続である

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これまで仕事ばかりで来ていた箱根が、カングーでのんびりと走ってみると「こんなに見所や心休まるところがたくさんあるんだなぁ」と再発見。帰りがけに、定番の鈴廣でかまぼこを買って、さらにホクホクした気持ちになる。

鈴廣の近くには、箱根登山鉄道の引退車両モハ1形107号をカフェ用に改装した「えれんなごっそ CAFE 107」があり、箱根登山鉄道の再開を祝って、そこで食事をしていくことに。名物のかまぼこのピンチョスや107号を模した登山電車ケーキを食べつつ、この箱根旅をのんびりと振り返った。

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箱根1泊2日のショートトリップでも、こんなに気持ちをリフレッシュできるなんて。箱根は、いつも見ているはずなのに、カングーでゆったりと自然や観光名所を巡るだけで、何だか特別な気分になった。そういう人の心を動かす不思議な力が、カングーには宿っているような気がする。「次はカングーとどこへ行こうかな?」きっと一緒に旅をした友人や家族も、同じように次への旅の期待を抱いているに違いない。

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取材協力:ルノー・ジャポン、箱根 ゆとわ、箱根登山鉄道

伊藤 梓(いとうあずさ)ライター/イラストレーター
クルマ好きが高じて、2014年にグラフィックデザイナーから『カーグラフィック』誌の編集者へと転身。2018年からはより広くクルマの魅力を伝えるためにフリーランスとして自動車関係の編集執筆のほか、FM横浜 THE MOTOR WEEKLYのDJを経て、現在ではイラストレーターとしても活動している。

《伊藤梓》

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