【F1 70周年記念GP】レッドブル・ホンダのフェルスタッペンが今季初優勝

F1 70周年記念GP
F1 70周年記念GP全 8 枚

イギリス・シルバーストンサーキットで9日、F1第5戦 70周年記念GPの決勝レースが行われ、上位では唯一ハードタイヤを履いてスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が完璧なタイヤ戦略でメルセデス勢を抑え、今季初優勝を飾った。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が遅れ、7月にスタートしたF1グランプリも既に第5戦。開幕から3連戦で1週間だけ休み、更に3連戦が行われるというハードスケジュールの中での第5戦は、第4戦と同じくイギリス・シルバーストンサーキットが戦いの舞台となった。

今から70年前、初めて世界選手権として開催されたF1グランプリの最初のレースが行われたのが、ここシルバーストンサーキット。それを記念して、今回は「70周年記念GP」という名称がつけられた。

8日に行われた公式予選はやはりメルセデス勢が速く、バルテリ・ボッタスがポールポジション、ルイス・ハミルトンが2番手となった。そして新型コロナウイルスに感染し出場できないセルジオ・ペレス(レーシングポイント)の代役、ニコ・ヒュルケンベルグ(レーシングポイント)が奮闘し、予選で3番手につけてきた。

F1 70周年記念GPF1 70周年記念GP

4番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。5番手はダニエル・リカルド(ルノー)、6番手はランス・ストロール(レーシングポイント)。そしてピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が今回は速さを見せ7番手に入ってきた。復調が期待されるフェラーリはシャルル・ルクレール(フェラーリ)が8番手、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は12番手に沈んだ。

決勝レースは52周。メルセデスの2台は順当にスタートを決めたが、3番グリッドのヒュルケンベルグは1つ順位を落とし、代わってフェルスタッペンが3位に浮上した。

F1 70周年記念GPF1 70周年記念GP

決勝レースのスタート時に履くタイヤは、予選Q3に進出した10台に関しては、Q2で最速タイムを記録したときのタイヤを使用しなければならないことがルールで決まっている。フェルスタッペンは予選Q2で、ほかがミディアムタイヤでタイムアタックする中ハードタイヤでタイムを記録した。そのため上位では唯一ハードタイヤを履いてスタートしており、それが戦略にどのような影響を及ぼすか注目が集まった。

長持ちするがグリップは弱いハードタイヤを履くフェルスタッペンは、ミディアムタイヤを履くボッタス、ハミルトンについていけないかと思われたが、10周を過ぎるとペースが逆転。みるみる前に追いついていった。

F1 70周年記念GPF1 70周年記念GP

タイムが落ち始めたボッタスは14周目にピットインしてハードタイヤに交換。ハミルトンも翌周にタイヤ交換を行い、これでフェルスタッペンがトップに浮上した。この時点でボッタスはフェルスタッペンの14秒後方、ハミルトンは18秒後方。フェルスタッペンは残り2回、ボッタスとハミルトンは残り1回のタイヤ交換を行うと想定されるため、誰が有利かわからない状況になった。

フェルスタッペンはペースが速く、26周終了時点でボッタスに17秒の差をつけピットイン。タイヤをハードからミディアムに交換した。コースに復帰するとボッタスが3秒前方を走行。しかしフェルスタッペンは難なくボッタスを交わしトップに返り咲いたのだ。

F1 70周年記念GPF1 70周年記念GP

これで残りピット回数は3人とも1回を残すだけとなり条件は揃った。その状態でフェルスタッペンは逃げようと試みるがボッタスはファステストラップを記録。それに応じるように、翌周にはフェルスタッペンがファステストラップを記録するなど、激しい攻防が続けられ、32周目に両者同時にピットイン。お互いハードタイヤを履いてコースに復帰した。

これでトップに立ったのはハミルトンだったが、まだ1回ピットインが残っている。11秒後方にフェルスタッペン、13秒後方にボッタスがいる状態でハミルトンは逃げようとしたが、フェルスタッペンは約10秒の差を保ってついてくる。そして41周目、ハミルトンもピットインし新品のハードタイヤを履いてコースに4位で復帰した。前にはルクレールがいたが45周目に交わして3位に浮上。この時点でトップ、フェルスタッペンの後方約5秒のところにボッタス、更に5秒後方にハミルトンという布陣になった。

F1 70周年記念GPF1 70周年記念GP

ペースが上がらないボッタスに、フレッシュなタイヤを履いたハミルトンはみるみる近づき、残り3周となった50周目にオーバーテイク。2位に浮上してフェルスタッペンを追った。しかし残り3周で8秒あった差を詰めることはできずそのままチェッカー。フェルスタッペンが今季初優勝を飾った。レッドブルとホンダにとっても今季初優勝。昨年を振り返るとフェルスタッペン×レッドブル・ホンダは第20戦ブラジルGP以来、6戦ぶりの優勝となった。

ハミルトンが2位、ボッタスが3位でフィニッシュし、メルセデスは昨年の第21戦(最終戦)アブダビGPから続いていた連勝が5でストップした。

F1 70周年記念GPF1 70周年記念GP

不調のフェラーリだったが、ルクレールが粘り強い走りで4位フィニッシュ。9番手スタートから一時は15位まで後退したアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)が終盤速さをみせて5位。ストロールが6位でチェッカーを受けた。

アルファタウリ・ホンダはガスリーの活躍が期待されたが、タイヤ戦略が合わず11位。予選で振るわず16番手スタートだったダニール・クビアトは逆に戦略が当たりジャンプアップ、10位でレースを終えた。

F1 70周年記念GPF1 70周年記念GP

次戦、3連戦の最後を飾る第6戦スペインGPは8月14~16日の日程で開催される。

■70周年記念GP 決勝レース結果
1. マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2. ルイス・ハミルトン(メルセデス)
3. バルテリ・ボッタス(メルセデス)
4. シャルル・ルクレール(フェラーリ)
5. アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
6. ランス・ストロール(レーシングポイント)
7. ニコ・ヒュルケンベルグ(レーシングポイント)
8. エステバン・オコン(ルノー)
9. ランド・ノリス(マクラーレン)
10. ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
11. ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
12. セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
13. カルロス・サインツ(マクラーレン)
14. ダニエル・リカルド(ルノー)
15. キミ・ライコネン(アルファロメオ)
16. ロマン・グロージャン(ハース)
17. アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)
18. ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)
19. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)
以上完走

--. ケビン・マグヌッセン(ハース)

《藤木充啓》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. なぜ? アルファロメオ『ミラノ』の車名を禁じられる…なら『ジュニア』だ!
  2. レクサス最小の『LBX』は、「サイズ的ヒエラルキー」から脱却できたのか?
  3. 女性向けキャンピングカー「Nomad Lux」デビュー 5月3日初公開
  4. サスペンションの新常識! 1G締めがもたらす驚きの効果とは?~カスタムHOW TO~
  5. パフォーマンスの新次元『ブリヂストン REGNO GR-Xlll』はブリヂストンが目指す究極のバランスに仕上がるPR
  6. 三菱ふそうが苦肉の策、工場の従業員を“出稼ぎ”でバスの運転手に[新聞ウォッチ]
  7. マツダの新型セダン、ティザー…間もなく中国で実車発表へ
  8. ホンダが新型EV「イエ・シリーズ」を中国で発表…2027年までに6車種を投入へ
  9. トヨタ『4ランナー』新型にオフロード向け「TRDプロ」仕様を設定…ハイブリッド i-FORCE MAX 搭載
  10. VW ゴルフ が表情チェンジ…改良新型の生産開始
ランキングをもっと見る