ポルシェのEV『タイカン』に2021年型…加速性能が向上、欧州発表

「ターボS」は0~200km/h加速を0.2秒短縮

航続は最大450km

カードやアプリなしで充電と支払いが可能に

車両の各種機能がオンデマンドでアップグレード可能に

ポルシェ・タイカン の2021年モデル
ポルシェ・タイカン の2021年モデル全 7 枚

ポルシェは8月19日、ブランド初の量産EVスポーツカーの『タイカン』(Porsche Taycan)の2021年モデルを欧州で発表した。

写真:ポルシェ・タイカン の2021年モデル

「ターボS」は0~200km/h加速を0.2秒短縮

タイカンは4ドア、4セパレートシートを備えた新世代のEVスポーツカーだ。2019年9月のデビューからおよそ1年を経て登場した2021年モデルでは、最上位グレードの「ターボS」がパフォーマンスを引き上げた。

タイカンは、非常に効率的な電気モーターを、フロントアクスルとリアアクスルに1基ずつ搭載し、4輪を駆動する。電気モーター、トランスミッション、パルス制御インバーターは、コンパクトなドライブモジュールに一体設計された。

リアアクスルに搭載される2速トランスミッションは、ポルシェが新開発した。1速は静止状態からの発進時に、鋭い加速を可能にする。ロングレシオの2速は、高い効率と同時に、高いエネルギー残量を追求する。2速は、高速走行時にも適用される。

ターボSは、ローンチコントロールとの組み合わせで、最大761psのオーバーブースト出力を発生する。2021年モデルでは、加速性能が引き上げられた。0~200 km/h加速は9.6秒で駆け抜け、従来よりも0.2秒の短縮を果たす。0~400m加速も10.7秒と、従来の10.8秒に対して、0.1秒速くなった。0~100km/h加速は2.8秒、最高速は260m/hだ。

航続は最大450km

タイカンの電圧は、通常のEVの400Vではなく、800Vのシステム電圧を備えた初の市販車となる。これにより、高出力充電ネットワークの直流(DC)を使って、およそ5分で最大100kmの航続に必要な電力を充電できる。パフォーマンスバッテリー+リチウムイオンバッテリーの蓄電容量は、最大93kWh。バッテリー容量を80%まで充電するのに必要な時間は、出力270kWの急速チャージャーで22分30秒だ。自宅などでは、最大11kWの交流(AC)で充電できる。1回の充電での航続は、ターボSが最大412km、「ターボ」が450km(WLTPに準拠)となる。

ドライビングモードは、「レンジ」、「ノーマル」、「スポーツ」、「スポーツプラス」の4種類だ。加えて、「インディビジュアル」モードでは、個々のシステムを必要に応じて設定できる。

ポルシェ4D シャシーコントロールは、全てのシャシーシステムをリアルタイムで分析し、同期させる。シャシーシステムには、「PASM」(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメントシステム)電子制御ダンパーコントロールを含む3チャンバーテクノロジーを採用したアダプティブエアサスペンション、「PTV Plus」(ポルシェ・トルク・ベクトリング・プラス)を含む「PDCC Sport」(ポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロール・スポーツ)、電気機械式ロール抑制システムが含まれる。また、日常走行でのブレーキ操作のおよそ90%が、油圧式ホイールブレーキを作動させることなく、電気モーターのみによって行われる。

カードやアプリなしで充電と支払いが可能に

2021年モデルには、新しいプラグアンドチャージ機能を導入する。これにより、カードやアプリなしで、便利な充電と支払いが可能になった。充電ケーブルを接続すると、タイカンがプラグアンドチャージ対応の充電ステーションとの暗号化通信を確立する。その結果、充電プロセスが自動的に開始され、支払いも自動的に処理される。

また、急速充電ステーションでの充電出力を、約200kWに制限する機能も追加された。これにより、バッテリーの寿命が延び、全体的な電力損失が減少するという。ドライバーは、車載ディスプレイを通じて、充電出力を選択する。顧客がこのオプションを選択しない場合、最大270kWの出力を備える800Vの急速充電が利用できる。

2021年モデルには、カラーヘッドアップディスプレイがオプション設定される。これにより、各種情報がドライバーの視野に投影される。ディスプレイは、メインディスプレイセクション、ステータスセクション、通話や音声制御コマンドなどの一時的なコンテンツを表示するセクションに分かれている。ナビゲーションディスプレイ、パワーメーター、ユーザービューもプリセットとして選択できる。「アダプティブエアサスペンション」と組み合わせて、装備することが可能だ。

「スマートリフト」機能も、2021年モデルに採用する。段差を超える時や車庫からの出入りの際などに、自動的に車高を調整するようにプログラムできる。スマートリフト機能は、高速道路を走行する場合に、効率を高めるためにも利用できるという。

また、車載AC充電器として、出力22kW仕様がオプション設定された。このユニットを使用すると、タイカンのバッテリーは、標準の11kWチャージャーの約半分の時間で充電される。

車両の各種機能がオンデマンドでアップグレード可能に

2021年モデルには、新車購入後、車両の各種機能がオンデマンドでアップグレードできる「FoD」を採用する。FoDのおかげで、さまざまな便利機能やアシスト機能を購入できる。オンラインの無線アップデートのおかげで、工場に入庫する必要はない。「ポルシェ・インテリジェント・レンジ・マネージャー(PIRM)」、「パワー・ステアリング・プラス」、「アクティブ・レーン・キープ・アシスト」、「ポルシェ・イノドライブ」が、FoDによって追加装備できる。

顧客は、タイカンの各種機能を購入するか、月単位で利用するかを選択できる。毎月のサブスクリプションを選択した場合、顧客には3か月間、トライアルの恩恵が受けられる、としている。

《森脇稔》

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