【ダイハツ タフト 新型】コンセプトの頭文字をネーミングにしたが…チーフエンジニア[インタビュー]

ダイハツ・タフト新型
ダイハツ・タフト新型全 11 枚

ダイハツから軽SUVの『タフト』がデビュー。1970年代にダイハツには同じ車名の本格オフロードビークルが存在した。なぜあえて軽SUVに“タフト”と名付けたのか。また、ターゲットユーザーはどういう人たちなのか。チーフエンジニアに話を聞いた。

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指名買いしてもらえる唯一無二の存在に

そもそも新型タフトはどのような経緯で開発、商品化がスタートしたのだろうか。ダイハツ技術統括本部製品企画部チーフエンジニアの小村明紀さんによると、「世界的に流行しているクロスオーバーSUVを軽で実現するために、最初は『キャストアクティバ』から提案をスタートした」という。このアクティバはキャスト3モデルのひとつとして、想定通りの台数が出た。しかし、「軽クロスオーバー市場が拡大し、さらに可能性が出てきたことから専用車の開発に至った」とのことだ。

そこでダイハツは、「成長している軽クロスオーバー市場に『タント』に続くラインナップの柱となる商品を開発」することに踏み切った。具体的には、「ダイハツらしさである“良品廉価”、“最小単位を極める”、“先進技術をみんなのものに”の一貫思想のもと、新たな発想・視点を加える企画・開発が行われた」。小村さんとしても、「先行している他社の同様のクルマに対し、指名買いしてもらえる唯一無二の特徴・機能とスタイリングを合わせ持つ、新発想のクロスオーバーモデルを目指そうと考えた」と誕生までの経緯を語る。

日常からレジャーシーンまで

では、実際に競合車と比較しタフトの強みはどういうところか。小村さんは、「タフで力強い個性的なデザイン。前席は運転を楽しむクルースペース、後席は何でも気軽に積込めるフレキシブルスペース。そして、気持ちの上がる解放感を与え、運転視界を景色に変える“スカイフィールトップ”」の3つを挙げる。これらは、「日常からレジャーシーンまで大活躍、毎日を楽しくしてくれる頼れる相棒というコンセプト」を掲げ、「SUVクロスオーバーのモデルとして非日常、行動半径の広がりを日常でも感じてもらえる、ユニークなパッケージングを企画・開発した結果だ」という。

特に、「”丈夫で軽いバックパックを背負い、快適に、アクティブにライフスタイルを楽しむヒト” をイメージした“バックパックスタイル”というパッケージコンセプトが一役買っている」と話す。これこそが前述のフレキシブルスペースになり、日常からレジャーまで、軽快さと機能性を兼ね備えたものなのである。

これらのコンセプトのもと、ターゲットユーザーは、「老若男女、男女問わずアクティブな志向を持つ人」とされた。「他社にない強い“個性”と“楽しさ”を持つクルマとして存在感を示し、活況の軽クロスオーバー市場を盛り上げるため、幅広い年齢層に向けて開発した」と述べた。

コンセプトの頭文字だが、先代を想起させることも意識

さて、なぜあえてタフトというネーミングを採用したのか。「今回のタフトは、過去の車種とは異なる全く新しい軽乗用車とSUVのクロスオーバーであり、過去のタフトの後継車種等ではなく、タフトとはコンセプトである“Tough & Almighty Fun Tool”の頭文字を取った車名」と説明するが、「誰にでも分かりやすいにも関わらず、実際はありそうでなかった存在感は新旧共通といえるだろう。コンパクトながらタフで力強いイメージを持つ先代タフトを想起させることも決してネガティブではないとの判断のもと、歴代車名と同じネーミングにした」と明かす。

もうひとつ気になることとして、『ネイキッド』との関係性も聞いてみると、こちらも「直接的な関係はない」とのこと。「タフトの開発段階で、販売現場からキャストアクティバでは吸引できなかった『テリオスキッド』やネイキッドのお客様に提案できるクルマが欲しいという声はあった」が、企画面ではそれ以上ではない様子だった。

最後に小村さんは、「軽自動車として、軽の本質の経済性、軽ならではの扱いやすさや安心感、軽だからこその安全性へこだわると共に、非日常感を普段のお買い物や通勤通学などの日常使いから感じてもらい、行動半径の広がりにつながる商品創りを目指した」とタフト開発へのこだわりを語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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