ランドローバー ディスカバリースポーツ に初のPHV、燃費62.5km/リットル…欧州受注開始

EVモードは最大62km

エレクトリック・リア・アクスル・ドライブ

スマホアプリを車載スクリーンから操作できる「InControlアプリ」

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツのPHV
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツのPHV全 15 枚

ランドローバーは8月26日、『ディスカバリースポーツ』(Land Rover Discovery Sport)初のプラグインハイブリッド車(PHV)の受注を欧州で開始した、と発表した。

EVモードは最大62km

ディスカバリースポーツ初のPHVは、「P300e PHEV」グレードを名乗る。PHVシステムのエンジンは、1.5リットル直列3気筒ガソリン「インジニウム」ユニットが、最大出力200psを発生し、前輪を駆動する。最大出力109psの電気モーターは、リアアクスルに組み込まれ、後輪を駆動する。PHVシステム全体では309psのパワーと55.1kgmのトルクを獲得し、0~100km/h加速6.6秒の性能を発揮する。

後席の下には、蓄電容量15kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。バッテリーは84個のセルで構成されており、各12個の50Ahモジュール7個に分けられている。EVモードでは、最大62kmをゼロエミッション走行することが可能だ。この効果もあって、燃費62.5km/リットル、CO2排出量36g/km(WLTP計測)の優れた環境性能を可能にしている。また、EVモードの最高速は、135km/hとした。

「ベルト・インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(BISG)」を搭載する。一定の速度を下回るとエンジンを停止させて、減速中のエネルギーを蓄電し、そのエネルギーを動力として活用する。

エレクトリック・リア・アクスル・ドライブ

トランスミッションは8速AT。3気筒エンジンの出力とトルクに合わせて、「エレクトリック・リア・アクスル・ドライブ(ERAD)」とスムーズに連携するように設計された。この8速ATは、他のモデルに搭載されている9速ATよりも5kg軽量で、ランドローバーによると、洗練されたシフトフィールを実現しているという。

P300e PHEVグレードには、「モード2」と呼ばれる家庭用充電ケーブルが用意されている。これにより、6時間42分で、車両を完全に充電できる。ランドローバーによると、夜間の充電に最適という。さらに高速な充電のために、「モード3」充電ケーブルが使用可能だ。出力7kW のAC家庭用充電ボックスや、AC公共充電ステーションに接続できる。これにより、1時間24分でバッテリーの80%の容量を充電できる。さらに、出力32kWのDC急速充電では、バッテリー容量の80%を、30分で充電することが可能だ。

新開発のブレーキバイワイヤシステムは、回生ブレーキと通常のブレーキを連携させて、正確なペダルフィールを追求する。このシステムでは、回生ブレーキによって、最大0.2Gの減速を可能にした。車両の減速エネルギーを使用してバッテリーを充電することにより、エネルギー効率を最大化している。

スマホアプリを車載スクリーンから操作できる「InControlアプリ」

P300e PHEVグレードのドライバーは、3種類の運転モードから選択できる。HYBRIDモード、EVモード、SAVEモードが用意されている。

HYBRIDモードは、通常の運転モードだ。電気モーターとガソリンエンジンのパワーを、走行条件とバッテリーの残量に応じて、最適に調整する。ナビゲーションシステムに目的地を入力すると、予測エネルギー最適化機能により、最適な走行ルートを提示してくれる。

EVモードは、バッテリーに蓄えられた電力を使用して、電気モーターだけで車両を走行させる。静かなゼロエミッション走行を可能にする。 SAVEモードは、エンジン主体で走行し、バッテリーの充電状態を選択したレベルに維持する。

離れた場所から車の情報を確認・操作できる「リモート」を標準装備し、スマートフォンのアプリを車両のタッチスクリーンから操作できる「InControlアプリ」、最大8つのデバイスに接続可能な4Gの「Wi-Fiホットスポット」、高画質の2D/3Dマップを表示して快適な移動をアシストする「ナビゲーションプロ」のほか、グーグルの「Android Auto」やAppleの 「CarPlay」にも対応している。

InControlアプリを利用すると、自宅や外出先から車両の充電状態を確認したり、充電タイマーを設定して、オフピークの電力料金で充電したりすることができる。また、走行前に、室内の空調の温度を最適に調整しておくこともできる。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. 「復活まじうれし!」「全色欲しい」新型スズキ『GSX-R1000』発表に、SNSは話題沸騰!
  3. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  4. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
  5. ホンダ『N-ONE e:』の価格を予想、280万円台からか…実質ガソリンモデル並み?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る