【スーパーフォーミュラ 第1戦】2020年シーズン開幕戦は平川亮がポールトゥウィン

優勝した平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
優勝した平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)全 9 枚

30日、SUPER FORMULA第1戦の決勝レースが開催され、逆転を狙う山下健太(KONDO RACING)の追撃を振り切り、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がポールトゥウィンを決めた。

2020年シーズンのSUPER FORMULAは4月4日・5日のスケジュールで、鈴鹿サーキットで開幕を迎える予定だったが、新型コロナウイルスの蔓延により延期となり、その後大きくスケジュールが見直された。そしていよいよ、8月29日・30日の日程でツインリンクもてぎを舞台にシーズンが開幕することになった。5,000人限定ながらも全日本クラスのレースとしては今年初の有観客で開催され、Withコロナ時代を象徴する一戦となった。

今シーズンはチャンピオンシップ・ポイント制度に変更があり、これまで入賞は8位までだったのが10位までとなり、優勝ポイントは10から20に引き上げげられた。また予選ポイントもポールポジションは1から3に引き上げられ、2位2ポイント、3位1ポイントと3位までポイントが与えられることになった。また今年に限り、海外レースとの行き来の中で参戦が叶わないドライバーが発生することを考慮し、全7戦中5戦の有効ポイント制となる。

ドライバーラインナップを見ると、昨年のチャンピオン、ニック・キャシディ、そして石浦宏明、国本雄資、中嶋一貴、山本尚貴の、6人のチャンピオン経験者が参戦するとともに、世代交代も進み、テストではベテラン勢に負けない走りをみせた大湯都史樹、国内トップフォーミュラでは1997年のサーラ・カバナ以来となる女性ドライバーのタチアナ・カルデロン、2019年全日本F3チャンピオンのサッシャ・フェネストラズ、更には来日できなかったドライバーの代役として笹原右京と名取哲平がデビューした。

表彰式(2位の山下は帰国後間もなく特例での参戦のため、他のドライバーとの接触を回避するために近藤真彦監督が代理出席)表彰式(2位の山下は帰国後間もなく特例での参戦のため、他のドライバーとの接触を回避するために近藤真彦監督が代理出席)

30日午前に行われた公式予選では、昨年のもてぎ戦で優勝を飾っている平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がポールポジションを獲得。以下、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、山下健太(KONDO RACING)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)と続き、トップ4に2人のルーキーが並ぶ結果となった。

急遽参戦が決まった名取哲平は、サポートレースのスーパーフォーミュラ・ライツとのダブルエントリーだったが、体調を崩し、ライツに専念するとの判断でスーパーフォーミュラ決勝レースへの出場を断念。スターティンググリッドには1台減の18台のマシンが並んだ。

平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)のチェッカーシーン平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)のチェッカーシーン

35周の決勝レースは給油なし、タイヤ交換義務なしのフォーマットで14時30分にスタートした。ポールポジションの平川はスタートを決めトップで1コーナーに。フィネストラズと山下は激しいポジション争いの末、山下が2位に浮上。4番グリッドの大湯はポジションを落とし、代わって5番グリッドの中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が4位に上がってきた。オープニングラップは混乱し、12番グリッドからスタートした坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)がコースアウト。表彰台が期待された大湯もダウンヒルストレートでスローダウンし、そのままピットへ向かった。

平川、山下、フィネストラズ、中嶋のトップ4はそれぞれ1秒から2秒の差で周回を重ね、給油なし、タイヤ交換義務なしのレースをそのままチェッカーへと向かって走り続けた。5位以下は大接戦で、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)を先頭に、小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本雄資(carrozzeria Team KCMG)が5位争いを展開し、19周目には福住が小林を抜いて6位に浮上。その直後に小林のタイヤが破損し、ピットインしてタイヤを交換した。同じタイミングで山本もタイヤ交換を敢行。先にタイヤ交換を済ませていた笹原右京(TEAM MUGEN)とタチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)の後ろでコースに復帰することになった。この直後に国本のタイヤも破損しピットイン。国本はコースに復帰したものの、もう一度ピットに戻りリタイヤとなった。

2位の山下健太(KONDO RACING)2位の山下健太(KONDO RACING)

終盤までトップ争いは膠着状態が続いたが、ラスト2周で2位の山下がスパート。トップ平川との差を一気に詰めてきた。0.5秒差でファイナルラップに突入し、平川も山下もオーバーテイクシステムを使って渾身の走りをみせた。しかし1レース中に100秒しか使えないオーバーテイクシステムを、平川はコース半周に渡って使用することができたが、山下は残りが少なくすぐに使い切ってしまい、平川に追い付くことはできずそのままチェッカー。平川がポールトゥウィンで自身2度目、もてぎ戦2連勝となる優勝を飾った。

山下は惜しくも2位。そしてチームメイトのルーキー、フィネストラズが初レースで3位表彰台を獲得した。以下中嶋、福住と続き、昨年の王者ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)が11番グリッドから追い上げて6位でフィニッシュした。

3位のサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)3位のサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)

タイヤ交換組は追い上げることができず11位の笹原が最上位だったが、その後ろのカルデロンと山本、そして小林の3人によるバトルがファイナルラップまで繰り広げられ、カルデロンが見事そのバトルを制して12位でチェッカーを受けた。

オープニングラップでマシンを破損しピットインした大湯は、優勝した平川のベストラップ1分36秒002よりも1秒以上速い1分34秒970のベストラップを叩き出す走りをみせ、4周遅れの15位ながらも周囲にその速さをみせつけた。

4位の中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)4位の中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)

SUPER FOMULA第2戦は、9月26日・27日の日程で、岡山国際サーキットを舞台に開催される。

■SUPER FOMULA 第1戦 決勝レース結果
1. #20. 平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
2. #3. 山下 健太(KONDO RACING)
3. #4. サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
4. #36. 中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)
5. #6. 福住 仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
6. #1. ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)
7. #16. 野尻 智紀(TEAM MUGEN)
8. #38. 石浦 宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
9. #64. 牧野 任祐(TCS NAKAJIMA RACING)
10. #14. 大嶋 和也(ROOKIE Racing)
11. #15. 笹原 右京(TEAM MUGEN)
12. #12. タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)
13. #5. 山本 尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
14. #7. 小林 可夢偉(carrozzeria Team KCMG)
15. #65. 大湯 都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
以上完走

5位の福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)5位の福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

--. #18. 国本 雄資(carrozzeria Team KCMG)
--. #19. 関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
--. #39. 坪井 翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)

《藤木充啓》

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