ULJapanが信頼性試験ラボを拡張---大型複合振動試験機や耐薬品試験対応、3.3億円規模

UL Japan 信頼性試験ラボ オンライン発表会には、ULJapanコンシューマーテクノロジー事業部 橋爪正人 事業部長、同 木下喬太氏、同 木田豊生氏らが出席
UL Japan 信頼性試験ラボ オンライン発表会には、ULJapanコンシューマーテクノロジー事業部 橋爪正人 事業部長、同 木下喬太氏、同 木田豊生氏らが出席全 13 枚写真をすべて見る

コロナショック後も、モビリティ関連部品の信頼性試験ニーズは旺盛。試験内容の多様化へと向かうなか、米国第三者安全科学機関 UL Inc.は、日本拠点 UL Japan 伊勢本社内の信頼性試験ラボを拡張。9月1日から本格稼働させる。

8月31日にはその拡張内容について、UL Japanコンシューマーテクノロジー事業部の橋爪正人事業部長、木下喬太氏、木田豊生氏らがオンライン発表会で説明。「モビリティ関連の信頼性試験需要は増加傾向にあり、順調に受注。追加要望や新たな確認項目が重なり、投資に至った」と概況を語り、今回の拡張内容を伝えた。

国際規格や国内外自動車メーカー独自規格などで要求される車載機器の信頼性試験(環境試験・耐久性試験) を信頼性試験ラボでスタートした UL Japan は、クルマの電動化・電子化、先進運転支援システムの採用、環境対応車の技術開発加速、アジア地域の需要増などのトレンドをうけ、ISO 16750-2にもとづく試験が実施可能な自動車トランジェントイミュニティ試験機、取り扱いが難しく委託に頼る耐薬品試験などが可能な全排気型オーブン、ストロングハイブリットに対応するため直流高電圧(1000V)大電流(2000A)の電源などを新たに導入。

また、パワートレイン系にも対応可能な6.5トンの加振力を持つ大型複合振動試験機、需要が高い熱衝撃試験機、複合腐食試験機、恒温槽、大容量チラーなどの設備を増強し、これまで以上に早く柔軟に対応できる体制を整えた。2021年1月には、耐候性試験機の導入を計画し、自動車メーカーのOEM規格にもワンストップで対応させる構えだ。

ことし9月から稼働する設備と台数は、大型複合振動試験機(1台)、全排気型オーブン(1台)、自動車トランジェントイミュニティ試験機(1台)、耐候性試験機(1台)、直流高電圧・大電流の電源(2台)という内訳。また耐薬品試験や、キセノンアーク耐候性試験、ISO 16750-2といった試験項目も新たに追加する。

コロナショック後のニューノーマルのいま、なぜ UL は3.3億円規模の設備を投資するか。ULコンシューマーテクノロジー事業部 橋爪正人 事業部長は、「自動車に限らず、建設機械・農業機械・船舶などのモビリティ全体で、電動化や自動運転などの先進運転システムの導入がすすんでいる。これらを実現するためにはモーターやセンサー、カメラ、コネクター・ケーブルなどの多くの電子部品が要る」と市場背景から語る。

「たとえばエンジンルームに設置する場合、各部品には、振動や高温、油・塩水など厳しい環境下での動作が求められる。また電子制御システムが高機能化・融合化すると、デバイスレベルからモジュール、ユニットまで、これまで実施しなかった過酷な環境試験・耐久性試験などの信頼性試験が求められる」

「しかし、複雑化するモビリティ向け部品の信頼性試験の要求増に対し、各部品サプライヤーが要求を満たすための最新試験設備を自社内ですべて整備するには、投資コストや試験技術者のスキルの面から、極めて負担が大きい」

「そこで中立な立場である第三者安全科学機関のULに試験を委託し、試験に関する設備や人的投資のコストを下げながら、高品質の評価・試験結果を得るという傾向がある」(橋爪事業部長)

同社は今後、ニューノーマル時代に求められる開発パートナーというポジションで、専門性の高い技術を持った試験人材をそろえ、オンライン立ち会い試験などにも取り組む構え。9月1~4日には、今回の信頼性試験ラボ拡張を記念し、オンラインオープンハウスをウェブ上で限定公開する。

《大野雅人》

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