物流に位置情報技術を活用したい...アイシンCSSカンパニー鈴木研司プレジデント[インタビュー]

アイシン精機CDO(チーフデジタルオフィサー)兼アイシンAW取締役副社長のCSSカンパニープレジデント鈴木研司氏
アイシン精機CDO(チーフデジタルオフィサー)兼アイシンAW取締役副社長のCSSカンパニープレジデント鈴木研司氏全 4 枚

アイシン精機とアイシンAWは、2021年4月に経営統合することがすでに発表されている。その前段階として、グループ内では今年4月からカンパニー制への移行がなされ、それぞれ事業体としての活動が始まっている。

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今回お届けするインタビューは、CSSカンパニーのプレジデントに就任したアイシン精機CDO(チーフデジタルオフィサー)兼アイシンAW取締役副社長の鈴木研司氏へオンライン取材したものだ。

CSSカンパニーは、アイシンAWのナビ技術をベースとした位置情報活用サービスをはじめとして、「コネクティッド」「シェアリング/サービス」の領域でニーズに応える新たな価値の提供をめざし設立されたカンパニーである。

CSSカンパニーとは

---:CSSカンパニーはどのようなビジネスを主体として活動されるのでしょうか。

鈴木氏:(アイシンAWの)ビークルインフォメーションテクノロジー事業本部を主体として設立されたカンパニーですので、今までのビジネスであるカーナビや地図の配信がまずはメインのビジネスになります。ご存知の通り、トヨタやアウディなどにナビを提供しています。

そして、そのカーナビで培った技術を活かして、コンテンツやプラットフォームのビジネスに発展させていきたいと考えています。アイシンのデバイスから集めたデータをプラットフォームを介してサービス化していくアイシンのデバイスから集めたデータをプラットフォームを介してサービス化していく

---:コンテンツというのは具体的にどのようなものでしょうか。

鈴木氏:アイシングループで手がけている各種センサーから得たデータを、ナビの技術を利用して位置情報を組み合わせることによって、価値のあるものにしていきます。例えば、ブレーキがどこで踏まれたのか、あるいは横風の強い場所はどこか、そういった情報をコンテンツにしていくということです。

プラットフォームについては、現在アイシンで地図の差分データを配信しているのですが(マップオンデマンド)、その配信で使っている仕組みをプラットフォームと呼んでいます。このプラットフォームを利用して、アイシンならではのもの、他社にはまねのできない価値を生み出すことに取り組んでいきます。様々な課題を解決するためのソリューションを実現していく様々な課題を解決するためのソリューションを実現していく

CSSカンパニーのこれから

---:カーナビがおもなビジネスとのことですが、トヨタがディスプレイオーディオを標準装備(2019年カローラツーリングから)する動きがあります。こういった既存のカーナビが減っていく傾向をどう考えていますか。

鈴木氏:ディスプレイオーディオの標準化には危機感を持っていましたが、スマートフォンの普及も含めて、クルマが変わっていく時代に、ユーザーと同じ気持ちになって考えていかないと次のビジネスはないだろうと思っています。

アイシンとしては、カーナビの品ぞろえを幅広くすることで対応していくべきと考えています。例えば、(スマートフォンアプリの)LINEカーナビにナビのSDKを提供するビジネスも展開しています。

(注:LINEカーナビはトヨタ『カローラ』などのディスプレイオーディオと連携して利用することができる)

---:カーナビ以外のビジネスについては、どのようなことを、いつごろ事業化をしていくイメージでしょうか。

鈴木氏:最初から事業性や利益を重視しすぎると成り立ちにくいので、中長期的にユーザー価値が高いこと、社会課題解決を実現できることに取り組んでいます。例えば『チョイソコ』は、大きな利益が出ているわけではありませんが、多くの自治体から声をかけてもらっています。もうそろそろ事業化できるのではないかと考えています。

そのほかにも、岡崎市と包括連携協定を結びまして、チョイソコや子育て支援など、社会課題解決のための実証実験を進めています。> チョイソコについて
> 岡崎市との包括連携協定について◆物流の課題にアイシンの技術を

---:新しいビジネスに取り組む中で、特に有望だと考えているテーマはありますか。

鈴木氏:物流業界は、人手不足や労働環境など社会課題の多いテーマであると同時に、クルマを使う業態でもありますので、地図やクラウド、位置情報技術を活用できるのではないかと考えています。

例えばコンビニチェーンにおいては、配送トラックをどこに停めるか、店舗のロケーションや駐車場の都合などで店舗ごとに停める場所が違うという課題がありますし、アイシングループ自体にも大変な量の物流がありますので、物流支援システムによってグループ内のトラックの台数を減らすなどの実験を進めています。

また、経済産業省が主導する物流MaaSの実証実験にも参加しています。物流ソリューションでトラックドライバーを支援し、仕事の負担を減らすための取り組みをしています。> 物流MaaS実証実験について---:サプライヤー再編がグローバルで進んでいますが、アイシングループの中でCSSカンパニーはどのような貢献をしていくのでしょうか。

鈴木氏:社会の変化や消費者の志向に対応するスピード感が重要だと考えています。Mobility Technologies (旧Japan Taxi)に出資したのも、M&Aが目的ではなく新しい価値を提供するためですし、MONETコンソーシアムにも参加して、いろいろなチャンネルの方と対話しているところです。課題解決のためにスピード感を持って連携して取り組んでいきたいですね。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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