デザインの日産といわれるように ALL NISSAN MEETINGでデザイントップが語った未来

日産グローバルデザイン本部エグゼクティブ・デザイン・ダイレクターの田井悟氏
日産グローバルデザイン本部エグゼクティブ・デザイン・ダイレクターの田井悟氏全 6 枚

日産が社内向けに開催したALL NISSAN MEETING。ライブ配信によって一般にも公開されたが、その中でデザインの今後の方向性も示唆されたので、まとめてみたい。

【画像全6枚】

共通のデザイン思想を持ちながら、それぞれの特徴に合わせてデザイン

今回プレゼンテーションしたのは、同社グローバルデザイン本部エグゼクティブ・デザイン・ダイレクターの田井悟氏だ。

最初に「既にデザインの変化を、クルマを見て感じてもらえている方もいるかもしれない」と前置きしたうえで、「(『キックスe-POWER』や『アリア』以降)デザインフィロソフィの考え方を少し変えている」という。「以前は決められたデザイン表現のルールに沿って、ラインナップで一貫したデザイン表現を踏襲していた」。しかしいまは、「その車種のターゲットとなるお客様に、より相応しい表現で特徴や魅力を表現出来るようにしている」と変更点を語る。

具体的には、「これまではどの車種も一様にクロームのVモーショングリルを採用していた。しかし、EVのフラッグシップとなるアリアでは光のVモーショングリルを採用。合わせて光るブランドバッチを取り入れることで、より先進的なイメージを持たせている」と述べる。

また、キックスe-POWERでは、ダブルVモーションのグリルを採用することで、「SUVの力強さと同時に、プレミアムネスを表現した」。つまり、「一目で日産インテリジェントモビリティとわかる共通のデザイン思想は持ちながら、それぞれの特徴に合わせて(デザインの)幅を持たせることで、デザインの自由度を上げている」と考え方を説明した。

将来の若手デザイナーのためにも

実はここにはもうひとつの思惑があった。田井氏は、「日産のデザインの将来を担っていく若いデザイナーたちが、お客様が期待することを自分自身でしっかりと考えて、それをもっと自由に表現してほしいという思いも込めている」と語る。

そして、「100年に一度といわれる大変革に身を持って感じているが、我々日産デザインもとにかく先をいくデザインにチャレンジし続けて、お客様にはもちろん満足してもらいたいし、我々従業員も楽しんで作ることが出来て、販売会社の皆さんにも喜んで売ってもらえるような魅力のあるデザインを届けたい。期待してほしい」。そして、「いま、技術の日産といわれるが、デザインの日産といわれるように頑張っていきたい」と思いを語った。

古くからある日本の考え、思想はEVに合っている

今回のミーティングではアリアのデザインコンセプトにも言及された。「“タイムレスジャパニーズフューチャリズム”というキーワードを使って、デザイン開発した」と田井氏。

「日本に昔からある考え方、例えばエコやサスティナビリティなどはいまの時代にピッタリだ。同時に日本に昔からある表現では、シンプルでモダンで、同時に力強さも持っている」とこのワードの背景を述べる。そしてその考え方は、「EVやe-POWERのクルマが、静かさとダイナミックな走りを両立出来ることや、最新テクノロジーが可能にしたリラックス出来るインテリアの考え方を表現するのに、とても合っている」。そういったことを「チームでいつも論議しながら開発して来たので、新しいデザインの表現にチャレンジしながら、エクステリアもインテリアも割と統一感を持ってまとめられたことから、格好良いといってもらえるようになったのだろう」とコメント。

また田井氏は今後について、「我々のチャレンジは、アリアの開発において実現、達成出来たことを継続させることだ」という。アリアは、「EVらしさとはどういうことか、高いコネクティビティ、自動運転の時代のインテリアはどういうものかを、コンセプチュアルに考えて、本当に苦労して作ってまとめることが出来た。その結果として高い評価を得ている」としたうえで、「我々のチャレンジは、これを他の車種でも、お客様の趣向や技術の動向などをしっかり踏まえながら、日産独自のデザインの表現を探して、シンプルに格好良いという高い評価を得られるように頑張り続けることだ」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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