【日産 フェアレディZ 次期型】Z32を担当した2人のデザイナーが30年後にやったこと

日産フェアレディZ次期型
日産フェアレディZ次期型全 16 枚

日産は次期型『フェアレディZ』のコンセプトモデルを発表した。プロトタイプには既報の通りS30やZ32のモチーフがちりばめられている。しかし、新しさも感じさせなければ新型車である意味がない。

【画像全16枚】

今だから出来る技術

そのあたりのバランスについて、日産自動車のエグゼクティブデザインダイレクターの田井悟氏は、「サイドに通る、リアに向かって落ちていく線=リバースウェッジクリースは割とシャープなラインで、上の面と下の面をきれいに切り分けている。こういう表現は、昔では絶対になかった」という。

さらに、「そのラインのドアハンドルの部分からは柔らかいボリュームでリアフェンダーが出来、その後ろにLEDでしか表現出来ない今の時代のシグネチャーがある」と説明し、「このあたりをどのあたりまで丸く作るか、どのあたりをシャープに作るか、ランプはどのくらい薄く表現するか」などで新しさと過去のモチーフのバランスを取ったとのことだった。

また、フードのバルジなども、「先端の高さとともにどのくらいで表現するかが重要。また先端からボンネットへ向けては当初フラットに作っていたが、丸みを加えることでフードの長さを強調出来ることから、現在のバランスに至った」と話す。「基本はロングフードに見えて豊かで、でもシャープさがあることを日々チューニングしながら作っていった」と述べる。日産フェアレディZ Z32(白)日産フェアレディZ Z32(白)

想い出のZ32

今回のモチーフにはS30とともにZ32のものが多く取り入れられた。実は田井氏はこのデザインに大きく関わっており、そこに若きアルフォンソ・アルバイザ氏、現・日産専務執行役員グローバルデザイン担当も日本に来て担当の一人としてスタジオに入った。

アルバイザ氏は「そのクルマを見て衝撃を受けた。シンプルでびっくりした。非常にスムーズでミニマリズム、まさに日本語でいう“間”が取られており、本当に印象深かった」と当時を振り返る。

田井氏も、「Zの歴史の中でZ32はZを革新しようとしたモデル。その中にシンプルな表現がある。実はZというクルマは、S30も含めて意外とジオメトリックに出来ている。正面から見ると真っ直ぐな線(リアからフロントに向かってのライン)があり、その先に丸いヘッドランプがある。このようなジオメトリックなものと、(ボディの)柔らかさを共存させる作り方が、革新しようとしたZ32にもあり、それがフロントのグラフィックや、リアのランプで表されている。そのあたりも今回このモデルでリアのランプなどでZ32の考え方を取り入れた理由だ」とのことだった。日産フェアレディZ次期型日産フェアレディZ次期型

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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