青函トンネルで北海道新幹線の210km/h走行…東京-新函館北斗は3分程度短縮 12月31日から期間限定

この年末年始から青函トンネルでの210km/h走行が始まる北海道新幹線。
この年末年始から青函トンネルでの210km/h走行が始まる北海道新幹線。全 3 枚

国土交通省とJR北海道は9月24日、青函トンネルで北海道新幹線の210km/h走行を12月31日から5日間実施すると発表した。

北海道新幹線が通る海峡線新中小国信号場~木古内間約85kmは、標準軌(軌間1435mm)の新幹線と、狭軌(軌間1067mm)の在来線が線路を共用する、いわゆる「三線軌条」となっており、このうち約54kmを占める青函トンネルは、すれ違い時の風圧を考慮して2016年3月の開業当初は新幹線の速度が140km/hに抑えられていた。

しかし、2017年12月に開かれた「青函共用走行区間等高速化検討ワーキンググループ(WG)」の会合で、160km/hへの引上げと下り線を使って特定時期の一部時間帯を対象に210km/h走行を行なう方針が取りまとめられ、これを受けて2018年9月には、北海道新幹線の建設主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が青函トンネルで160~210km/hの速度向上試験や160km/h走行での貨物列車とのすれ違い試験を実施。営業運行に支障がないことが確認され、2019年3月のダイヤ改正から160km/hに引き上げられた。

青函トンネルにおける新幹線高速化の第2段階となる今回は、「新幹線高速走行中の貨物列車の誤進入を防止するシステムや高速確認車の開発、レールの削正、高速走行試験により走行の安全性を確認した」として、当初の方針では対象が下り線のみだった走行を上下線で実施することに。貨物列車の運行が少ない12月31日から翌年1月4日までの各日、6時から15時30分まで青函トンネルを通過する新幹線上下各7本が210km/h走行し、その間、貨物列車は走行しない。

時刻などの詳細は後日、JR北海道から発表されるが、東京~新函館北斗間の到達時間は、現行の最速3時間58分から3分程度短縮される。

一方、貨物列車を運行するJR貨物は「お客様のご要望を踏まえ、必要な輸送力を確保するよう関係各所と調整を進めております」として、11月中に詳細な運行計画を発表する。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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