【トヨタ ハリアー 新型試乗】日本人が欲しいと思う要素をすべて備えたかのよう…諸星陽一

日本人が欲しいと思う要素をすべて備えた

ジェントルで落ち着いた走り

RXになるべく生まれたDNAを受け継いでいる

トヨタ ハリアー 新型
トヨタ ハリアー 新型全 16 枚

日本人が欲しいと思う要素をすべて備えた

久々に乗った『ハリアー』は今の日本人が欲しいと思う要素をすべて備えたかのような設定で、大きな魅力を持ったモデルに仕上げられていた。

ハリアーは1997年に初代が誕生。この初代からレクサスブランドでは『RX』として販売されていた。2013年に発売された3代目からはRXとは分離、トヨタ・ハリアーとして独自の道を歩み始める。今回試乗したモデルは新型の4代目。用意されるパワーユニットは2リットルのピュアエンジンと2.5リットルで、それぞれにFFと4WDが用意されている。

メインで試乗したのはハイブリッドのFFと4WD。ハイブリッドのエンジンは2.5リットルで178馬力/221Nm。組み合わされるモーターはフロントモーターが120馬力/202Nm、リヤモーターが54馬力/121Nmというスペック。ピュアエンジンモデルは171馬力/207Nmなので、ハイブリッドはほぼモーターをプラスしたような状態と考えていい。

ジェントルで落ち着いた走り

トヨタ ハリアー 新型トヨタ ハリアー 新型
走りは力強くジェントル。1.5トンを軽く超すボディ、4WDだと1.75トンにもなるのだが、それをものともしない。逆にある程度の車重があって、それをトルクで引っ張るので力強いフィーリングを味わえるのだ。軽いクルマは運動性能がよく、走りを楽しむには最高なのだが、ジェントルで落ち着いた走りには重量があることも大切だ。

しかし重いだけじゃあだめ、その重さをものともしないだけのトルクが必要なわけで、新型ハリアーはそれを十分に備えている。ハイブリッドの場合はこのボディを電気モーターだけで走らせるEVモードも存在する。そしてハイブリッドの恩恵をもっと受けられるのが中間加速。高速道路巡航からの追い越し加速は、スッキリとよどみなく気持ちのいいものだ。

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足まわりはしっかりと長いストロークを動かすタイプだ。それでいてサス剛性はしっかりとあり、高速道路など速度が高い領域ではフラットな特性が持たされていて、ロングツーリングを快適に楽しむことができる。

乗り心地を向上するために「バネ上制振制御」と言われるものが採用される。これはサスペンションなどのシャシーのみで振動を抑えるのではなく、パワーユニットのトルクを制御することで制振しようというものだ。その恩恵を受けたか否かはわからないが、乗り心地に関しては十分な快適さを味わうことができた。

RXになるべく生まれたDNAを受け継いでいる

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そして、エクステリア&インテリアの豪華さも特筆ものだ。進化の過程でRXとハリアーは分かれてしまったが、今もRXになるべく生まれたDNAは受け継いでいるように思えてならない。流麗なクーペスタイルはもちろん、ヘッドライトやリヤコンビランプの成型などもかなり凝ったものだ。

そしてインテリアではセンターにどっしりと構えたフロアコンソールや上質なメッキ類などで加飾された各パーツが高級感を醸し出している。

トヨタ ハリアー 新型トヨタ ハリアー 新型
「ちょっといいクルマが欲しい」と考えているユーザーが、トヨタという安心のブランド、力強い走り、快適な乗り心地、高級感あふれる内外装、そしてSUVという今流行りのパッケージング、ゴルフバッグ3つが搭載可能なラゲッジルーム……とすべてが揃っているのが今回のハリアー。

ハイブリッド4WDの最上級グレードだと500万円を超えるが、ピュアエンジンFFのベースモデルなら300万円を切るという価格設定もまたユーザーの心を揺さぶる上手なものだ。

トヨタ ハリアー 新型トヨタ ハリアー 新型

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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