キャデラック CT5-V に「ブラックウィング」、カーボン製シート採用…2021年夏に米国発売へ

ベース車両の355hpを上回るパワーを追求

最大出力649hpの従来型CTS-Vよりもサーキットで速い

レースに着想を得たプレミアムシートとして開発

キャデラック CT5-V ブラックウィング の開発プロトタイプ
キャデラック CT5-V ブラックウィング の開発プロトタイプ全 16 枚

キャデラック(Cadillac)は9月29日、最新「Vシリーズ」の『CT5-V』のさらなる高性能モデルとして開発中の「ブラックウィング」に、カーボンファイバー製バケットシートを採用すると発表した。

Vシリーズは、「キャデラックレーシング」の血統を受け継ぐスーパースポーツセダンだ。モータースポーツに参戦しているキャデラックは、FIA(国際自動車連盟)のGT3クラスを主戦場とし、2004年からの11年間に5度のマニュファクチャラーチャンピオンシップを獲得している。

そんなキャデラックレーシングの技術と、歴戦の中で培ってきたノウハウを注いで開発されたのが、Vシリーズだ。世界中のライバルを凌駕するパワーと運動性能、研ぎ澄まされたデザインとテクノロジーなどを追求している。Vシリーズは2004年、米国で発表された。2009年の第2世代から、日本国内にも導入されている。このVシリーズの最新作として、2019年春に米国で発表されたのが、CT5-Vだ。

ベース車両の355hpを上回るパワーを追求

キャデラックの新ミドルセダン、『CT5』の高性能グレードとして設定されたのが、CT5-Vだ。CT5-Vのパワートレインは、直噴3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンで、最大出力は355hp/5600rpm、最大トルクは55.3kgm/2400~4400rpmを引き出す。

キャデラックは、このCT5-Vのさらなる高性能モデルとして、『CT5-Vブラックウィング』を開発中だ。キャデラックによると、ブランドのパフォーマンスとドライバーエンゲージメントの頂点を表しているという。

Vシリーズのブラックウィングモデルは、特別に強化されたシャシーや車両制御技術、エンジンを備えている。エンジンのパワーは、CT5-Vの355hpを上回ることになる。各モデルには、マニュアルトランスミッションも用意される予定だ。マニュアルトランスミッションは、ほとんどのプレミアムブランドが設定しなくなった装備だが、多くのパフォーマンスドライビングファンからの強い要望を受けて、ブラックウィングに設定する。

最大出力649hpの従来型CTS-Vよりもサーキットで速い

CT5-Vブラックウィングは現在、テストコースと全米の公道でテスト走行を行っている。 キャデラックによると、バージニアインターナショナルレースウェイでは、両車のラップタイムが従来型の『CTS-V』(最大出力649hp)よりも、数秒速いという。

キャデラックは、ブラックウィングの名称を、最高のキャデラックパフォーマンスエンジニアリング、職人技、テクノロジーを搭載した車両に冠する。CT5-Vブラックウィングは、究極のパフォーマンスドライビングエクスペリエンスを持ち、ブランドの歴史に基づいて開発される。キャデラック史上、最もサーキットに対応できるキャデラックを生み出すことで、キャデラックの究極のパフォーマンスと職人技を象徴することを狙うという。

第4世代のVシリーズは、デザイン、テクノロジー、ドライビングダイナミクスを、さらに高めることを目指した。その上に位置するブラックウィングは、ブランドのモータースポーツの伝統に、ラグジュアリーさと快適さを組み合わせるという。

レースに着想を得たプレミアムシートとして開発

キャデラックは、このCT5-Vブラックウィングに、新開発のカーボンファイバー製バケットシートを採用する。レースに着想を得たプレミアムシートとして開発。カーボンファイバー製のシートバックは、精密なデザインとレーザーエッチングされたVシリーズのロゴが特長だ。このシートには、革新的な機能が導入されるという。

CT5-Vブラックウィングには、パフォーマンス・ステアリングホイールも採用する。このステアリングホイールは、レザーとカットソーによる縫製、12時の位置の赤いレーシングストライプ、カーボンファイバートリム、Vシリーズのエンブレムなどが特長だ。キャデラックのモータースポーツにおける栄光の歴史を、確実に反映したデザインという。

また、キャデラック独自の「Vモード」と「パフォーマンス・トラクション・マネジメントシステム」は、ステアリングホイールの左右のスイッチ操作で、アクセスできるようにした。

なお、CT5-Vブラックウィングは2021年夏、米国で発売される予定、としている。

《森脇稔》

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