JR肥薩線復旧、改正鉄道軌道整備法の活用なども視野に…赤羽国交相が前向きな姿勢

被災した肥薩線。画面上方、奥が流失した第2球磨川橋梁(7月8日、熊本県球磨郡)
被災した肥薩線。画面上方、奥が流失した第2球磨川橋梁(7月8日、熊本県球磨郡)全 3 枚

赤羽一嘉国土交通大臣は10月6日に開かれた定例会見で、令和2年7月豪雨の影響で長期不通となっているJR九州肥薩線八代~吉松間の復旧について記者の質問に答えた。

同区間の復旧については、JR九州の青柳俊彦社長が、改正鉄道軌道整備法による国からの補助を求める考えを明らかにしている。

2018年8月から施行されている同改正法は、赤字の鉄道事業者のみを対象としていたことを改めて黒字事業者も対象としたもので、「復旧に要する費用が対象路線の年間収入以上であること」「対象路線が過去3年間赤字であること」「原因となった災害が激甚災害その他これに準ずる特に大規模の災害であること」「長期的な運行の確保に関する計画を策定すること」が要件となっており、適用されれば国が復旧費用の4分の1以内を補助することになっている。この割合は、国土交通大臣が特に必要と認めた場合は3分の1以内とすることも可能。

同法を適用する考えがあるのかという質問に対して、赤羽大臣は青柳社長の発言を正確には把握していないとしながらも、「鉄道軌道整備法等の支援スキームの活用も想定しながら、どのような支援が可能か、JR九州並びに地元自治体の皆さん等とも検討してまいりたい」と述べ、河川事業や道路事業などとの連携も視野に入れる考えを示した。

その上で赤羽大臣は、具体的な結論があるわけではないと前置きつつ「しっかり様々なスキームを想定しながら、JR九州と地元の地方自治体と連携を取って、地元住民の『生活の足』、『観光の足』の路線はしっかりと支援していきたい」と述べ、支援に前向きな姿勢を見せている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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