【WRC 第6戦】ヒュンダイが1-2、優勝はソルド…トヨタのオジェ3位

優勝したD.ソルド(ヒュンダイ)。
優勝したD.ソルド(ヒュンダイ)。全 8 枚

世界ラリー選手権(WRC)第6戦「ラリーイタリア・サルディニア」が現地9~11日に実施され、ヒュンダイのD.ソルドが今季初優勝、自身通算3勝目を飾った。ヒュンダイが1-2フィニッシュし、トヨタ勢はS.オジェの3位が最上位となっている。

優勝の#6 ソルド(ヒュンダイ)。優勝の#6 ソルド(ヒュンダイ)。

WRCの今季カレンダーはコロナ禍の影響によって激変を続けてきたが、今回、この第6戦のラリーウイークに入ってからも新たな決定がもたらされた。第6戦のあとに開催予定が確立していたラウンドは11月19~22日のベルギー戦だけだったところに、もうひとつ、12月4~6日の「ACIラリーモンツァ」が“WRC昇格”を果たす格好で加わったのである。

ラリーモンツァはその名の通り、F1イタリアGP開催サーキットとして知られるモンツァを中心に実施されるラリーで、イタリアでのWRC開催は今回のサルディニア島でのラリーと併せて今季2回になる。イタリアはコロナ禍の今年、F1を3回、WRCを2回にいずれも増量して開催することになったわけだが、さすがはフェラーリの国、“モータースポーツ大国”としての存在感や覚悟を見るような思いがするところだ。

2位の#11 ヌービル(ヒュンダイ)。2位の#11 ヌービル(ヒュンダイ)。

グラベル(未舗装路)ラリーのサルディニア、ここをほぼ支配的な流れで進めていったのは#6 ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)。彼は2位に30秒近い差をつけて最終日の日曜(11日)を迎えた。その最終日にリードを大きく減らしはしたものの、5.1秒差逃げ切りの格好で優勝を飾っている。

ソルドのWRC優勝は昨年のサルディニア以来で、自身通算3勝目。今はフル参戦ではない37歳のベテランは、「とても、とても嬉しいよ。最後は少しタイトな展開になったけど、(それまでの)アドバンテージをマネージしていたからね。勝つことができて本当に良かった」と喜びを語っている(談話はFIAサイトより)。

3位の#17 オジェ(トヨタ)。3位の#17 オジェ(トヨタ)。

(*なお、国内外のモータースポーツ関連サイトには「ラリー後にソルド車の一部に関して重量の問題が指摘されたが、ラリーの結果に変動は生じていない」との報道がある)

ソルドの後方、2位争いが熾烈だった。#17 セバスチャン・オジェ(トヨタ・ヤリスWRC)と#11 ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)が僅差で競り続け、最終ステージを迎える時点では1.7秒差で#17 オジェがリード。注目の最終ステージは#11 ヌービルの方が2.7秒速く、総合で1秒差逆転、#11 ヌービルが2位を得た。ヒュンダイは1-2フィニッシュ。

WRC今季第6戦の表彰式。ヒュンダイが1-2フィニッシュを飾った。WRC今季第6戦の表彰式。ヒュンダイが1-2フィニッシュを飾った。

3位は#17 オジェ、4位にはポイントリーダーとしてこのラリーを迎えた#33 エルフィン・エバンスが入り、トヨタは3-4フィニッシュに。5位はMスポーツ・フォードのフィエスタWRCを駆りラリー序盤に健闘を見せた#3 テーム・スニネン。6位はヒュンダイの#8 オット・タナクだった。

ドライバーズチャンピオン争いでは#33 エバンスが首位を守って111点までポイントを伸ばした。これに97点で#17 オジェが続き、トヨタ勢がランキング1-2をキープしている。ヒュンダイ勢は87点で#11 ヌービルが3番手、83点で#8 タナクが4番手。

5位の#3 スニネン(Mスポーツ・フォード)。5位の#3 スニネン(Mスポーツ・フォード)。

WRCはラリーの優勝が25点。ドライバーズポイントにはパワーステージ(原則として最終ステージ)のボーナス1~5点があるため、1戦あたり最大30点獲得可能だ。残り2戦なので、目下70点でランク5番手の#69 カッレ・ロバンペラ(トヨタ、今回リタイア)まで数字的可能性は残るが、状況的には上位4人の争いと見られる。

ランク首位エバンスの僚友オジェ(ランク2番手)に対するリードは14点。オジェには自力逆転の可能性が残っているし、いずれも他力が必要ながらランク3~4番手のヒュンダイ勢も含めてまだまだ予断を許さないところだと思うが、次戦でのエバンス戴冠決定にも現実味がないわけではなく、初王座を狙うエバンスにとってはなんとも微妙な差といえるかもしれない。

#18 勝田貴元(トヨタ)はリタイアに終わる。#18 勝田貴元(トヨタ)はリタイアに終わる。

一方、マニュファクチャラー部門のタイトル争いは、ヒュンダイ(HYUNDAI SHELL MOBIS WORLD RALLY TEAM)が首位に躍り出てトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)を7点リードした(208対201)。僅差であり、ヒュンダイ連覇かトヨタ奪冠かの決着は最終戦までもつれこむ可能性が高いだろう。

なお、2戦ぶりにトヨタ・ヤリスWRCで参戦した#18 勝田貴元は競技初日の金曜にデイリタイア。再出走するが、日曜にクラッシュがあって戦線離脱となり、サルディニアでは結果を残すことができなかった。

ドライバーズポイントランキングトップでサルディニア入りした#33 エバンス(トヨタ)。今回のラリーの結果は4位に留まるが、シリーズリーダーの座は堅持する。ドライバーズポイントランキングトップでサルディニア入りした#33 エバンス(トヨタ)。今回のラリーの結果は4位に留まるが、シリーズリーダーの座は堅持する。

WRCの次戦、第7戦はベルギーにて11月19~22日に開催される予定。

なお、今回サルディニア戦の週末には来季のWRCカレンダーも公開されており、ラリージャパンは最終第12戦として2021年11月11~14日に日程がセットされている。

《遠藤俊幸》

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