EVスポーツカーに相応しい音を…アウディ『e-tron GT』にデジタル走行サウンド[動画]

バイオリンやギターなどあらゆる楽器をテスト

ドライブシステムの働きをリアルに伝える音が目標

刺激的なサウンドを発する「サウンドパッケージ」

アウディ e-tron GT のプロトタイプ
アウディ e-tron GT のプロトタイプ全 12 枚

アウディは10月8日、現在開発を進めている新型EVスポーツカーの『e-tron GT』(Audi e-tron GT)に、デジタル走行サウンドシステム、「e-sound」を搭載すると発表した。

[写真:アウディ e-tron GT のプロトタイプ]

アウディのすべての車は、モデルごとに、ブランドにふさわしい、バランスの取れたサウンドを車外に向けて発生する。EVスポーツカーのe-tron GTでは、アウディのエンジニアのルドルフ・ハルブマイヤーとステファン・ジゼルの両氏が中心となり、デジタル走行サウンドのe-soundを開発している。

バイオリンやギターなどあらゆる楽器をテスト

アウディのサウンドデザイナーのルドルフ・ハルブマイヤー氏によると、車の音は音楽と多くの共通点があるという。彼は、余暇に曲を書き、プライベートレコーディングスタジオで、すべての楽器を自ら演奏するという熱心なミュージシャンでもある。

ルドルフ・ハルブマイヤー氏は、e tron GTのサウンドの基礎を見出すために、バイオリンからエレキギター、オーストラリアの管楽器のディジュリドゥまで、あらゆる種類の楽器を試した。しかし、それらのどれも、e tron GTのサウンドには相応しくなかったという。

そこで彼は、庭に横たわっているプラスチック製パイプに目を付けた。このプラスチック製パイプは、長さ3m、太さ80mm。彼はパイプの片側に扇風機を取り付け、パイプの反対側で音を聞いた。この時、聞いた深いうなり音が、e tron GTのサウンドの基礎になっているという。

その後、アウディサウンドラボとオフィスのコンピュータを使用して、エンジニアリング作業が行われた。アウディのサウンドデザイナーのチームは、作曲に使うソフトウェアにヒントを得て、プログラムを独自に開発した。このプログラムを使って、周波数を解析し、32音の微妙にバランスの取れたサンプルを作り出した。これらには、シンセサイザーサウンドなどが含まれているという。

ドライブシステムの働きをリアルに伝える音が目標

サウンドの開発作業の大部分は、実車のプロトタイプの車内で行われた。車両の動き、風やタイヤのノイズ、他の車両の音など、実際の走行環境の中で、開発を進める必要があるためだ。

e tron GTのデジタル走行サウンドの開発では、電気モーターの回転速度、負荷、車速、ドライブマネジメントによって提供されるパラメーターに関するデータをベースとした。車両が低速で走行している時、デジタル走行サウンドは目立たず、速度が上がるにつれて、より豊かでダイナミックな音に変化する。アウディによると、人工サウンドではあるものの、ドライブシステムの働きをリアルに伝えることを目指したという。

アウディのエンジニアは、e tron GTの開発段階で130人の顧客を招き、デジタル走行サウンドの開発に取り組んだ。顧客はカーテン越しに、走行するプロトタイプ車両から発生する音を評価し、開発作業に貴重な情報をもたらしたという。

ルドルフ・ハルブマイヤー氏は、e tron GTのデジタル走行サウンドについて、「SF映画から内燃機関や宇宙船を模倣することは意図的に避けた」と話す。その代わりに、スポーティで広がりのある洗練されたサウンドを狙った。これは、クリアで独特なサウンドでもあり、おなじみのサウンドパターンに、新しい未来的な要素を組み合わせたものだ。アウディの音は、モーターやエンジンのサウンドだけではなく、スポーティさ、洗練さ、進歩的なキャラクターの音響表現になるという。

刺激的なサウンドを発する「サウンドパッケージ」

e-tron GTの顧客は、e-soundを聞きたいかどうか、どのように聞きたいか、を自分で決めることができる。e-tron GTには、「AVAS(音響車両警報システム)」と呼ばれる低速走行時の警告音が標準装備される。この警告音は、車両のフロント部分に設置されたスピーカーから発せられる。この警告音は、欧州では20km/h から、北米では32km/hから、徐々に静かになり、60km/hに達すると聞こえなくなる。

オプションの「サウンドパッケージ」は、刺激的なサウンド体験を提供する。ラゲッジコンパートメントに配置された2つのコントロールユニットとアンプが、迫力のサウンドを生み出す。システムは、車体外側のフロントスピーカー、車両内部のリアドア部分のスピーカーで構成される。大型のため、65Hzまでの周波数を正確に再現できるという。

ダイナミックハンドリングシステムの「アウディドライブセレクト」では、e-soundをドライバーの好みに応じて設定できる。エフィシエンシーモードでは、AVAS警告音のみが作動する。コンフォートモードでは、車体外側のリアスピーカーが機能し、最高速の領域まで洗練されたサウンドを届ける。ダイナミックモードでは、車体前後のスピーカーの音が大きくなり、室内のスピーカーのサウンドも追加される、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『エスティマ』が“走りのミニバン”として復活か…アルファードと棲み分けは
  2. 次期トヨタ『GRスープラ』はハンマーヘッド顔に!? 450ps級ハイブリッドで2027年登場の可能性
  3. 【トヨタ RAV4 新型試乗】おそろしくスムーズなハイブリッド、まさに「至れり尽くせり」…中村孝仁
  4. スズキ『カプチーノ』復活の可能性!…軽規格を維持、FRレイアウトも継承か
  5. 三菱『パジェロ』新型のデザインはこうなる! 公式発表は2026年秋予定
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. ETASとエレクトロビット、ADAS向け統合ソフトウェア基盤を発表…人とくるまのテクノロジー展 2026
  2. ボッシュがなぜ「しろくまくん」を買収したのか? “熱とAI”が変える、SDV時代の勝算
  3. BMW工場にヒューマノイド「Figure 03」導入…フィジカルAIで全身協調制御
  4. BYD12万人の技術力と日本市場への本気度、補助金逆風下「ラッコ」の戦略とは…BYD Auto Japan 東福寺厚樹 代表取締役社長[インタビュー]
  5. バックミラーは「銀座4丁目」だった…電子ミラー最大手「ジェンテックス」が握る車内センシングの主導権
ランキングをもっと見る