JR西日本は10月14日、特急『はるか』に運用している281系特急型電車の「制輪子」と呼ばれるブレーキ用部品が一部消失していたことを明らかにした。
「制輪子」とは、空気圧により車輪がレールと接する「踏面」という部分に押し当てる摩擦材のことで、車両の抑速・停止や、車輪表面を清掃する役目を持っている。
制輪子を用いるブレーキは「踏面式」と呼ばれ、車両の基礎ブレーキとして使われている。電力回生を伴なう電気ブレーキが主流となっているJRの電車において、基礎ブレーキは電気ブレーキと協調して補助的に使われることが多い。
JR西日本によると消失が判明したのは10月13日16時頃で、吹田総合車両所日根野支所(大阪府泉佐野市)で「手歯止め(車輪止め)が装着しにくい車両がある」という報告があったことから、車両を特定して確認したところ、6両編成の1両目最前部車輪(進行方向右側)のものが消失していたという。
特殊レジン製の制輪子が消失した状態(左)と、鋼製台座に付いている正常な状態(右)。JR西日本では原因を調査中としており、消失した制輪子は発見されていないが、運行に支障はないとしている。