三菱重工の国産ジェット、鳴かず飛ばずのまま事業を凍結へ[新聞ウォッチ]

三菱『スペースジェットM90』10号機が初飛行(2020年3月18日)
三菱『スペースジェットM90』10号機が初飛行(2020年3月18日)全 2 枚

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

これまで設計ミスなどのトラブル続きで6回も納入を延期してきた三菱重工の国産初のジェット旅客機「スペースジェット(旧MRJ)」だが、日の目を見ないままついに事業そのものを事実上凍結するという。

きょうの日経が1面トップで報じているほか、朝日を除く各紙が1面などで大きく報じている。それによると、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で航空需要が激減し、航空各社も経営状況が悪化したことから、当面は需要の回復が見込めないと判断し、開発費や人件費を大幅に削減するという。コロナの影響ばかりが凍結理由ではないとも見受けられるが、来週10月30日に発表する予定の中期経営計画で詳細を説明するそうだ。

三菱重工が国産の小型旅客機の開発計画を決めたのは2008年のこと。「YS-11」以来の半世紀ぶりの国産旅客機開発として期待も大きく、官民で開発に乗り出して、初号機の納入を当初は13年を目指していた、ところが、相次ぐ設計変更などのトラブルが続いて、納期も延び延びとなっていた。

今後は、カナダの航空機会社から買収した中型機事業の運営を通じたノウハウの蓄積を優先。スペースジェット事業も、運航に必要な国の型式証明(TC)の取得に向けた開発研究は継続するものの、規模を大幅に縮小して事実上の凍結状態となる模様。「航空需要の動向を見ながら、再開時期を探ることになりそうだ」(毎日)とも伝えている。これまで投入された開発費は約1兆円ともいわれているが、それが苦労のかいもなく水の泡となるのは、残念無念としか言いようがない。

2020年10月23日付

● 三菱ジェット量産を凍結、コロナ打撃需要見込めず(読売・2面)

●全日空スリム化急ぐ、構想改革案、人件費・路線・機体数見直し (読売・8面)

●レクサス初EV販売開始、今年度135台 (読売・8面)

●公的マネーが大株主、8割、東証一部、4年で倍増、1030社に、GPIF・日銀(朝日・1面)

●ジップエア100人採用、ジェットスターなどCA (毎日・7面)

●米テスラ、最終利益2.3倍(産経・9面)

●羽田国際空港化10年、国際線1800万人そしてコロナ (東京・6面)

●米中古車販売3か月連続増、9月11%増、手ごろ感で需要 (日経・14面)

●東京観光新プラン続々、都の都民向け旅行補助きょう開始 (日経・35面)

《福田俊之》

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