【無限 S660 試乗】素材のよさを押し出したチューンに「間違いない」

ノーマルとは異なる迫力のスタイリングと装備

ツインリンクもてぎでハンドリングを試す

シビック&フィットの無限パーツも

ホンダ S660 無限パーツ装着車
ホンダ S660 無限パーツ装着車全 24 枚
無限ブランドを展開するM-TECが2020年のワークスチューン試乗会のメインディッシュとして用意したのは、ミッドシップリヤドライブの軽自動車『S660』だ。

◆ノーマルとは異なる迫力のスタイリングと装備


ボディは前後エアロバンパー、サイドスポイラー、カーボンフロントスポーツグリル、カーボンリヤウイング、フロントエアロフェンダー、カーボンエアロエンジンフード、カーボンエアロボンネット、ハードトップが取り付けられ、明らかにノーマルのS660とは異なる迫力のスタイリングを実現している。

どこかで見たことがあるこのフォルム。じつは2017年の東京オートサロンに出品された同社のコンセプトカー「GARU(ガル)」のデザインコンセプトを引き継いだものなのだ。そのどっしりと落ち着いた雰囲気は、もはや軽自動車のレベルを超えたものを感じることができた。

無限 GARU(東京オートサロン2017)
足まわりパーツではスポーツサスペンション、前後アルミホイール、パフォーマンスダンパーを装着。ブレーキはスポーツタイプのパッドに5本スリット入りのローター、ミクロメッシュのブレーキラインを装着。エンジンはスポーツサイレンサーを装着し、オイル&オイルフィルターをハイパフォーマンスタイプに変更するなどしている。

◆ツインリンクもてぎでハンドリングを試す

無限 S660 ステアリング(開発中)
エンジンを始動すると、リヤからなかなか頼もしいエキゾーストノートが響いてくる。シフトのショートストローク化を実現するクイックシフターを操作し1速ギアを選択。シフトノブはカーボンタイプで、ヒンヤリした触感がなんとも気分を盛り上げてくれる。クラッチをつなぐと、ググッとクルマが前に動き出す。エンジンはとくに大きな変更を受けているわけではないので、もともとS660がもっている素直で吹き上がりのいいフィーリングを味わいながらクルマを前に進める。

無限 S660をツインリンクもてぎの北ショートコースに持ち込んで、そのハンドリングを試す。基本的なクルマの動きはクイックでスポーティだが、そこに競技用のマシンがもつような気難しさはなく、街中での使い勝手やワインディング、ミニサーキットでの走りを楽しめるタイプに仕上げられている。

無限 S660 アルミホイール
この全体的なまとまり感の元になっているのが、パフォーマンスダンパーというパーツ。ボディに取り付けることで適度な剛性アップとともに、しなやかさも与える特性があり、ロードカーとの相性はかなり高い。開発中というステアリングもしっかり感があり、クルマの動きをつかみやすい。このステアリングはセンターのエアバッグモジュールはノーマルパーツを使うとのことなので、安全性に関しても安心感がある。

クローズドコースなので、すこし思い切りのいい走りを試してみたが、その気持ちよさは格別。とくに切り返しのあるスラロームなどはコンパクトなボディを生かしてビシッと楽しめるタイプのクルマに仕上げられていた。S660は1台ですべてをこなすには難しいタイプのクルマだが、走りを楽しむことについては現行日本車のなかではトップレベルに位置するモデル。それを走りの楽しさを知る無限がチューンしたのだから間違いないのは当たり前なのだが、あらためてその楽しさを確認できた。

無限 S660 カーボンエアロエンジンフード

◆シビック&フィットの無限パーツも

無限 シビックハッチバック
今回、時間の都合で試乗はできなかったものの『シビックハッチバック』と『フィット』の無限パーツ装着車も展示されていた。シビックハッチバックはマイナーチェンジ後車両に対応したパーツで、新たに開発されたリアアンダースポイラーを装着、このアンダースポイラーに合わせたデュアルヘキサゴナルフィニッシャーを採用したスポーツエキゾーストシステムの適合が拡大されている。

無限 フィット フォー・ダッシュ
赤いフィットはスタリングセットの「フォー・ダッシュ」というタイプが取り付けられたモデル。フロントアンダースポイラー、サイドスポイラー、リヤアンダースポイラーがセットになっている。このセットには6色のカラード仕上げと未塗装を用意。白いフィットはスタイリングセット「フォー・スキップ」が取り付けられたモデルで、フロントアンダースポイラー、サイドスポイラー、リヤアンダースポイラーがセットでこのセットには7色のカラード仕上げと未塗装が用意される。

両タイプともに、カーボンのフロントグリルガーニッシュ、エアロイルミネーション、ウイングスポイラー、カーボンテールガーニッシュ、カーボンドアミラーカバーなどが装着されている。

無限 フィット フォー・スキップ

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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