スズキ 鈴木社長「今期のインドは何とか20%減に」…通期営業利益は26%減の1600億円予想

決算を発表するスズキの鈴木俊宏社長(2019年11月、参考画像)
決算を発表するスズキの鈴木俊宏社長(2019年11月、参考画像)全 3 枚

スズキが11月5日に電話会議で発表した2021年3月期の第2四半期(4~9月期)連結決算は、営業利益が前年同期比37%減の749億円となった。主力のインドでの販売が7~9月期以降に回復するなど、営業利益が98%減だった第1四半期から大きく改善した。

第2四半期の四輪車グローバル販売は32%減の96万6000台となり、このうち7~9月期は5%の増加と前年を上回った。主力のインドは、36%減の43万2000台だったが、7~9月期は20%増と大幅な回復を見せた。生産が回復してきた日本も7~9月期は6%のプラスに転じている。7~9月期の営業利益は32%の増益となった。

第2四半期の営業減益要因では、販売の減少および原材料費の上昇分が1470億円に及んだ。為替もインドルピーやユーロなど全通貨に対して円高となり、全体で90億円の減益に作用した。一方で固定費など諸経費の削減を755億円積み上げたものの、販売の落ち込みを補うには至らなかった。また、コロナ禍による工場操業停止に伴う損失154億円(固定費相当額)を営業損益から特別損失に振り替えている。

売上高は28%減の1兆2702億円、純利益は32%減の543億円となった。減収減益は2期連続。一方、インド事業の不透明さから、これまで算定を控えてきた通期の業績予想を今回、公表した。営業利益は前期比26%減の1600億円、純利益は18%減の1100億円とした。売上高は14%減の3兆円の予想。

前提となる四輪車グローバル販売は17%減の237万8000台を見込んだ。このうちインドは、20%減(約115万台)と想定した。営業利益段階では販売減や構成変化による減益影響を1512億円と見積もっている。

電話会議に出席した鈴木俊宏社長は、第2四半期の業績について「徹底的な経費削減など非常時体制に近い体制でやってきた。7~9月期でインドと日本の生産が徐々に回復し、前年を上回る利益を確保できた」と評価した。

また、業績を左右するインドの市場動向については「足元の第3四半期の販売は好調に推移しているものの、コロナの状況を見ていると何が起こるか分からない。第4四半期は非常に不安定で読みづらい。当社の販売は何とか前期比20%減で、できないかと思っている」と、慎重な見方を示した。

《池原照雄》

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