ヤマハ発動機、通期最終利益予想を440億円に上方修正…想定以上の市場回復 2020年1-9月期決算

ヤマハ YZF-R15
ヤマハ YZF-R15全 1 枚

ヤマハ発動機は11月9日、2020年12月期第3四半期(2020年1~9月)連結決算を発表。第2四半期で28億円の赤字となった最終損益は401億円の黒字に転換した。

売上高は、ロボティクス事業と金融サービス事業で増収となったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、ランドモビリティ事業とマリン事業で販売台数が大きく減少し、全体では前年同期比15.8%減の1兆0671億円となった。

営業利益は、為替影響やランドモビリティ事業とマリン事業の工場操業停止による稼働率低下などの要因により、同43.6%減の564億円となった。経常利益は同41.7%減の597億円。四半期純利益は同47.0%減の401億円で、第2四半期における28億円の赤字から回復した。

ランドモビリティ事業の売上高は同19.3%減の6824億円、営業利益は同74.9%減の89億円だった。二輪車では、先進国を中心に足元での総需要は回復傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、販売台数が減少。また、各国の工場を一定期間操業停止し稼働率が低下したため、減収・減益となった。加えてインドネシアでは、景気悪化に伴う販売金融の審査厳格化により総需要が大きく落ち込み、インドとフィリピンでは足元の総需要は回復しているが、上期のロックダウンの影響をカバーできず、販売台数が減少した。ベトナムでは、新型コロナウイルス感染症による景気減速がリストラや所得減少につながり、総需要が減少。一方で、台湾では、総需要が前年を上回るまで回復した。

RV(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV)、スノーモビルでは、足元でアウトドア需要が急激に高まり、最大市場の北米をはじめ、主要地域で小売が回復したが、新型コロナウイルス感染症の影響で工場の稼働率が低下したことによる供給不足のため、減収・減益となった。電動アシスト自転車では、新型コロナウイルス感染症の影響による生産遅延や営業活動の自粛により、欧州向けE-kitや日本での販売台数が減少した結果、減収・減益となった。

マリン事業の売上高は同10.9%減の2474億円、営業利益は同21.5%減の407億円。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた北米のボートビルダーの操業停止やディーラーの休業により販売台数が減少した。また、本社工場や米国工場を一定期間操業停止したことで、総需要の急回復に対しての供給が追い付かず、減収・減益となった。

ロボティクス事業の売上高は同2.5%増の547億円、営業利益は同84.6%減の10億円。アジアでサーフェスマウンターの販売台数が増加したが、自動車領域の投資が抑制された結果、サーフェスマウンターのモデルミックスが悪化した。これに加え、前年第2四半期会計期間末よりヤマハモーターロボティクスホールディングスを子会社化した影響により、増収・減益となった。

金融サービス事業の売上高は同11.4%増の343億円、営業利益は同6.3%減の58億円。米国プライム層向け金融プログラムの自前化により、債権残高が増加し増収となったが、新型コロナウイルス感染症の影響を見据えた貸倒引当金の増加により増収・減益となった。

その他事業の売上高は同19.3%減の484億円、営業利益は同93.4%減の2000万円。ゴルフカーや発電機の販売台数が減少し、減収・減益となった。

通期連結業績予想については、各市場で想定以上に需要が回復していることから上方修正。売上高1兆4800億円(前回予想比+1100億円)、営業利益700億円(同+500億円)、経常利益710億円(同+470億円)、純利益440億円(同+440億円)とした。

《纐纈敏也@DAYS》

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