ランドローバー ディフェンダー 初代が復活へ…575馬力スーパーチャージャー搭載

オフロードスペシャリストのボウラー社

ラリー向け高張力鋼シャシーに575psのV8スーパーチャージャー

2015年に生産を終えた初代ディフェンダーが約6年ぶりに復活

ランドローバーとボウラー社の「CSP 575」プロジェクト
ランドローバーとボウラー社の「CSP 575」プロジェクト全 12 枚

ランドローバー(Land Rover)は11月4日、初代『ディフェンダー』の意匠権を使用した高性能モデルを生産する許可をボウラー社に与えた、と発表した。この高性能モデルは、2021年に限定生産される予定だ。

オフロードスペシャリストのボウラー社

ランドローバーが属するジャガー・ランドローバーは2019年12月、英国に本拠を置くオールテレーンパフォーマンスカー、パーツ、ラリーレイド車のメーカー、ボウラー(Bowler)社を買収した。ボウラーは、1985年に設立された。英国でオフロードコンペティションカーの生産を行い、国際ラリーレイドイベントで成功を収めてきた。ボウラーは、オールテレーン車両のダイナミクス、少量生産技術、過酷な条件下での部品の耐久性などに関して、豊富な専門知識を持つ。

ボウラーは創業以来、ランドローバーと密接な関係を築いてきた。ランドローバーは2012年、ブランドパートナーとしてボウラーを正式に承認し、2014~2016年にかけて、「ディフェンダーチャレンジbyボウラーラリーシリーズ」が開催された。

ジャガー・ランドローバーの「SVO」(スペシャル・ ビークル・オペレーションズ)は、急成長を遂げている事業だ。ジャガー車とランドローバー車をベースに、カスタマイズやパーソナライゼーションなどを手がける。このSVOに、ボウラーは組み込まれた。

現在、ジャガー・ランドローバーのSVOのエンジニアが、ボウラー車両の開発を支援しており、エンジニアリングの専門知識を活用して、SVOの施設でボウラー製品をテストしている。ボウラーの顧客は、すでにジャガー・ランドローバーの傘下に入ったことによる恩恵を受けているという。初代ランドローバー・ディフェンダー 110(2013年モデル)初代ランドローバー・ディフェンダー 110(2013年モデル)

ラリー向け高張力鋼シャシーに575psのV8スーパーチャージャー

このボウラー社に対してランドローバーは、初代ディフェンダーの意匠権を使用した高性能モデルを生産する許可を与えた。これにより、ボウラーは、初代『ディフェンダー110』のデザインをベースにした高性能モデルを開発することが可能になった。

初代ディフェンダー110のデザインをベースにした高性能モデルの開発プロジェクトは、「CSP 575」と命名された。これは、ボウラー独自のラリー向け「CSP」高張力鋼シャシーに、ジャガー・ランドローバーの最大出力575psのV型8気筒ガソリンスーパーチャージャーエンジンを組み合わせていることを意味している。

CSP 575プロジェクトは、初代ディフェンダー110の5ドアワゴンボディに、ジャガー・ランドローバーの575psスーパーチャージドV8を載せた公道走行可能モデルになる。このプロジェクトは、ボウラーの過去、現在、未来の計画の基盤となるモータースポーツ活動を補完するものになるという。初代ランドローバー・ディフェンダー 110(2013年モデル)初代ランドローバー・ディフェンダー 110(2013年モデル)

2015年に生産を終えた初代ディフェンダーが約6年ぶりに復活

ランドローバーは、CSP 575プロジェクトのレンダリングイメージを公開した。詳細は2021年の初めに明らかにされる予定だ。古典的な初代ディフェンダー110のボディをベースにしながら、強力なパフォーマンスを備えたオフローダーに仕上げられる。

CSP 575プロジェクトは、英国ダービーシャーのボウラーの本社において、2021年から少量が限定生産される予定だ。英国での参考価格は約20万ポンド(約2775万円)と公表された。ランドローバーは2015年、初代ディフェンダーの生産を終了しており、同車の復活はおよそ6年ぶりとなる。

初代ディフェンダーをベースにした車両を生産するライセンスをボウラーに付与するというランドローバーの決定は、両社の関係の自然な発展になるという。CSP 575プロジェクトは、ランドローバーのSVO製品を支える技術、コンポーネント、エンジニアリングの卓越性を、ボウラーのモータースポーツのノウハウと経験に統合するというユニークな取り組みを表すもの、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. トヨタ『ランドクルーザー250』発売、520万円から…特別仕様車も
  2. マツダ、新型3列シートSUV『CX-80』をついに世界初公開 日本導入時期は
  3. トヨタ ランドクルーザー250 をモデリスタがカスタム…都会派もアウトドア派も
  4. 日産はなぜ全固体電池にこだわるのか? 8月にも横浜工場でパイロットプラントを稼働
  5. 女性向けキャンピングカー「Nomad Lux」デビュー 5月3日初公開
  6. <新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”をちょっと触って、聴こえ方を変える!
  7. トヨタ堤工場、2週間生産停止の真相、『プリウス』後席ドア不具合で13万台超リコール[新聞ウォッチ]
  8. 一気に200馬力以上のパワーアップ!? アウディのスーパーワゴン『RS4アバント』後継モデルは電動化で進化する
  9. ピアッジオが創立140周年、記念してペスパの特別仕様を発売---140台限定
  10. アルファロメオ『ジュニア』がミラノ・デザインウィーク2024に登場
ランキングをもっと見る