BEENOS(本社・東京都品川区)は11月10日、2020年の越境ECの消費動向を振り返る意味で「越境EC世界ヒットランキング2020」を発表した。やはり、アニメやゲームが強かったが、自動車パーツも人気だった。
越境ECについては、詳しく説明するまでもないが、インターネット通販サイトを通じた国際的な電子商取引のことで、新型コロナウイルスの影響もあって急激に市場が膨らんでいるという。例えば、世界の越境EC市場規模は2014年に2330億ドルだったものが19年には9940億ドルに増加しているという具合だ。
その越境EC事業を12年以上にわたり展開してきたのがBEENOSグループだ。1999年にサイバーエージェントの関連会社として設立された同社(当時の社名はネットプライス)は、翌年に日本初のインターネット上の共同購入システムギャザリングや携帯電話を使ったモバイルコマース「ちびギャザ」を開始した。
その後、越境EC関連サービスの「転送コム」や「Buyee(バイイー)」を展開し、今では両サービス合わせて2200以上の国内ECサイトの海外販売をサポート。国境を越えた商取引の障壁となる「言語」「決済」「物流」の問題を解消するとともに、海外発送のオペレーションやグローバルなカスタマーサービスなども行っている。
「From Japan」の越境EC世界ヒットランキング「越境ECの分野は世界的に見て非常に伸びている。しかし、日本の越境ECに対する対応というのは遅れている。それだけにまだまだ伸びしろがあると思う。そこで今回、このようなランキングを発表することで、日本のみなさんが世界に向けてECを使って挑戦しようという人が一人でも増えればいいと考えた」と直井聖太社長は説明する。
さて、その世界ヒットランキングだが、「From Japan」(日本から海外)と「To Japan」(海外から日本)に分けられ、地域別になっている。というのも、地域によってECの傾向が違うからだ。
「To Japan」の越境EC世界ヒットランキング例えばFrom Japanでは、おもちゃ・ゲームがヨーロッパ、アメリカ、東アジア、東南アジアで1位になっているが、南アジアは自動車・オートバイのパーツが1位を占めている。また、2位以下になると、それぞれの地域によって違いが出ており、自動車バーツは東南アジア3位、ヨーロッパ4位、アメリカ4位だが、東アジアでは5位以内に入っていない。
そして伸長率では、欧州のトップ3が音楽、おもちゃ・ゲーム、ファッション。アメリカがおもちゃ・ゲーム、ファッション、音楽。東アジアが音楽、ファッション、ベビー用品。東南アジアが音楽、アクセサリー・時計、ファッション。南アジアが住まい・インテリア、家電・AV・カメラ、ホビー・カルチャーとなっている。
ドイツから日本への人気商品一方、To Japanでは、自動車とオートバイのパーツが圧倒的に強く、イギリスからは1位クルマのパーツ、3位がバイクのパーツで、ドイツからも1位がクルマのパーツ、4位がバイクのパーツとなっており、アメリカからも1位がクルマのパーツやアクセサリーとなっている。
また伸長率のトップ3は、イギリスからがペット用品、DVD・ビデオ、コンピュータ。ドイツからが映画・DVD、パソコン・ビデオゲーム、コイン。アメリカからがDVD・ビデオ、占いグッズ、コイン・紙幣。そしてカナダからが陶器・ガラス、家電製品、日用品・ガーデニングとなっている。
アメリカから日本への人気商品「世界的に見れば、越境ECが当たり前の時代になっている。2020年は第3次越境ブームで、アメリカ、ヨーロッパ、ASEANで越境ECが広がっていき、爆買いの舞台はリアルからオンラインへ移行していく」と直井社長は話し、「当社のプラットフォームを利用してもらえれば、低コストで越境ECに参入できる」と強調する。海外に新規顧客を求めている業者は、同社のサービスを利用するのも1つの手かも知れない。