【アウディ e-tronスポーツバック 新型試乗】アウディとEVとの親和性の高さを実感…島崎七生人

アウディe-tronスポーツバック(55 quattro 1st edition)
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『e-tron』の名の初出は2009年9月のフランクフルトショー。『R8』風のボディに4つのモーターを載せた「電気のクワトロ」というべきショーモデルだった。

それから(日本市場では)11年、Qラインのスポーツバックの姿カタチで量産車として登場してきたのが、この『e-tronスポーツバック』である。

Qシリーズ、メルセデスEQCとのサイズを比較

アウディe-tronスポーツバック(55 quattro 1st edition)
ボディサイズは『Q5』と『Q7』の中間といったところ。とくに全幅は35mmピッチ(?)でまさに中間で、ホイールベースは2930mmだから、数値的にはやや『Q7』寄り。実車はスポーツバックのシルエットこそ“やさしい”が、しっかりとしたグリルをもつマスクは立体造形で仕立てられていることもあり、なかなかの迫力。

参考までにメルセデスベンツ『EQC』と比較すると、『e-tronスポーツバック』は全長で+130mm、ホイールベースで+55mmそれぞれ長く、全幅(+10mm)、全高(ー10mm)は大差ないものの、あちらがツルンとなめらかなスタイリングのせいか、『e-tronスポーツバック』のほうが遥かにガッシリとした印象に映る。スペック表上の車両重量も『e-tronスポーツバック』のほうが+60kg(先方がAMGライン装着車の場合は+40kg)ほど重量級だ。

アウディe-tronスポーツバック(55 quattro 1st edition)
フロントフェンダー左右側面に給電口が設けられているが、リッドはパカッとヒンジ式で開くのではなく、スルル…と下がって開く仕組み。サンダーバード世代あたりにササりそうな(!?)憎い演出である。

バーチャルエクステリアミラーに工夫

アウディe-tronスポーツバック(55 quattro 1st edition)
インテリアは最新アウディ車の様式に則ったもので、インパネは横/縦/斜めに直線を多用したデザイン。正面のメーターや情報を表示する12.3インチディスプレイのほかに、中央には上段10.1インチ、下段8.6インチのタッチスクリーンを装備。その下には数少ない物理スイッチ(ハザード、ドライブセレクト選択ボタンなど)が並ぶ。ユニークなのはシフトのセレクターで、平たいパームレストに掌を置き、横のスイッチを親指でスライド&プッシュさせることで操作が実行できる仕組みだ。

アウディe-tronスポーツバック(55 quattro 1st edition)
それと試乗車はオプションのバーチャルエクステリアミラー付きだったが、物理ミラー風に画面の形がトリミングされているなど涙ぐましい(!?)工夫により、慣れれば見やすそうだ。画面の描写はまずまず精細で、アングル調整はタブレット端末風に指で直接画面を動かして行う。ただしカメラが首を振っている訳ではないので、画面の視野を上下左右に移動させることで調整を行う。

メイン部分の表皮がアルカンターラのシートは、きちっとした着座感、後席は床(センタートンネルは低い)から座面までの高さがありクッションは硬めで、背もたれは起こし気味のポジションながら、頭上がしっかりと余裕があり、窓が大きく、居住性はいい。

アウディとEVとの親和性の高さを実感

アウディe-tronスポーツバック(55 quattro 1st edition)
走らせた印象は、実に快適だった。アダプティブエアサスペンションの乗り味は上級サルーンのようで、しっとりとした乗り味とスウッと切り込むハンドリングとを両立させたもので、それはより“しっとりの度合い”が高く感じる『EQC』とのキャラクターの違いを実感する。

最大のブーストモードで300kW/664Nmの性能を発揮する前後2基のモーターは、まさに新時代のクワトロ(電気4WD)という訳だが、パワーマネージメントにかけては通常走行ではまったく自然でスムースなもの。少し時間をかけて付き合ってみたいところだが、内燃機関ではないから退屈では?といったことはまったくなく、意のままの走りを楽しませてくれる点も注目だ。アウディとEVとの親和性の高さも実感する。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

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