確定申告、ウーバーイーツ配達員は申告漏れに注意…収入別 4つのケース

【確定申告】Uber Eats配達員は申告漏れに要注意 「所得税」「住民税」申告義務の有無を「収入別の4つのケース」で解説
【確定申告】Uber Eats配達員は申告漏れに要注意 「所得税」「住民税」申告義務の有無を「収入別の4つのケース」で解説全 1 枚

ここ半年、Uber Eatsの配達員を町中でよく見かけるようになりました。


今年になってUber Eatsの配達員を始めた人も多いのではないでしょうか。

Uber Eatsの配達によって得た収入が一定以上あれば、確定申告を行う必要があります。

今回は、配達員をいくつかの属性に分けて、それぞれの確定申告義務を解説していきます。

Uber Eats配達員は申告漏れに要注意

確定申告義務


個別の確定申告義務を見る前に、所得税の確定申告義務と住民税の申告義務について簡単に紹介します。

所得税の確定申告義務


所得税法では、その年分の所得金額(収入から経費等を引いたもの)が所得控除の金額を上回るときは確定申告の義務があるとしています(所得税法120条1項)。

所得税法120条1項の規定の例外として、その年の給与収入が2,000万円以下の次の者は確定申告書の提出を要しません(今回紹介するケースに該当するもののみ抜粋)。

・ 1社から源泉徴収後の給与の支払いを受け、かつ給与所得以外の所得の合計額が20万円以下であるとき(所得税法121条1項1号)

・ 公的年金等の収入額が400万円以下で、その年金等について源泉徴収がされ、かつその年金所得以外の所得の合計額が20万円以下であるとき(所得税法121条3項)


住民税の申告義務


地方税法では、個人は申告書をその住所所在地の市町村長に提出する必要があるとしていますが(道府県民税は地方税法45条の2第1項、市町村民税は地方税法317条の2第1項)、その年に給与収入または年金収入しかない者はその提出義務がありません

しかしながら、所得税法であったような「給与所得以外の所得の合計額が20万円以下であるとき」という免除規定が地方税法にはないので、所得税の確定申告義務はなくても住民税の申告義務はあるというケースも存在します。

以上の内容を踏まえて、働き方の違う4例をあげて確定申告義務の有無について確認します。

専業者:35歳男性


去年から引き続き無職で今年になってUber Eatsの配達員を開始

今年の収入はUber Eatsの配達によって得た収入のみ

専業者:(確定)申告義務の有無


専業の場合、Uber Eatsの配達収入から経費を引いた金額が各種の所得控除額の合計額を下回るときには、所得税の確定申告義務も住民税の申告義務もありません

たとえば、Uber Japan社から得た収入が年43万円、配達で使う自転車の修理代が1万円だとすると、所得金額である42万円は

所得税の基礎控除額(48万円)を下回る

住民税の基礎控除額(43万円)も下回る


そのため、所得税の確定申告義務も住民税の申告義務もありません。

副業:45歳男性


去年から引き続き会社員で、今年になって副業としてUber Eatsの配達員を開始

今年の収入は会社員としての給与とUber Eatsの配達によって得た収入

副業会社員:(確定)申告義務の有無


副業会社員の場合、Uber Eatsの配達収入から経費を引いた金額が20万円以下であるときには、所得税の確定申告義務はありません

一方で、配達収入が経費を下回らない限り、住民税の申告義務はあります

たとえば、Uber Japan社から得た収入が年21万円、配達で使う自転車の修理代が1万円だとすると、所得税の確定申告義務はありませんが、住民税の申告はする必要があります。

A氏~D氏の(確定)申告義務の有無

学生:20歳女性


去年から引き続き学生で、今年3月にアルバイト先の飲食店が廃業したためにUber Eatsの配達員を開始

今年の収入は親からの仕送り、アルバイトで得た給与、およびUber Eatsの配達によって得た収入

学生:(確定)申告義務の有無


学生は副業会社員と同じく、Uber Eatsの配達収入から経費を引いた金額が20万円以下であるときには所得税の確定申告義務はありませんが、配達収入が経費を下回らない限り住民税の申告義務はあります

なお、Uber Eatsで得た所得が10万円を超えると勤労所得控除の適用を受けられなくなるのでご留意ください。

年金生活:75歳男性


去年から引き続き無職で、今年になってUber Eatsの配達員を開始

今年の収入は年金とUber Eatsの配達によって得た収入

年金生活者:(確定)申告義務の有無


副業会社員と同じく、Uber Eatsの配達収入から経費を引いた金額が20万円以下であるときは所得税の確定申告義務はありませんが、配達収入が経費を下回らない限り住民税の申告義務はあります

今年から配達員を始めた方は要注意


今年からUber Eatsの配達員を始めた方は多いと思います。

知らずに無申告とならないように、ご自身の確定申告義務の有無をお確かめください。(執筆者:安藤 正三)

【確定申告】Uber Eats配達員は申告漏れに要注意 「所得税」「住民税」申告義務の有無を「収入別の4つのケース」で解説

《安藤 正三》

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