メルセデスベンツの新型EV、Sクラス と GLA に相当…プロトタイプが開発テスト[動画]

モジュラー設計の電動アーキテクチャーは幅広い車種に適用可能

新型SクラスのEV版のEQSは航続700km

日本の道路も再現されたドイツのテストコース

メルセデスベンツ EQA と EQS のプロトタイプ
メルセデスベンツ EQA と EQS のプロトタイプ全 9 枚

メルセデスベンツは11月15日、現在開発を進めている新型EVの『EQA』(Mercedes-Benz EQA)と『EQS』(Mercedes-Benz EQS)のプロトタイプの開発テスト映像を公開した。

モジュラー設計の電動アーキテクチャーは幅広い車種に適用可能

「EQ」は、メルセデスベンツが立ち上げた電動車に特化したサブブランドだ。EQブランドの最初の市販車として登場したEVがSUVの『EQC』。第2弾はミニバンの『Vクラス』ベースの『EQV』だった。

EQCとEQVに続いて、現在開発を進めている新型EVが、EQAとEQSだ。EQAは小型SUVの『GLA』新型に相当するEVで、EQSはフラッグシップサルーンの『Sクラス』新型に相当するEVとなる。

メルセデスベンツの新しい電動アーキテクチャーは、モジュラー設計となっており、モデルシリーズ全体に適用できる。ラグジュアリーカーおよびエグゼクティブカーセグメントはもちろん、ホイールベースやトレッド、システムコンポーネント、バッテリー容量を変えることにより、小型サルーンから大型SUVまで、メルセデスベンツの幅広いクラスにEVを展開することが可能になるという。

新型SクラスのEV版のEQSは航続700km

EQSはコンセプトカーの『ヴィジョンEQS』の市販バージョンとなる大型EVサルーンで、新型SクラスのEVバージョンに位置付けられる。EQSは、ラグジュアリーカーおよびエグゼクティブセグメントのEVに、メルセデスベンツの新しい電動アーキテクチャーを採用した最初のモデルだ。EQSの欧州発売は、2021年を予定している。

EQSによって、ラグジュアリーセグメントの顧客は、スペースとデザインに関して、フル電動アーキテクチャーのすべての利点を充分に活用できるという。例えば、1回の充電での航続は最大700km(WLTP計測)となり、EQSはこの点でも、Sクラスセグメントのサルーンのニーズを満たしている。

EQSには、「MBUX(メルセデスベンツユーザーエクスペリエンス)」に代表されるコントロールと表示システムをはじめ、先進運転支援システム(ADAS)など、メルセデスベンツの最新技術が導入される予定。

2020年9月に開業したドイツ・ジンデルフィンゲンの新しい「ファクトリー56」において、新型Sクラスとともに生産される予定だ。ファクトリー56は近代的な生産施設で、革新的な技術とプロセスを導入するのが特長になる。メルセデスベンツによると、ファクトリー56はCO2ニュートラルで、高い生産品質を実現するために、必要なすべてのテクノロジーを備えているという。

日本の道路も再現されたドイツのテストコース

両EVは現在、ドイツ・インメンディンゲンのテスト&テクノロジーセンターを拠点に、最終テストに取り組んでいる。インメンディンゲンでは、米国や日本の道路をはじめ、ベルギーの石畳やスペインのワインディングロードなどが再現されており、テストコースの全長は68kmに達する。メルセデスベンツは近い将来、全世界のプロトタイプのテストの半分以上を、インメンディンゲンで行う計画だ。

EQAのプロトタイプのテストでは、エンジニアがバッテリーや暖房、寒冷時の充電に、とくに注意を払う。また、氷雪路での安全性、牽引力、エネルギー回収なども確認。浅い水路を走行し、すべての高電圧コンポーネントが防水密閉されていることも確認した。タイヤのグリップなど、濡れた路面での安全性も重視された。

EQSのプロトタイプの開発テストでは、電動パワートレインとバッテリーに特別な注意が払われている。最も厳しいメルセデスベンツの基準に従って、テストと認証を行う。開発テストの延べ走行距離は、すでに200万kmを超えた。凹凸した路面におけるインテリアの快適性や充電ステーションでの充電性能も確認されている。

《森脇稔》

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