フェラーリ 488 にサーキット専用車、「モディフィカータ」発表[動画]

フェラーリ 488 GT モディフィカータ
フェラーリ 488 GT モディフィカータ全 7 枚

フェラーリは11月25日、サーキット専用車の『488GTモディフィカータ』(Ferrari 488 GT Modificata)を発表した。

同車は、レーシングカーの『488GT3』や『488GTE』向けに開発したテクノロジーが投入された限定モデルだ。技術的な制約やレースのレギュレーションをクリアしているため、そのポテンシャルを最大限に発揮できるという。488GTモディフィカータは、「フェラーリ・クラブ・コンペティツィオーニGT」などのイベント向けに開発したサーキット専用車となる。

モデル名の「モディフィカータ」はフェラーリの用語で、性能を進化させるべく設計されたことを意味する。488GTモディフィカータは、レーシングカーの488GT3や488GTEの持つ性能を、最大限に引き上げている。フェラーリによると、パワートレイン関連を中心とした新技術が、FIA(国際自動車連盟)の「バランス・オブ・パフォーマンス(BOP)」によって、制限されなくなったことが大きいという。

V8ツインターボは最大出力700hp

V型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、高度な研究を行った結果、特定のコンポーネントを特殊設計した。さらに、レース用エンジンに採用している素材も共有されている。革新的なコンポーネントや高い性能を引き出すマッピングを採用したことにより、このエンジンは最大出力700hpを獲得した。エンジンの出力とトルクが増大したことから、ギアレシオの異なるギアボックスとカーボンファイバー製のクラッチが採用されている。

488GTモディフィカータは、世界耐久選手権に参戦する488GTEと、GTレースで活躍中の488GT3の完全なる融合体になるという。両車は、フェラーリ史上、最も大きな成功を収めたモデルのひとつだ。例えば、488GT3の場合、350回以上の勝利、630回以上の表彰台獲得、FIA世界耐久選手権におけるドライバーズ、チーム、マニュファクチャラーのタイトル獲得といった結果を残した。488GTEも、ルマン 24 時間耐久レースやプチ・ルマンで優勝している。

ドイツ・ニュルブルクリンク北コースで集中的な開発作業を進めた結果、488GTモディフィカータは、大きなダウンフォースを発生するエアロダイナミクス性能を獲得した。圧力の中心が前方にシフトしており、全体の空気抵抗を大きくすることなく、フロントでより大きなダウンフォースを発生させるようにした。これによって効率が高まり、リアウイングの角度変化に対する反応がより敏感になっているという。

230km/hで1000kgを超えるダウンフォースを発生

アルミ製のルーフとアップライトを除き、ボディは488GTEと同様、全体的にカーボンが用いられた。これは、速度が230km/hの時、1000kgを超えるダウンフォースを発生させることに貢献している。

488GT モディフィカータの車両ダイナミクスを開発するにあたり、エンジニアは488GTEのサスペンションを流用することにした。ブレーキシステムは、ブレンボとのパートナーシップの下で開発された。世界選手権の参戦車両に採用されている低残留トルクのキャリパーと、『488GT3 Evo』の 2020年モデルのABSシステムを、専用セッティングを施して搭載している。これらがもたらす相乗効果により、ハンドリング性能を高めたほか、フェード現象を抑えたパワフルで安定性の高いブレーキングも実現しているという。

488GTモディフィカータの標準装備には、「V-Box」収集システムが含まれ、これはボッシュのテレメトリーデータ収集システムと組み合わされている。この拡張可能なシステムでは、データをUSBメモリーに直接ダウンロードできる。高精細度のリアビューカメラ、セカンドシート、タイヤの温度と空気圧を測定する「TPMSシステム」なども標準装備される。他のすべてのフェラーリ車と同様、エクステリアとインテリアには、さまざまなカスタムオプションが用意されている。

「クラブ・コンペティツィオーニGT」のイベントに参加が認められる予定

限定生産のこのモデルはまず、「コンペティツィオーニGT」にフェラーリで参戦したドライバー、またはフェラーリ・クラブ・コンペティツィオーニGTに参戦したドライバーに販売される。

488GTモディフィカータは、フェラーリのサーキット活動の中でも主な位置を占めつつあるクラブ・コンペティツィオーニGTのイベントに参加が認められる予定だ。クラブ・コンペティツィオーニGTの目的は、『F40 Competizione』から最新の488 GT3、488 GTEまで、フェラーリのツーリングカーレースの歴史に残る重要で大きな成功を収めた車両をサーキットに復活させることにあるという。

2021年、顧客は車両のハンドリングと動的性能を引き出すことができるバージニア・インターナショナル・レースウェイ、モンツァ、ワトキンズ・グレン、鈴鹿、ニュルブルクリンクの各サーキットでの5戦と、「フィナーリ・モンディアーリ」に参戦できる、としている。

《森脇稔》

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