【SUPER GT 最終戦】RAYBRIG NSX-GTが残り数百メートルで逆転優勝、チャンピオンを獲得

GT500クラス優勝、シリーズチャンピオンの#100 RAYBRIG NSX-GT
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SUPER GT最終戦(第8戦)の決勝レースが29日、富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)が優勝、GT300クラスは#56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が2位でチャンピオンを獲得した。

最終戦まで10チームのドライバーがタイトル獲得の可能性を持ったまま迎えたGT500クラスは、予選から激しい戦いが繰り広げられ、決勝レース当日も緊張した空気が漂っていた。66周の予定だった決勝レースは、隊列が整わなかったとの理由でフォーメーションラップが予定の2周より1周増やされたため、65周の周回で争われることになった。

スタートで大きな順位変動はなかったが、6番手スタートの#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が1コーナーで#64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)を抜くと、直後に#38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)をも抜いて4位に浮上。さらにはダンロップコーナーで前を行く3台を一気に抜いてトップに浮上した。そのまま後続を引き離し、2周目には約2秒もの差を築いていた。

ところがここからペースが伸びず、5周目にはポールポジションからスタートした#37 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/山下健太)に追いつかれると、翌周に逆転。ここから徐々に順位を下げてしまった。

トップに返り咲いた#37 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/山下健太)は、22周目には2位#36 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)との差を18秒まで広げて、独走状態に持ち込んだところでピットストップのタイミングが巡ってきた。

ルール上、2人のドライバーはそれぞれレースの1/3以上の距離をドライブしなければいけないため、ピットストップを1回で済ませるためには1/3から2/3の周回数の間にドライバー交代を行わなければならない。今回は65周のレースのため、22周目終わりから43周目終わりまでがそのタイミングとなる。今シーズンはセフティーカーが入る前にピットストップを済ませたチームが大きく順位を上げるケースが多かったため、少しでも早くピットストップを済ませようと、22周終了時点から続々とピットインが始まり、27周目にはすべてのチームがドライバー交代を済ませた。

この時、5位を走行していた#14 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔)は22周目にピットストップを行いタイヤ無交換作戦を敢行。翌周、トップの#37 KeePer TOM'S GR Supraがピットストップを行い、タイヤ交換も行ってコースに戻ると#14 WAKO'S 4CR GR Supraが一気に背後に迫りオーバーテイクを決めた。しかしタイヤが温まると#37 KeePer TOM'S GR Supraのペースが上がり、27周目には#14 WAKO'S 4CR GR Supraをオーバーテイク。再びトップに返り咲いた。

7番手スタートから3位まで順位を上げていた#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)と4位の#36 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)は、30周目に#14 WAKO'S 4CR GR Supraに追いつき三つ巴の2位争いとなった。

まずは#36 au TOM'S GR Supraが#100 RAYBRIG NSX-GTをストレートで抜き、31周目の1コーナーで#14 WAKO'S 4CR GR Supraに襲いかかった。2台が絡み合うように1コーナーをたちががる中、そのすきを突いて#100 RAYBRIG NSX-GTが一気に2台抜きで2位に浮上。続いて#14 WAKO'S 4CR GR Supraを抜いた#36 au TOM'S GR Supraと、ここから激しい2位争いが始まった。

しかし40周を過ぎた辺りから#100 RAYBRIG NSX-GTがスパート、#36 au TOM'S GR Supraを置き去りにし、16秒先を走るトップの#37 KeePer TOM'S GR Supraを追い始めた。1周1秒以上速いペースで走る#100 RAYBRIG NSX-GTはどんどん差を詰め、48周目には、その差は5秒を切ってきた。残り7周、充分追いつく計算だ。しかし#37 KeePer TOM'S GR Supraもペースを上げ、ここからはなかなか差が縮まらない。そして2.7秒の差を残してファイナルラップに突入した。

充分な差を保ったまま最終コーナーを立ち上がる#37 KeePer TOM'S GR Supra。誰もが優勝、そしてチャンピオン獲得を確信した瞬間だった。ところが#37 KeePer TOM'S GR Supraは加速しない。ガス欠だ。残り数百メートル、レーシング速度で走る#100 RAYBRIG NSX-GTはスロー走行する#37 KeePer TOM'S GR Supraを抜き去りトップチェッカー。今季初優勝を決めるとともに、2020年シーズンのドライバー、チームともにチャンピオンを獲得した。山本は2018年に続き2度目、牧野はフル参戦2シーズン目での初タイトルとなった。

2位はスローダウンしながらも何とかゴールラインまで走ることができた#37 KeePer TOM'S GR Supra。これによりチームとレギュラードライバーの平川はランキング2位でシーズンを終えた。3位は#36 au TOM'S GR Supra。以下、#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)、#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)、#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)と続いた。

GT300クラスは7チームのドライバーがチャンピオン獲得の可能性を持って最終戦を迎えた。

レース序盤はポールポジションの#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)と2番手スタートの#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)によるトップ争いが繰り広げられたが、ピットストップで#61 SUBARU BRZ R&D SPORTが後退。#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTは後続に大きな差をつけて、その座を脅かされることなく独走で優勝した。

注目されたのはチャンピオン争い。ランキングトップの#56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は50周目、4位を走行しており、5ポイント差の#65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)が2位を走行していた。このままゴールすると、#65 LEON PYRAMID AMGが66ポイント、#56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが64ポイントで#65 LEON PYRAMID AMGがチャンピオンとなる。

しかし53周目、#56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが3位に浮上し、これでランキングが逆転。さらには直接の対決相手#65 LEON PYRAMID AMGを54周目に抜いて2位浮上。堂々の走りで見事ドライバー、チームともにチャンピオンに輝いた。近藤監督が不在の中での厳しい戦いだったが、見事チームに初タイトルをもたらした。

■SUPER GT 第8戦富士 決勝レース結果GT500クラス(トップ10)
1. #100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)
2. #37 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/山下健太)
3. #36 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)
4. #17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)
5. #8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)
6. #3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)
7. #12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)
8. #38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)
9. #23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
10. #19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)

■SUPER GT 第8戦富士 決勝レース結果GT300クラス(トップ10)
1. #52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)
2. #56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)
3. #6 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗)
4. #65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)
5. #9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3(藤井誠暢/篠原拓朗)
6. #10 TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R(星野一樹/石川京侍)
7. #55 ARTA NSX GT3(大湯都史樹/松下信治)
8. #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
9. #60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/河野駿佑)
10. #31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)

《藤木充啓》

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