【三菱 エクリプスクロス 改良新型】ターマックモード・V2H・最低地上高などPHEVだけの特徴

新型エクリプスクロスPHEV
新型エクリプスクロスPHEV全 12 枚

4日に発売が発表された三菱『エクリプスクロスPHEV』は、充電ができ普段はEV走行ができるといったPHEV共通のメリット以外に、ガソリン車モデルにはないPHEV版ならではの特徴がいくつかある。

【画像全12枚】

ACアウトレットでワーケーション

ACアウトレットは、他車PHEV・PHVでも装備している。エクリプスクロスPHEVも1500W(AC100V)のアウトレットがつく(Mグレードはオプション)が、ガソリン車モデルには当然ついていない。そもそもガソリン車のバッテリーでAC100の出力を得るならインバーターが必要で、容量も100Wから200Wがほぼ限界だ。1500Wあれば、大型ドライヤーや電子レンジ、電気ストーブなど1000から1500Wクラス(10~15A)の家電をつなぐことができる。

エクリプスクロスは都市型SUVというよりクロスカントリーSUVに分類される。『アウトランダー』より、オフロードやアウトドア利用を意識したモデルだ。1500Wのアウトレットはキャンプで利用価値が高い。PHEVの強みは、キャンプで電気を使っても帰りはガソリンで走行すれば問題ないことだ(平均的なEVでも一晩くらいのヒーターで電欠することはないが)。キャンプ以外でも、自宅の庭でブロワーや草刈り機を動かす人もいるそうだ。流行りのワーケーションも大型のSUVなら快適に仕事ができるだろう。

PHEVシステムは、アウトランダーのそれを踏襲し、エクリプスクロスPHEVは、V2Hにも対応する。エクリプスクロスPHEVは300V13.8kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載される。電費はWLTCモードで213Wh/kmなので、計算上は64.8kmくらい走行可能だ。平均的な家庭の1日の電力使用量が10kWh前後だとすると、ほぼ1日分の電力は賄えることになる。三菱自動車のサイトでは、ガソリンを満タンにして充電を繰り返せば10日分の電力を供給できるという。なおガソリンエンジンで充電するときは、V2Hを切り離す必要がある。

車載ACアウトレットは1500Wなので電子レンジをつなぐと、他の家電を動かすことはほぼ無理だが、V2Hなら災害時も普通の生活が維持できる。

ガソリンモデルよりロードクリアランスが高い

カタログをよく見ると、最低地上高がガソリン車とPHEVで違うことに気づく。ガソリン車の最低地上高は175mmだがPHEVは185mmになっている。PHEVのほうが10mmほど高い。SUVやクロカン4WDではしばしば走破性の指標にもなるロードクリアランスがPHEVのほうがよい。

本来バッテリーを搭載しなければならないPHEVは最低地上高が低くなってもおかしくない。全高はガソリンモデルもPHEVも同じ1685mmなのに、なぜPHEVは10mm高いのだろうか。

メーカーによれば、ガソリンモデルはフロントのアンダーガードガーニッシュに整流フィンがつているため、ディメンションは同じだが最低地上高が変わってしまっているとのことだ。PHEVもフロントバンパーの下部に、アンダーガードから伸びるガーニッシュが装備されているが、底面はフラットになっている。10mmの違いだが、ちょっとした違いで、岩などがガーニッシュにあたるかどうか変わってくる。

ワインディング走行にはターマックモード

エクリプスクロスは、モデルチェンジ前からS-AWCによる4輪の駆動配分やブレーキなどの細かい制御に定評がある。フルタイムの4WD制御のモードは、ノーマル、ノーマル(ウェット)、スノー、グラベルと路面状況ごとに細かい設定が可能だ。新しいモデルでもこれらの機能は引き継がれているが、PHEVのみタ―マックモードが追加されている。

想定される路面はドライの舗装でかつワインディングロードだ。S-AWCは『ギャランVR-4』や『ランサーエボリューション』のグループAラリーカーに投入された、4WDシステムのためのAYC(アクティブヨーコントロール)、ASC(アクティブスタビリティコントロール)、ABSを統合制御する機構だ。前後トルクや4輪のブレーキを走行状態や路面に合わせて細かく制御することで、安定したコーナリングや加速・減速性能を得るものだ。

PHEVのタ―マックモードは、ガソリンモデルならノーマルドライブモードがカバーしている領域だ。よりアクティブなユーザーを想定しているエクリプスクロスでは、PHEVのモータートルクを楽しんでもらうため、モーターの応答性能を高めている。サスペンションも手を入れているという。

フィーリングとしては、舗装ワインディングでのターンインの応答性が速くなり、そのまま曲がっていく感覚だ。コーナー出口ではアクセル操作にリニアに反応する立ち上がりを体感できるそうだ。電動車ならでは低重心安定性と静粛性は、ガソリン車から乗り換えると「吸い込まれるようなコーナリング」に感じる。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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