キャデラックの高性能車「ブラックウィング」、6速MTが標準に…2021年夏米国発売へ

ベース車両の320hpと355hpを上回るパワーを追求

最大出力649hpの CTS-Vよりもサーキットで速い

新開発のパフォーマンス・ステアリングホイール

CT4-VはセグメントでMTを装備する唯一のセダンに

キャデラックの高性能車「ブラックウィング」の6速MT
キャデラックの高性能車「ブラックウィング」の6速MT全 36 枚

キャデラック(Cadillac)は12月10日、最新「Vシリーズ」の『CT4-V』、『CT5-V』のさらなる高性能モデルとして開発中の「ブラックウィング」に、3Dプリントされた部品を使った6速MTを標準装備すると発表した。2021年夏、米国市場で発売される予定だ。

Vシリーズは、「キャデラックレーシング」の血統を受け継ぐスーパースポーツセダンだ。モータースポーツに参戦しているキャデラックは、FIA(国際自動車連盟)のGT3クラスを主戦場とし、2004年からの11年間に5度のマニュファクチャラーチャンピオンシップを獲得している。

そんなキャデラックレーシングの技術と、歴戦の中で培ってきたノウハウを注いで開発されたのが、Vシリーズだ。世界中のライバルを凌駕するパワーと運動性能、研ぎ澄まされたデザインとテクノロジーなどを追求している。Vシリーズは2004年、米国で発表された。2009年の第2世代から、日本国内にも導入されている。このVシリーズの最新作として、2019年春に米国で発表されたのが、CT4-VとCT5-Vだ。

ベース車両の320hpと355hpを上回るパワーを追求

CT4-Vは、キャデラックの新型スポーツセダン『CT4』の高性能バージョンだ。CT4-Vのパワートレインには、直噴2.7リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載する。このエンジンには、独自の3ステップスライディングカムシャフトを採用し、あらゆる速度域でパフォーマンスを発揮する。スペックは、最大出力が320hp/5600rpm、最大トルクが51kgm/1800rpmとなる。

一方、キャデラックの新ミドルセダン、『CT5』の高性能グレードとして設定されたのが、CT5-Vだ。CT5-Vのパワートレインは、直噴3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンで、最大出力は355hp/5600rpm、最大トルクは55.3kgm/2400~4400rpmを引き出す。

キャデラックは、このCT4-VとCT5-Vのさらなる高性能モデルとして、『CT4-Vブラックウィング』と『CT5-Vブラックウィング』を開発中だ。キャデラックによると、ブランドのパフォーマンスとドライバーエンゲージメントの頂点を表しているという。

Vシリーズのブラックウィングモデルは、特別に強化されたシャシーや車両制御技術、エンジンを備えている。エンジンのパワーは、CT4-Vの320hp、CT5-Vの355hpを上回るスペックが追求される。

最大出力649hpの CTS-Vよりもサーキットで速い

CT4-VブラックウィングとCT5-Vブラックウィングは現在、テストコースと全米の公道でテスト走行を行っている。 キャデラックによると、バージニアインターナショナルレースウェイでは、両車のラップタイムが従来型の『ATS-V』(最大出力470hp)と『CTS-V』(最大出力649hp)よりも、数秒速いという。

キャデラックは、ブラックウィングの名称を、最高のキャデラックパフォーマンスエンジニアリング、職人技、テクノロジーを搭載した車両に冠する。CT4-VブラックウィングとCT5-Vブラックウィングは、究極のパフォーマンスドライビングエクスペリエンスを持ち、ブランドの歴史に基づいて開発される。キャデラック史上、最もサーキットに対応できるキャデラックを生み出すことで、キャデラックの究極のパフォーマンスと職人技を象徴することを狙うという。

新開発のパフォーマンス・ステアリングホイール

キャデラックは、CT4-VブラックウィングとCT5-Vブラックウィングに、新開発のパフォーマンス・ステアリングホイールを採用する。このステアリングホイールは、レザーとカットソーによる縫製、12時の位置の赤いレーシングストライプ、カーボンファイバートリム、Vシリーズのエンブレムなどが特長だ。キャデラックのモータースポーツにおける栄光の歴史を、確実に反映したデザインという。

また、キャデラック独自の「Vモード」と「パフォーマンス・トラクション・マネジメントシステム」は、ステアリングホイールの左右のスイッチ操作で、アクセスできるようにした。

CT4-VはセグメントでMTを装備する唯一のセダンに

また、CT4-VブラックウィングとCT5-Vブラックウィングには、3Dプリントされた部品を使った6速MTを標準装備する。マニュアルトランスミッションは、ほとんどのプレミアムブランドが設定しなくなった装備だが、多くのパフォーマンスドライビングファンからの強い要望を受けて、ブラックウィングに標準装備する。

この6速MTのシフトレバーには、3Dプリントされたメダリオンが装着される。キャデラックの開発チームは、積層造形を活用することで、マニュアルトランスミッションを開発する際のコストと無駄を削減することができたという。

CT4-VブラックウィングとCT5-Vブラックウィングには、6速MTが標準装備され、オプションで10速ATが用意される。キャデラックによると、CT4-Vブラックウィングは、そのセグメントにおいて、マニュアルトランスミッションを装備する唯一のセダンになるという。この6速MTは、従来よりも静かで耐久性も引き上げている。

第4世代のVシリーズは、デザイン、テクノロジー、ドライビングダイナミクスを、さらに高めることを目指した。その上に位置するブラックウィングは、ブランドのモータースポーツの伝統に、ラグジュアリーさと快適さを組み合わせるという。

なお、CT4-VブラックウィングとCT5-Vブラックウィングは2021年夏、米国市場で発売される予定だ。

《森脇稔》

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