JR北海道・四国・貨物3社への支援継続へ…青函・本四の更新費用は実質、国負担に

本州の岡山県と四国の香川県を結んでいる瀬戸大橋こと本四連絡橋の鉄道部分。新たな支援策では、JR四国が負担しているこの更新費用を鉄道・運輸機構の負担とする。
本州の岡山県と四国の香川県を結んでいる瀬戸大橋こと本四連絡橋の鉄道部分。新たな支援策では、JR四国が負担しているこの更新費用を鉄道・運輸機構の負担とする。全 3 枚写真をすべて見る

国土交通省は12月25日、JR北海道、JR四国、JR貨物への経営支援を、2021年度以降も継続することを明らかにした。

3社に対しては、2011年度から「日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律」に基づく枠組みを活用し、助成金の交付などを行なってきたが、その期間は2020年度末までとされていた。

しかし、国は、各社の厳しい経営環境に鑑み、新たな支援を加えて継続する方針を決定。実施に必要な「国鉄清算事業団債務等処理法」の一部改正法案を、2021年1月に召集される通常国会に提出する方向で検討するとしている。

支援の具体的な内容については、各社の中期経営計画期間中における支援として、JR北海道に対しては2023年度までに1302億円、JR四国に対しては2025年度までに1025億円、JR貨物に対しては2023年度までに138億円を支援する。JR北海道とJR四国への支援期限は2030年度までと大幅に延ばされ、JR北海道にとっては北海道新幹線札幌延伸を、JR四国にとっては目指している2031年度の経営自立を見据えたものとなった。

また、新たな支援としては、JR北海道とJR四国に対して経営安定基金の下支えをすることによる運用益の安定的な確保、設備投資に必要な資金の出資、市中金融機関からの資金調達の際に発生する利子の補給、「Debt Equity Swap(デットエクイティスワップ)」(DES)と呼ばれる、債務の株式化による債務圧縮や資本増強を行なう。

JR北海道固有の支援としては、石北本線や釧網本線、宗谷本線など、輸送密度が200人以上2000人未満の8線区に対する設備投資などを支援するとともに、北海道新幹線や貨物列車が通過する青函トンネルの更新費用を、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)の負担とする。JR四国が負担している本四連絡橋(瀬戸大橋)鉄道部分の更新費用も鉄道・運輸機構が負担する。

JR貨物固有の支援としては、設備投資などに係る無利子貸付を行なう。

このほか、3社共通の支援として、登録免許税や不動産取得税を軽減するため、廃線などで発生した不要な土地を鉄道・運輸機構が引き取るとしている。

この支援継続決定に対し、3社はそれぞれ謝意を示すとともに、さらなる経営改善や事業基盤の強化などを図るとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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