【柴犬ハルの気になるクルマ】マツダ MX-30 のフリースタイルドアと愛犬の相性

マツダ MX-30 × ハル
マツダ MX-30 × ハル全 15 枚

もともと少し変わったクルマ好きの筆者だが、マツダ『MX-30』は登場時から気になっていた。ユニークなデザインと“癒し系”のキャラクターが、果たして実際の生活スタイルの中で使ってどれだけ“いいこと”を味わわせてくれるか興味があったからだ。

フリースタイルドアの使い勝手をチェック

何はともあれ、まずはフリースタイルドアの使い勝手のチェックから。この種のドアの常で、ドアの開け方は、前、そして後ろの順。かえって手間では? と思うかもしれないが、後ろ側のドアが小さくスッと開いてくれるし、人の立ち位置もそのままで前後とも開ける操作ができるから問題なしだ。最大で前82度、後ろ80度と大きく開いてくれるため、フルオープン状態の大開口は、さながら住宅メーカーがアピールしている、部屋と外がつながる大開口サッシの窓のような開放感だ。

当然、体重11.5kgのハルを抱きかかえての乗せ降ろしは、やりやすかった。Bピラーがないからそのままのアクセスも可能だし、運転席シートバック背面に備わるスイッチで前席の電動スライド&リクライニングの操作もでき、前席を前方に移動させることで余裕たっぷりのスペースができる。なので、通常であればハルの足先がどこかにぶつからないよう注意する必要があったりするが、MX-30の場合はそのまま楽にハルをシートの上に乗せられた。Bピラーがある普通のクルマのようにドアやピラーを“よける”所作が必要ない分、動作は非常にスムース。もちろん後席にはISO-FIXのフックがありこれを利用して固定する仕組みのペットキャリー、チャイルドシートなどの使用にも便利だ。

適度な室内空間が安心材料に

1点、リヤドアの上側のストライカーの突出部分は、現状だと慣れるまでは無造作に乗り降りしようとした際に頭と接触しないように注意する必要がある。対応策または希望として、ハウジング部分は内装材と同じ樹脂素材だが、このハウジング自体を黒セルスポンジやラバー素材にするか、またはそれらソフトな素材の型物でカバーを用意するかなどしたら、より安心感が高まると感じた。奇しくも同じ全高のBMW『i3』も同じ方式だが、ストライカー部の突出量がより小さく、位置も外から見て奥まっているため、あまり気にならない。ついでながら内装のピラーから天井にかけては、明るい色調のほうがこのクルマには合うようにも感じる。それとリヤゲートが電動開閉式のほうが(電気を食うかもしれないが)MX-30ほどのクルマであればやはり現代的だ。

ちなみにMX-30のフリースタイルドアの場合、フロンドドアのサイズが4ドア車並のコンパクトさ。なので2ドアの大きなドアに較べて狭い場所でも大きく開けられるのがいい。ハルの乗せ降ろしに限らず、通常の人の乗り降りでも利便性が高い。

なお後席はシート座面前後長はやや短めだが、ハルは愛用のボアマットとハーネス、シートベルト固定用ベルトを用いてシッカリと座らせられた。走行時はヒト2人(家内と筆者)は前席だが、室内空間の広さを謳うクルマではない分、前席から振り返った際の後席は手の届きやすい近さで、これならちょっとした世話などもでき、ドライブ時の安心材料になる。

シートヒーター、ステアリングヒーターも実に有効。オンにすると、ものの数秒で温かくなってくれるのがありがたい。

手頃なサイズの便利なクロスオーバー

『MX−30』自体の試乗記は「レスポンス」でも報告済みだが(参考記事)、走行距離がその時(2000km弱だった)より今回(5000km超)のほうが進んでいるせいか、サスペンション、タイヤの馴染みが感じられ、バウンジングのホッコリとした乗り味がより快適に感じられた。ハル(ペット)にはマストのGVCプラスも、より“裏方に徹している感”の自然な効き具合に印象が変わった。

今後発売となるEVの仕上がりぶりもおおいに気になるところ。だが冒頭の話に戻せばMX-30の他車(他のマツダ車も含む)とはちょっと違う、ミステリアスな佇まいは、スーパーの駐車場に停めても、控えめだが気を引く存在感があった。我が家は大人2人+ハル1頭の家族構成だが、2ドアクーペ感覚の手頃(とはいえ室内空間も乗り味も十分にゆったりしている)なサイズの便利なクロスオーバーカーとして、非常に魅力的な存在だと改めて実感した。

今回、試乗と撮影で数日間借り出し、高速、一般道、日常使いとごく普通の走行パターンをこなして(撮影時に寒さをしのぐために若干だけアイドリング状態の時間があった)、搭載するe-SKYACTIV Gの燃費は12.28km/リットルだった。

島崎七生人|AJAJ会員/日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員/モータージャーナリスト
編集制作会社にて雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとなり現在に。メインはクルマだが、オーディオ(機器と音楽、カーオーディオも)、カメラ、バッグ、文房具、時計など、身のまわりの好きなコト、モノへのこだわりは強い。レスポンスでは試乗記のほか、所蔵の資料を発掘しながらの「懐かしのカーカタログ」を担当。本連載に登場のハルは愛犬だが、同じ柴犬だった先代の意思を受け継ぎ(!?)、2代目モータージャーナリスト犬に。

【柴犬ハルの気になるクルマ】マツダ MX-30 のフリースタイルドアは、愛犬の乗せ降ろしも楽々

《島崎七生人》

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