メルセデスベンツ、「MBUXハイパースクリーン」発表…ダッシュボード全面がディスプレイに

スクリーンの幅は141cm

AIによって20以上の機能を自動的に提供

段差の場所を記憶しMBUXが車高を持ち上げることを提案

メルセデスベンツの「MBUXハイパースクリーン」
メルセデスベンツの「MBUXハイパースクリーン」全 10 枚

メルセデスベンツは1月7日、「MBUXハイパースクリーン」(MBUX Hyperscreen)をデジタルワールドプレミアした。メルセデスEQブランドのフルEV高級セダンの『EQS』に、初めてオプション設定される予定だ。

「MBUX(メルセデスベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」は、新世代のインフォテインメントシステムだ。MBUXの最新バージョンを搭載するMBUXハイパースクリーンは、人工知能(AI)を利用して、インフォテインメント、快適性、車両機能の操作と表示を、新しいレベルに引き上げているのが特長。大きく湾曲したスクリーンユニットが、ダッシュボードの横幅いっぱいに配置される。これにより、直感的で簡単かつ、感情的なデジタル体験を可能にするという。

スクリーンの幅は141cm

MBUXハイパースクリーンは、デジタルとアナログデザインの融合の一例という。印象的な湾曲したスクリーンは、複数のディスプレイがシームレスに融合しているように見える。エアダクトは、この大型デジタルディスプレイと一体設計された。スクリーンの幅は141cmに達する。ディスプレイの有効面積は2432.11平方cmだ。

MBUXハイパースクリーンは、プラスチック製のフレームに囲まれている。「シルバーシャドウ」と呼ばれる3層コーティングシステムは、非常に薄い中間層を持ち、高品質の表示を実現するという。MBUXハイパースクリーンの下部にはアンビエント照明が組み込まれており、ディスプレイユニットがインストルメントパネルに浮かんでいるように見える。メルセデスベンツの「MBUXハイパースクリーン」メルセデスベンツの「MBUXハイパースクリーン」

MBUXハイパースクリーンは、最大7つのプロファイルでコンテンツをカスタマイズできる。助手席前方のディスプレイには、エンターテインメント機能がある。助手席に乗員がいない場合、メルセデスベンツのパターンとして、アニメーション化された星が表示される。

鮮やかな表示を追求するために、OLEDテクノロジーが中央と助手席側のディスプレイに使用されている。すべてのグラフィックには、青とオレンジの配色が使われた。

MBUXハイパースクリーンは、直感的な操作を可能にする。EVモードで走行している場合、ブーストや回生などのEVパワートレインの状態が、クラスプを使用した新しい方法で視覚化される。

AIによって20以上の機能を自動的に提供

EQS向けの最新MBUXシステムでは、マッサージプログラムから誕生日のリマインダー、やることリストの提案まで、20以上の機能が人工知能(AI)の助けを借りて自動的に提供される。

学習可能なソフトウェアにより、表示や操作がユーザーに適応し、インフォテインメント、快適装備、車両機能について、ユーザーに最適な提案を行う。いわゆる「ゼロレイヤー」(最も重要なアプリケーションにアクセスするには、0のメニューレベルをスクロールする必要がある)のおかげで、サブメニューをスクロールしたり、音声コマンドを実行したりする必要がない。最も重要なアプリケーションは、常に状況に応じてトップレベルに表示される。

ユーザーは、ワンクリックでMBUXの提案を承認したり拒否したりできる。例えば火曜日の夜、帰宅途中に決まった友人に電話をかける場合、その曜日とこの時間帯に対応する電話をかけるように提案する。連絡先情報が記載されたアドレスが表示され、保存されている場合はその画像が表示される。すべてのMBUXの提案は、ユーザーのプロファイルにリンクされている。他のユーザーが火曜日の夜にEQSを運転する場合、この提案は行われない。他のユーザーの好みに応じた別の提案を行う。メルセデスベンツの「MBUXハイパースクリーン」メルセデスベンツの「MBUXハイパースクリーン」

段差の場所を記憶しMBUXが車高を持ち上げることを提案

EQSのドライバーが冬期、マッサージ機能を使用する場合、システムは冬の気温での快適機能を学習し、自動的に提案する。例えば、ユーザーがシートヒーターのスイッチを押すと、ステアリングホイールのヒーターの作動も提案してくれる。

EQSは段差などで、シャシーを持ち上げて、最低地上高を増やすことができる。最新のMBUXは、ユーザーが「車両リフトアップ」機能を使用したGPS位置を記憶。車両が再びこのGPS位置に近づくと、MBUXは車高を持ち上げることを提案する。

大型ガラスカバーディスプレイは、650度の高温で成形する工程により、立体的に湾曲させることができる。このプロセスにより、ディスプレイカバーの半径に関係なく、車両の全幅にわたってディスプレイユニットを歪みなく表示することを可能にした。

タッチスクリーンの下には、操作中の触覚フィードバック用に合計12個のアクチュエータが内蔵された。指が特定のポイントに触れると、カバープレートに目に見える振動が発生する。

カバープレートの2種類のコーティングにより、反射を抑え、クリーニングを容易にした。湾曲したガラスには、傷のつきにくいケイ酸アルミニウムが使用されている。

最新のMBUXは、8 CPUコア、24ギガバイトRAM、46.4 GB /秒のRAMメモリ帯域幅を持つ。1台の多機能カメラと1台の光センサーの測定データを利用して、画面の明るさを周囲の条件に適合させることができるという。

《森脇稔》

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