【F1】新生アストンマーティン、タイトルパートナーに「Cognizant」を得て2021年いよいよ“出航”

アストンマーティンのタイトルパートナーに「Cognizant」が就任。
アストンマーティンのタイトルパートナーに「Cognizant」が就任。全 7 枚

2021年、実に60年以上ぶりとされるF1復帰を果たすのがアストンマーティンだ。年が明け、あらためての参戦決意が語られたのちにはタイトルパートナーも発表されるなど、新生アストンマーティン“出航”の動きが活発化してきている。

昨季2020年までレーシングポイントの名で活動していた陣営が今季2021年からアストンマーティンを名乗ることは昨年の早い段階で既決事項となっていたが、実際に年が明け、1月1日にはアストンマーティン首脳から意気込みが披露されている。レーシングポイント~アストンマーティンのF1ドライバーであるランス・ストロールの父にして、アストンマーティン・ラゴンダ取締役会会長のローレンス・ストロールはこのように語った。

「F1は絶大な影響力を誇るモータースポーツであり、これに参戦することはアストンマーティンの企業戦略全体において重要な役割を果たし、さらに前進させるものだ。数多くのファンをもつグローバルなモータースポーツに参戦することで、アストンマーティン・ブランドの認知度と好感度を世界中で高めることができると確信している」

「アストンマーティンはルマン24時間レースをはじめとするトップレベルの国際的なモータースポーツで既に大きな成果を収めてきた。そして今回、その歴史に新たな章が書き加えられることになる。これはアストンマーティンのファンだけでなく、F1およびモータースポーツのファンにとっても非常にエキサイティングな出来事だと思う」

レーシングポイントを率いて、2020年シーズンには1勝(セルジオ・ペレス)、ポールポジション獲得1回(ランス・ストロール)、コンストラクターズランキング4位という好成績を収めたオットマー・サフナウアー(新生アストンマーティン陣営のCEO兼チーム代表)も、新たなる戦いを前に意気揚々である。

「アストンマーティンのようなブランドを代表して戦うことができるのは、すべてのチームメンバーにとって大変光栄なことだ。我々のチームは、“階級以上のパンチを繰り出すボクサー”というような高い評価を得ている(編注:予算以上の成果を出せるF1チーム、との意だろう)。新しいシーズンでも、初戦から大きな存在感を発揮できると確信している」

「新しい旅の始まりであり、これまで以上のパフォーマンスを発揮するという固い決意の下、チーム一丸となって戦うための大きなエネルギーを感じている。私たちはモータースポーツの世界で最もクリエイティブな精神、真のレーサー(競技者)としてのメンタリティを備え、何年にもわたって培ってきた高いモチベーションにより、エキサイティングな未来を切り開いていく」

英国の雄アストンマーティンがコンストラクターとしてF1世界選手権(1950年発足)を戦った記録は1959~60年に確認できるが、これといった決勝成績は残っておらず(最高6位と見られる)、新生アストンマーティンには初表彰台、初優勝の期待がかかる。そんな新陣営に1月7日、ともに戦うタイトルパートナーの就任が発表された。米国の国際ITブランド「Cognizant」である(Cognizantは日本法人の記載に準拠すれば「コグニザント」)。

これによって、新陣営のチーム名は「アストンマーティン・コグニザント フォーミュラ1チーム」となった。複数年契約のコグニザントは冠スポンサーとしてだけでなく、その技術力でチームを多方面から支える存在としても機能するとのこと。なお、陣営の搭載パワーユニットはレーシングポイント時代と同様にメルセデス製で、タイヤはワンメイクのピレリ製。そしてドライバーはランス・ストロールが残留し、フェラーリからセバスチャン・ベッテルが移籍新加入する。

セバスチャン・ベッテル(ドイツ/33歳 Car No.5)はレッドブル所属時代の2010~13年に4年連続ドライバーズチャンピオンとなった実績を誇り、F1通算53勝は歴代3位の記録。コグニザントのタイトルパートナー就任に合わせ、以下のようなコメントをしている。

「アストンマーティン・コグニザントF1チームとの活動を(具体的に)スタートするのが待ちきれない気分だ。当面は自分にとって多くの発見があると思うし、このチームを成功させるために自分ができることを(最大限に)する、そういう決意に満ちている。名高いアストンマーティンが、その名に相応しい場所(F1)に帰還する、その旅に加われることを誇りに感じているよ」

昨季はレーシングポイントで自身初のポールポジション獲得を果たし、決勝レースでもシーズン2回の3位表彰台登壇という活躍を見せたのがランス・ストロール(カナダ/22歳 Car No.18)である。彼も、「アストンマーティンの名がF1に戻る、それもコグニザントと一緒にというのはとても大きな“事象”だ。チームは熱望にあふれているし、自分もシーズン開幕が待ちきれない」と、さらなる躍進に向けて意欲を示す。

注目のアストンマーティン・コグニザントF1チーム、今季のマシンカラーリング発表予定は3月とされている。

(*1月1日時点ではマシンカラーリングは2月発表予定とされていたが、このところの開幕遅延報道を受けて、時期見通しを変更したものと思われる。3月21日の“開幕戦”オーストラリアGPは延期が濃厚で、同28日のバーレーンGPでのシーズンインが噂されている)

《遠藤俊幸》

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